5項目当てはまったら、あなたの耳は“生乾きの靴下”状態? nwmが「耳の不快指数セルフチェックシート」を発表
NTTソノリティは、この度イヤホン/ヘッドホンユーザーを対象とした「高温多湿の夏における耳の不快調査」を実施。その結果を発表するとともに「耳の不快指数」セルフチェックシートを公開した。これに関連して、本日6月19日にメディア向けの「オープンイヤーと耳の不快に関するラウンドテーブル」が行われた。
夏の耳ケアを新習慣に。耳チェックのセルフチェックシートを作成
NTTソノリティは、NTTの独自音漏れ抑制技術「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」や声をクリアに届ける特許技術「Magic Focus Voice」を活用し、コンシューマー音響ブランド「nwm」を展開している。
今回、同ブランドの価値を社会に広げる取り組みの一環として、高温多湿な梅雨、夏の時期に密閉型イヤホン/ヘッドホンの着用がもたらす健康リスクへの意識と実態を明らかにすべく、全国の男女500人を対象に「高温多湿の夏における耳の不快調査」を実施したという。
ラウンドテーブルに登壇した同社マーケティング&クリエイティブ・コミュニケーションG ディレクターの清野裕美氏は、「高温多湿なこの時期に耳を長時間ふさぐことにはさまざまなリスクがある。夏に向けてUVケアや熱中症対策を行う方は多いが、イヤホンの見直しや耳のケアを新習慣として提案し、その重要性を広げていきたいと考え、今回の調査を行った」と説明する。

日常的にイヤホン/ヘッドホンを使う全国の男女500名に対し調査を行ったところ、夏場に耳のケアを行っている方は11%と非常に少なく、43.2%が「夏にイヤホン/ヘッドホンを装着して不快感を感じたことがある」と回答。不快感への対策は「我慢している」が54.6%、「何もしていない」が28.2%と、実に8割近くがケアを行っていない状態だという。
その理由については「どんな対策をすればよいか分からない」が38.5%、「我慢できると思った」が31.8%を占めるなど、耳の不快感に対する明確な対策方法が世の中に浸透していないことが浮かび上がったと分析。これを受けて、そらいろ耳鼻咽頭科センター北駅前院院長を務める耳鼻科医の内尾紀彦氏の監修のもと、耳の状態を可視化できるセルフチェックシートが作成された。


予備軍の耳は「例えるなら生乾きの靴下」。耳掃除も炎症の原因に

セルフチェックシートは全15項目からなるもので、当てはまる数が0 - 1個の場合は「快耳ゾーン(理想状態)」、2 - 4個で「潜在不快ゾーン」、5 - 8個で「予備軍ゾーン」、9 - 12個で「ケア必要ゾーン」、13 - 15個で「医療介入推奨ゾーン」に分類される。
ラウンドテーブルには内尾氏が登壇し、耳の疾患についての説明を実施。近年は音楽や動画コンテンツの視聴などイヤホン/ヘッドホンを使う機会が増えているなか、1日5時間以上イヤホンやヘッドホンを使っている場合、1時間未満の使用にとどまる方と比べて耳の疾患を覚える割合が2.3倍にもなってくるという。

また耳掃除も原因のひとつになるとのことで、「日本人は耳掃除が好きな方が非常に多いが、アメリカのガイドラインでは『綿棒で耳掃除をしてはいけない』と言われている。耳かきで外耳道を傷つけると、そこから細菌感染が起こりやすくなるし、汗で湿ったイヤホンを押し込むのも注意が必要」だと説明。梅雨や夏といった高温多湿な環境、プール、シャワーなどの物理的な刺激も要因になりやすいとのこと。
こういった要因などで外耳道に細菌・真菌(カビ)が感染し、炎症を引き起こす疾患が「外耳炎」であり、かゆみや痛み、耳だれ、耳閉感(耳が詰まった感覚)、聴こえにくさなどの症状を引き起こすという。
近年は真菌感染による「耳カビ」も要注意で、感染すると治療に1か月から数か月かかる場合もあるそう。さらに耳のトラブルを放置した場合、炎症の慢性化や聴力の低下につながったり、重篤な病気に進行する可能性もあると説明。「耳のかゆみや違和感は無理せず、ケアする必要がある」と警鐘を鳴らした。
先述した不快調査の対象である男女500人にもセルフチェックシートを行ってもらったところ、約半数が「快耳ゾーン」であった一方、10人に1人は「予備軍ゾーン」以上だったという。ある研究によると「イヤホン表面の細菌数は便座の20倍」というデータもあり、内尾氏は「(予備軍ゾーンの耳の中は)例えるなら生乾きの靴下、長時間履いた長靴の中、梅雨時の押入れのような状態」だと語る。
そういった耳トラブルを避けるためには何をすれば良いか。「まず耳を清潔に保ち、乾燥させることが重要。汗をかいた後や入浴、水泳後は清潔なタオルで耳の入口や耳介を優しく拭き取ってあげる。不快感がある場合は、ドライヤーを耳から30cm以上離し、『冷風で数秒程度のごく短時間』乾かすと良い。ただし温風や長時間使用は火傷・皮膚を傷つける原因になるので注意が必要」と内尾氏は解説する。
また「本来、耳垢や古い皮膚は自然に排出されるので、耳掃除は月に1、2回、見える範囲を優しく拭う程度で十分」だとコメント。さらに「イヤホンは清潔を保ってあげることが大事。そういう意味で、耳をふさがず通気性の良いオープンイヤー型は外耳炎リスクの低減におすすめ」だと語った。
NTTソノリティも、nwmブランドのオープンイヤー型製品を取り入れることは耳トラブルを減らす選択肢のひとつだとアピール。今回の調査でも、実際にオープンイヤー型製品を使用することで「“装着蒸れ” が軽減された」と感じる方は61.5%にものぼったほか、「イヤホンに耳垢が付かない、耳の中がかゆくなりにくい」「涼しさを感じる」などの声が上がったそうだ。
調査結果やデータを踏まえ、清野氏は「エンタメの多様化やビジネスユースなど、イヤホンの使用時間は伸びているかと思う。それ(耳の不快感)を我慢せず、セルフチェックシートでどう対処するかを考えていただけるとQOLも上がっていくかと思うので、ぜひ広げていきたい」と意気込みを述べた。