「IFA」もブース出展

<CEATEC>JVCの曲面ディスプレイを体験/TDKのオーディオ向け部品を聴き比べ/QDレーザーの網膜スキャンHMD

編集部:平山洸太
2019年10月15日
10月15日-18日に幕張メッセで開催されるエレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2019」が開幕。本稿ではANAブースに導入されたJVCケンウッドの映像システム「シリンドリカル・ディスプレイシステム」や、TDK「オーディオ機器向けチップバリスタ」、QDレーザー「網膜スキャンHMD」などのブース展示をレポートする。

シリンドリカル・ディスプレイシステム

ANAホールディングスが展開するブースには、事前に発表されたJVCの映像システムを用いた体験デモなどを実施。曲面ディスプレイの前で釣りの体験ができる内容となっている。

「シリンドリカル・ディスプレイシステム」で釣り体験

このシステムは、ドライブシミュレーションやVRなどで没入感・臨場感の高い映像表示を実現するというもの。会場では、同社の4Kプロジェクター「DLA-X990R」を4台使用し、独自技術でソフト的にゆがみとつなぎ目を処理。これにより、曲面のスクリーンにリアプロジェクションをし、曲面状の映像表示を行っていた。

説明員に話を伺ったところ、「VRメガネだと複数人では楽しみにくく、ユーザーフレンドリーではない。しかしこのシステムでは、周囲を映像で包むことで、より臨場感を高められる」とアピール。自由度も高く、180度から360度、そして球状まで作ることができるという。

発色やコントラストなどの再現性をアピール

「プロジェクターのもつ高いダイナミックレンジを活かすことで、様々な状況を再現し、臨場感の高い映像を表現できる」とのこと。先述のように今回はDLA-X990Rを使用しているが、1,600,000:1(ダイナミック)という高いコントラストを活かすことで、暗所から明所まで再現でき、高い臨場感を実現可能だ。

また、この再現性がビジネス用途でも役立っているとのこと。訓練用の航空シミュレーターはもちろん、自動車開発では実際の状況を映像でシミュレーションし、ヘッドライトの見え方などが再現。試作車を作らずとも設計ができるという。

TDK

TDKでは、CEATECに合わせて発表した「オーディオ機器向けチップバリスタ」を出展。従来と同様に静電気を吸収する機能を持ちながら、内部構造の最適化によりノイズを抑制するという製品だ。

「オーディオ機器向けチップバリスタ」を指と比較

展示では同製品を使用した場合と、しない場合を聴き比べできるデモが行われ、その効果を体感可能。実際に記者が試したところ、しない場合では「ピー」という高周波ノイズがかすかに感じられたが、フィルタとしてチップバリスタを通してみると、このノイズがかなり抑えられたことがわかった。

2種類の基板を切り替えで比較デモ。左の基板の矢印部分にチップバリスタが乗っている

バリスタは雷サージ搭載の電源タップなどに使われ、静電気など電気を吸収する性質をもつが、先述のように内部構造を最適化。特に2.4GHzで発生するノイズを抑制することで、これら電波による影響を抑えるという。なお説明員によると、「今後はシリーズとして、2.4GHz帯以外の電波に合わせた製品もリリースしていきたい」とのこと。

また本製品によるメリットとして、従来ダイオードとコンデンサによって作られていたフィルタを1つのパーツにまとめることができ、小型化にも繋げることができる。

なしの場合(左)/フィルタを通した場合(右)

Bluetoothイヤホンやスマートフォンなどに搭載するマイクではアンテナからの高周波信号が侵入し、 “バズ” 呼ばれるノイズ(TDMAノイズ)が発生するため、特に効果があるとのこと。検証はしていないというが、「Blueoothモジュールを搭載するオーディオ機器などのノイズ低減にも役立つのでは」ということで、今後オーディオ機器への採用も期待したい。

同社のブースにはもう1つ、興味深い展示があった。それがピエゾ素子で音楽再生するスピーカー「PiezoListen」で、会場では実際にそのサウンドを聴くことができる。ピエゾ素子は触覚を再現するハプティクス技術にも用いられる、振動を作り出すものだが、同製品では振動数を可聴域に最適化している。

オーディオ向け「PiezoListen」(左)とハプティクス向け「PiezoHapt」をラインナップ

サウンド再生のデモ

特徴として、「薄くてコンパクトなので、今まで入らなかったスペースに搭載できる」と説明員。展示されていたものはプラバンにピエゾ素子を貼り付けたもので、このように物をはりつけることであらゆる物をスピーカーとして使用できる。

