映像エンジンの刷新が目立つ

4K有機ELテレビ、'18年夏モデル出揃う。さらなる「熟成」画質へ、新4K放送への対応にも違い

ファイルウェブ編集部
2018年05月08日
国内で4K有機ELテレビを出している各社の夏モデルが発表された。一足先に発表していたLGに続き、本日ソニー、パナソニック、東芝と、国内メーカー各社の発表が相次いだ。


同じ4K有機ELテレビと言っても、当然ながら各社が差別化を図っている。また夏商戦と冬商戦、どちらを勝負時と見定めるかというマーケティング戦略の違いも表れる。これらの背景をもとに、結果として商品としての個性がそれぞれ際立つことになった。まずは比較表で、新製品の概要を俯瞰して眺めてみよう。

各社4K有機ELテレビ概要比較表

パネルと映像エンジンの進化は?

まず気になるのは有機ELパネルの「世代」だ。各社とも同じベンダーから供給を受けているため、どの世代のものかで画質は大きく変わりうる。

ただしこれについては各社とも、はっきり「どの世代のパネルを搭載しているか」を明らかにしていない。LGは自社グループでパネルを作っているため、最も早く新パネルにアクセスできると考えられるが、発表会では世代に関する言及はなかった。

東芝は「新世代の有機ELパネル」という言い方をしている。だが東芝については、前モデルのX910に搭載されたパネルの世代が他社より一世代古かったこともあり、どこを基準に「新しい」のか、公式発表からは判然としない。

パナソニックは、やはりパネル世代についての言及は無し。それよりも映像エンジン「ヘキサクロマドライブ プラス」の進化によって、パネル制御を高精度化したことをアピールしている。

ソニーは、基本的に昨年のA1から様々なスペックを踏襲している。パネルの世代は、やはり同社も非公表だ。ただし「各種デバイスへの最適化や最終的なチューニングなどで画質を強化」しているとのことだ。

さて、今回の新製品で映像エンジンの刷新に力を注いできたのは、LG、パナソニック、東芝の3社だ。パネルがほとんど変わらないのだから、そこで画質が大きく変わってくる。

LGは有機EL専用映像エンジン「α9 Intelligent Processor」を新開発し搭載した。主にノイズ除去とエッジ強調、色再現性の向上などに注力したという。

パナソニックも新開発の「ヘキサクロマドライブ プラス」を採用した。もともと有機ELが得意とする暗部の表現力をさらに高めるだけでなく、明るい映像での階調や色の忠実性を高めたという。

東芝は「レグザエンジンEvolution PRO」を搭載。同エンジンを使った高画質化処理として、「4K放送をさらに綺麗にする」ことにこだわり、NRや複数フレーム超解像処理を施す。また、定評ある地デジの映像をさらに美しくする処理も入れてきた。

HDRについては、HDR10とHLGに対応しているのは各社とも共通だ。これに加えてソニーは、ドルビービジョンへファームアップで対応することを表明している。さらにLGはドルビービジョン、Advanced HDR by technicolorに両対応するという、「HDR全方位戦略」ともいうべき充実度を見せている。ただしHDR10+はパナソニックを含め、現時点で対応しているモデルはない。

4K放送への対応

今回、東芝とそれ以外で対応がはっきり分かれたのが、12月からスタートする「新4K衛星放送」への対応だ。

ソニーとパナソニックは、外付けチューナーを開発中であることをアナウンス。今回のテレビにはチューナーを内蔵せず、将来的に販売するチューナーをHDMIで接続すれば放送が見られると紹介している。

対する東芝は、かなり新4K衛星放送へ前のめり。CASチップをドングルにして別送するという荒技を繰り出し、日本初の新4K放送チューナー内蔵テレビを発表した。リモコンには専用の「4K」ボタンも配置している。外付けのチューナーでも放送が見られるのは確かだが、配線や設置などをスッキリさせたいなら内蔵に勝るものはない。夏商戦で新4K放送への対応を済ませたいなら、東芝が大きくリードしている。

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