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「Bluetooth市場動向2020」

オーディオの今後5年は成長傾向、出荷台数も上向き予想。Bluetooth SIGの最新市場動向レポート

2020/04/15 編集部:押野 由宇
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Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、米国の調査会社であるABIリサーチ社の最新予測、および他の調査会社の地点に基づき検証した「Bluetooth市場動向2020」を公開。2024年までの、5年間の見通しを発表した。

「Bluetooth市場動向2020」は、Bluetooth SIGメンバー企業コミュニティの発展・現在の状況、主なBluetoothワイヤレスソリューション分野のトレンドと予測、Bluetoothの業界別市場における新しいトレンド、予測、機会を検証したものとなる。

Bluetoothの出荷台数は増加を続けている。2020年から2024年にかけては年平均成長率8%を見込み、2024年には年間出荷台数62億台に到達すると予想している。Bluetoothデバイスのうち、消費電力を抑えつつサイズのコンパクト化などが図れるBluetooth LE技術を搭載するものは年平均成長率26%となり、市場の新たなスタンダードと目される。

なお、さまざまなデバイスと接続するため、2024年に出荷されるスマートフォンやタブレット、ノートパソコンといったBluetooth対応機器は、Bluetooth Classic+LEのデュアルモードを標準搭載すると予想。Bluetooth LEシングルモードデバイスの年間出荷台数は、2024年で35%になる見込み。

先日発表された「Bluetooth LEオーディオ」は、低遅延・高品質のオーディオコーデック「LC3」、複数の独立したオーディオストリームの同期送信が行えるマルチストリーム、1つのオーディオソースを無制限に送信できるブロードキャストといった機能を有する。こうした性能を活かした高品質なBluetooth対応補聴器の開発推進や、音楽ソースを大勢と共有するオーディオシェアリングなどの運用が期待される。

Bluetooth LEオーディオの技術要点

なおLC3コーデックの対応製品については、現在複数のプラットフォームでテストが行われており、今年から来年にかけて市場にリリースされる予定としている。

ソリューション分野別では、家庭内や商業施設のスマート化の実現に寄与するBluetooth meshネットワークが大きく成長。過去2年、認証製品の数は半年ごとに倍増してきており、その勢いは続くものと見られている。それを上回る伸びを記録するのは位置情報サービスで、道案内や捜し物発見、出入り管理などにBluetooth技術が組み込まれる。また先述のLE Audioの登場も相まって、Bluetoothオーディオ市場は成長を続けると予想されている。

オーディオ&エンターテインメント市場の年間出荷台数の具体予想としては、2020年が14.8億台、成長を続け2024年には19.1億台に達すると予想。そのうち小型イヤホンが38%を占め、スピーカー製品の9割がBluetooth技術を搭載するとの予測を示す。

オーディオ&エンターテインメント市場の年間出荷台数グラフ

またスマートホーム関連デバイスも飛躍的な成長を見込む。2024年の関連デバイス出荷台数は、2019年の約2倍となる18.2億台に至る見込み。Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントが主流となり、対応デバイスが77%増加。そしてスマートホームを牽引するのはリモコンやスピーカー、テレビなどのコネクテッドホームデバイス、家庭用オーディオおよびエンターテインメント機器が大半を占める予測だ。

Bluetooth搭載スマートホーム関連デバイスの出荷台数グラフ

スマホ、タブレット、PCといったデバイスでは、年間出荷台数は微増として、2020年の20.5億台に対して2024年には21.1億台と予想。キーボードやマウスなどの周辺機器のワイヤレス化が進み、70%のアクセサリーはBluetoothを標準搭載するとした。

自動車関連デバイスにおいても、Bluetooth技術はキーレスエントリーや車載インフォテインメントなどで活用されており、2024年には新車の87%がBluetooth標準搭載車となり、道路を走る全車両の2/3がBluetooth技術を搭載すると予想している。

スマートウォッチなどのコネクテッドデバイスは出荷台数の成長がめざましく、年間出荷台数は2020年には6.5億台、2024年には11.4億台にまで拡大すると見込む。ウェアラブル分野は発展を遂げ、タグやトラッカーといった位置情報サービス分野が大きなマーケットシェアを獲得する予測だ。

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