プラスティックの板にピエゾ素子を貼り付けスピーカーとしている

余談だが、展示スピーカーの再生周波数帯域は1kHzから20kHz以上。説明員は「レスポンスが良いため、高域再生には適した素材なのでは」と話していた。なお会場では800Hzでクロスオーバーして低域を足元に設置したスピーカーで再生。またピエゾ素子を中央ではなくあえてずらすことで、共振を防いでいるという。

メッセベルリン

メッセベルリンは今年もブースを構え、独ベルリンで開催される世界最大級の家電展示会「IFA」をアピール。今年は9月6日から11日に開催された。次回開催となる「IFA 2020」は来年9月4日から9日にかけて実施予定となっている。

「IFA」ブース

次回「IFA 2020」は来年9月4日から9日にかけて実施予定

赤い色が目を引く同ブースには、「展示を検討している」「ドイツ企業と協力して出展してみたい」といった理由で、企業の担当者も訪れるとのことだ。

QDレーザー

QDレーザーでは、本日発表された網膜スキャンHMD「RETISSA Display II」を早速展示。本日より予約が開始されており、アスキーストアにて248,000円 (税抜)で販売が行われている。

「RETISSA Display II」

「RETISSA Display」は超小型レーザー・プロジェクターを使った市販品としては世界初の網膜投影式アイウェアデバイス。同方式では網膜に直接レーザーで照射するので、視力やピント位置に依存せずに常にクリアな映像を見ることが可能。

実際に体験することができたが、視力が0.1以下かつ乱視の記者であっても、メガネを使用せずにピントの合った映像を見ることができた。普段はメガネなしでは町中をあるくことも怖いので、素直に驚いた。またRGBのレーザーを用いているため、発色などよく映像用としても期待できると感じた。

表示部分がグラスに取り付けられている。個人に合わせて取り付け位置は調整可能

担当者は「弱視の方にとって福音となるデバイス」と話しており、網膜が正常であれば、メガネで補正できないような弱視の方であっても、ピントの合った映像を見ることができる。実際、医療機器として眉間部分にカメラを搭載したものを、来年の発売に向け認可作業など進めているという。

販売は単眼用アイウェアとなり、好みに応じて右目または左目で使用でき、スイッチで画像が反転できる。また、イヤホンやヘッドホンを接続することでステレオ音声再生が可能だ。制御ボックスはバッテリーで約3.3時間(外部負荷無し/前モデルと比べておよそ1.6倍)を実現。マイクロUSBにより充電を行うので、市販のモバイルバッテリーなどを利用できる。

LRを切替可能。ヘッドホンジャックも備える

参考として、映像を想定した試作も展示。こうすることでコントラストなどの表示性能をより発揮できるという

先述したようにアスキーストア独占となるが、QDレーザーの直販では先行受注も実施中。「先行受注では年内にお届けできるので、早くほしい方は直接連絡をしてほしい。早いものがちです」と担当者はアピールしていた。

ラトックシステム

ラトックシステムはIoTセンサーの新製品として、ワットチェッカーを搭載したWi-Fiスマートプラグ「RS-WFWATTCH1」、Bluetoothワットチェッカー「RS-BTWATTCH2」を参考出展。前者が今年12月、後者が来年2月の販売予定となっている。

ラトックシステムはIoTデバイスをアピール

RS-WFWATTCH1は、すでに発売中の同社スマート家電リモコン「RS-WFIREX4」と組み合わせることで、外出先から消費電力のチェックや電源のオンオフができる。消費電力のデータはクラウドに保存され、数値やグラフでの表示にも対応する。

Wi-Fiスマートプラグ「RS-WFWATTCH1」

スマート家電リモコン「RS-WFIREX4」

またRS-BTWATTCH2は、スマホやタブレットとBluetoothで接続することにより、消費電力を表示できるワットチェッカー。計測データは本体メモリーに蓄積する仕様となり、計測値やグラフ表示も行える。

Bluetoothワットチェッカー「RS-BTWATTCH2」

未発表の製品としては、近日発表予定で11月に発売予定の紛失防止タグ「RS-SEEK3」も展示。これはBluetoothでスマホと接続することで、このタグに鍵などを付けることで、スマホと距離が離れた場合に知らせることができる。温湿度計が搭載されていることもアピールポイントだ。

紛失防止タグ「RS-SEEK3」

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