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NR1710ユーザーの生形三郎氏が実力チェック

前モデル購入の生形氏、思わず唸る。マランツ「NR1711」が遂げた予想以上の進化

2020/09/25 生形 三郎
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■前モデルを購入した評論家が新モデルの実力をチェック

前モデルを購入し自宅で使用している評論家、生形三郎氏が新モデルの進化具合をチェック

昨年筆者が購入したマランツの薄型AVアンプ「NR1710」が、この度「NR1711」へとバージョンアップされた。更新内容としては、8Kや次世代ゲーム機向け規格への対応といった映像面での機能強化に加え、特にHDMI/ネットワークオーディオ系回路のグレードアップによって音質面が大きく強化されたという。しかしながら、価格は、NR1710から据え置きの90,000円(税抜)をキープ。ここでは、NR1710ユーザーとして自宅で両機を比較試聴して実感したことに加え、NRシリーズの魅力そのものをお届けしたい。

生形氏の試聴室に設置されたNR1711

まずは、本機の基本的な特徴をご紹介しよう。NRシリーズは、本体の高さが105mmとなる、いわゆる薄型タイプのAVアンプだ。新モデルNR1711では、新たに8K対応の1系統を含む、合計6系統のHDMI入力を搭載。従来機で対応していたHDR10/HLG/Dolby VisionやeARC に加えて、8K60p/4K120pやHDR10+/Dynamic HDR、QMS/DSCなどの最新映像フォーマットへの対応を果たした。

HDMI端子部。新たに8K対応の入力も装備された

音声面では、ディスクリートの7chアンプ(50w/ch, 8Ω)を搭載し、7.2chまでのサラウンド再生に対応。フォーマットとしては、NR1710で対応済みのDolby AtmosとDTS:Xに加え、新たに、4K/8K放送で採用されるMPEG4 AAC 5.1もサポートした。デジタル音声入力は、無線及び有線によるネットワーク入力では、Amazon Music HDなどのロスレスストリーミング・サービスに対応するほか、Bluetooth接続による入力及び出力も可能。また、強力なネットワーク再生機能「HEOS」の搭載によって、あらゆる操作をHEOSアプリから一元的にリモートコントロール可能な点も本機の大きな魅力となっている。

スピーカー端子部

そもそも、なぜオーディオを専門とする筆者がこのマランツのAVアンプを購入したかは、過去記事でご紹介させて頂いた通りだが、簡潔に言うと、多機能でありつつ、マランツクオリティの質の高いサウンドが楽しめることが最大の理由であった。実際的に、これからオーディオ機器を揃えてみたい方にご紹介する機器の一例として、非常に適した製品であると考えたからである。

音楽を良い音で楽しみたいが、やはり、予算や置き場所の問題は避けられない。そこで、リビングのテレビなどAV機器と共存し、生活の中に無理なく溶け込み、2chソースからサラウンドまで良い音で楽しめるAVアンプという存在は、とても現実的で魅力的な選択肢だといえる。その中で、NR1710は、とりわけ美しい音楽再生が楽しめる音質を備えていたので、基準の機器として自腹で購入したという経緯である。

音場補正マイクを設置できる組み立て式の簡易スタンドも同梱

■前モデルからの進化ポイントは?

では、実際にNR1710からNR1711となり、具体的に何が変わったのかについて見ていきたい。

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