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国内増税後もテレビの需要が盛り返す

パナソニック、'19年2Qは有機ELなど国内家電が牽引、アプライアンス社が増益

2019/10/31 Senka21編集部 徳田ゆかり
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パナソニックは、2019年度第2四半期の決算概要を発表。同社取締役 常務執行役員CFOの梅田博和氏が説明を行った。当初出席予定であった津賀一宏社長は欠席。それについては11月22日にIRデーを設け、その席で中期戦略について説明するとした。

パナソニック(株)取締役 常務執行役員CFOの梅田博和氏

同社2Qの連結業績のポイントとしては、売上高が実質ベースで増収し、調整後営業利益は増益となった点。営業利益、純利益は構造改革費用や前年一時益の反動などにより減益となっている。

今回より調整後営業利益(売上高から売上原価と販管費を控除して算出)を開示したことについては、「2016年度末にIFRSへ完全移行してから営業利益とその他損益を開示してきたが、差引き計算をしなくては事業の実力値がわからないとの指摘を受け、一層のわかりやすい開示を目指し、今回開示することにした」と説明した。

売上高は前年同期比2%減の1兆9,533億円と、為替影響を除いた実質ベースでわずかに増収。調整後営業利益は941億円で、車載機器の欧州開発増加や中国での減販損が継続しつつも、国内住宅関連や家電の増販益等により増益となった。営業利益は839億円、純利益は511億円、それぞれ減益になった。

2019年度第2四半期の決算概要

アプライアンスは、海外でのテレビの苦戦が継続するものの、国内家電や海外の空調が堅調で増収増益に。ライフソリューションズは、1Qに続いて国内住宅関連や電材が堅調で増収増益。インダストリアルソリューションズとコネクティッドソリューションズは減収減益、オートモーティブは、車載電池は増収増益だが、車載機器の欧州での開発費増加などが影響し全体で減益に。

2019年2Qのアプライアンスの業績内容

こうした内容を受け、2019年度の年間業績見通しを修正。売上高は、5月9日発表値から2,000億円の下方修正で、7兆7,000億円とした。調整後営業利益、営業利益、純利益は変更なし。セグメント別見通しについては、「足元の経営状況や今後の事業環境を踏まえた」として以下のように修正している。

2019年度の年間業績見通しを修正

アプライアンス社の内容について言及した梅田氏。「アプライアンスが1Qで減益の底を打ち、2Qで増益となったが、それは国内が順調だから。海外でもエアコンなどが好調に推移した。アプライアンス社自体が増益に転じ、大幅な減益が止まったというのは大きな転機である」。さらに全体の半分弱を締める国内家電が堅調として、それについては「4Kテレビ、特に有機ELテレビ関連、冷蔵庫や洗濯機など大きなものが順調だった。従来以上の成長をし、シェアアップしたと認識している」と強調した。

消費増税の影響については、「アプライアンス社のライフソリューションズでは販売で200億円台の前半くらい」と見ており、「特に家電関係は増税前後2週間に大きな波があった。ただ5%から8%になったときの駆け込みや反動よりはゆるい動き。それはキャッシュレス還元や次世代住宅ポイントなどが要因かと思われる。全国8,000店のパナソニックショップでは、パナソニックカードでポイント還元なども行なっているし、エコ住宅、宅配ボックスなど次世代住宅ポイント対象商品も大きく、こうした対応策があって前回の増税ほど影響は大きくなかった」と語る。

ただし10月の1週は対前年で3割強の販売が落ちたとして、「その後月末に近づきテレビの需要などは盛り返している。少しお客様の心理が冷めているかもしれないが、もう少し見てみないと推移はわからない」との見方を示した。

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