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英MQA社の符号化技術「Deblur Filtering」を導入

ミュージックバード、世界初「MQAデブラー放送」6/1開始。デジタル音声の時間軸歪み除去で高音質化

2021/05/17 編集部:小野佳希
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衛星デジタル音楽放送『ミュージックバード』は、デジタル音声信号に特有の「時間軸歪み」を取り除くことで音のにじみが解消されるという英MQA社の符号化技術「Deblur Filtering」を放送に導入。6月1日より、世界初の「MQAデブラー放送」をスタートさせる。

MQA社の符号化技術「Deblur Filtering」を放送に導入

Deblur Filtering は、デジタル音声信号に特有の「時間軸歪み」を取り除くという新たな符号化技術。音のにじみが解消され、より生の演奏に肉迫する音質になるとしている。なお「MQAデブラー放送」では、MQAのもう一つの特徴である「折り紙」圧縮技術を使用していないため、従来のチューナーでそのまま楽しめる。

MQAエンコードの有無による違いのイメージ

ミュージックバードでは音楽ジャンルなど別に多数のチャンネルを展開しているが、まず124ch「THE AUDIO【Premium】」からMQAデブラー放送を導入。その後、「103ch:Cool Lounge〜THE TERASHIMA JAZZ【Premium】(ジャズ)」「107ch:Best Voices【Premium】(ジャズ・ポップス・ボーカル)」「117ch:KLASSE【Premium】(クラシック)」「118ch:SYMPHONIC【Premium】(クラシック)」「121ch:THE CLASSIC【Premium】(クラシック)」「122ch:THE JAZZ【Premium】(ジャズ)」「126ch:SUPER LEGEND【Premium】(洋邦ロック・ポップス)」の8チャンネルにも拡大していく。

「THE AUDIO」チャンネルではMAQデブラー放送の効果を試す番組「これがMQAデブラー放送だ!」を6月1日より放送。クラシックチャンネル「KLASSE(117ch)」と同じ内容をMQAデブラー放送にて「THE AUDIO」チャンネルで放送する。これにより、チャンネルを変えながら、新・高音質放送と従来放送との違いを体験できる。

同企画では、月〜金12:00〜14:00に「クラシック編」 (117ch:KLASSEと同内容)を放送。月〜金14:00〜15:00に「ボーカル編」(107ch:Best Voicesと同内容)、月〜金15:00〜18:00に「ジャズ編」(122ch:THE JAZZと同内容)をオンエアする。

MQA社ファウンダーのボブ・スチュワート氏は「人間の耳は、音がどこから来ているのかを聞き分ける高い能力を備えています。わずか数マイクロ秒の時差で届く複数の音を聴いて、脳は音の立体「画像」を描き出すことが出来るのです。たとえばライブで、音で各楽器の位置を識別できるのは耳がこの能力を備えているからです。ライブ音楽がパワフルで感情に訴えかけるように感じられるのに対して、録音した音楽が平坦に聞こえるのもこのためです」と説明。

「アナログサウンドをデジタル信号に変換すると時間的な『音のボケ』が生じ、過渡的な音が滲むことになります。MQAでは、こうした時間の歪みを排除し、忠実なサウンド空間を再現します。音に生命力が宿る瞬間を体感してください」とコメントしている。

評論家の麻倉怜士氏は「音が、より臨場感豊かに、よりナチュラルになります」とデブラーフィルター技術を評価。「人の時間軸解像度は、加齢でも衰えないので、高齢の音楽ファン、オーディオファンにも、異次元の高音質体験が得られます。従来は聴覚が衰えて高音が聴こえにくくなると高齢者の音楽鑑賞は難しいと言われてきましたが、MQAと従来放送では音で感じる距離感が全然違います。生のステージ感が豊かに体験できるのが、『MQAデブラー放送』の美質です」とコメントしている。

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