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シーメンスからは補聴器新モデル

オンキヨーとシーメンス、音響製品を共同開発 − フィット感高めたスポーツイヤホンを来春発売

公開日 2014/11/11 16:23 ファイル・ウェブ編集部
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なお、これに続く両社コラボ製品の予定について、シーメンス ヒヤリング インスツルメンツ 代表取締役社長 ベルント・ウェーバー氏は「将来に向けて色々な可能性があるが今はまだ具体的に言える段階ではない」としたが、オンキヨーの中野氏は「今後もアイディアを出し合い、第2弾は来年末から再来年を目処に出していきたい」とコメント。「このスポーツイヤホンも具体的な売り上げ目標などはまだ設定していないが、両社共同開発製品で早いうちに数億円規模にまでもっていければと期待している」とした。

シーメンス ベルント・ウェーバー社長

■シーメンスからは新たな補聴器「binax」 − 三浦雄一郎さんも登場

なお、シーメンスは本日、補聴器の新モデル「binax(バイナックス)シリーズ」も発表。こちらは指向性マイクを搭載し、両耳の補聴器間で音声信号通信が可能な「binaxプラットフォーム技術」を採用している点が特徴。

binaxの標準モデル「Pure」

製品名は「binaural(バイノーラル) experience」から命名。L ch(青)とR ch(赤)が融合するということで紫色のロゴを採用している

同技術では、左右それぞれ2個ずつ、計4個のマイクを搭載し、左右お互いのマイクで集めた音の情報をやりとり。秒間3億回の演算を行うICチップによって情報を処理することによって、8つのマイクと同じ音響効果を得ることを実現したという。これにより、例えば「聴き取るために音量を上げると聞きたくない音まで耳に入ってくる」という問題をクリアしたとしている。

逆側の音情報も左右それぞれの機体が持つよう信号呂理を行う

「スーパーコンピューターに迫るICチップを搭載した」とアピール。左右の耳から入ってきた様々な音を脳で処理するという人間の構造に近い処理をすることで、補聴器としての性能を高めている

製品は通常モデルの「Pure」、ロングバッテリーライフモデルの「Carat」、一回り小さい「Ace」という3種類を用意。従来よりも指向性を狭めた「ビーム指向性」によって周囲の雑踏のなかでも正面の話相手との会話を行いやすくしたほか、隣や後ろの人との会話もキャッチできるようにした「スピーチフォーカス360度」機能も備えている。

3タイプを用意。耳たぶの後ろに本体を隠し、細いコードで繋がっているイヤホン部を耳の中に入れて使用する

そのほか、音量や音色を調節できるスマホアプリをiOSとAndroid両方で無料提供。ユーザー本人が使うだけでなく、家族など介助者も手助けしやすいよう配慮したという。

シーメンスのウェーバー氏は、「補聴器市場は、世界で約1,250万台規模。すごく大きいというわけではないが徐々に伸びている」とコメント。「両耳装着モデルは補聴器としてメリットも大きく、使用率はアメリカでは約80%。一方、日本ではまだまだ低い」というデータも紹介し、「日本市場は将来的に非常に有望だとも言える」と述べた。

補聴器のグローバル市場規模

世界各国に比べると日本の補聴器市場の成長は緩やか


日本では両耳装着タイプの使用率がまだ低い

そして発表会には、シーメンス補聴器のイメージキャラクターを務めるプロスキーヤー・登山家の三浦雄一郎氏と、補聴器について講義するオーディオロジー学の権威であるガス・ミューラー博士も登場。ミューラー博士は今回のbinaxが厳しい臨床実験をクリアしたものであることを紹介し、三浦さんは「耳に新しいレーダーが付いたみたいだ」と製品の感想を語るなどした。

三浦雄一郎氏。「南極でのブリザードや山での落石など、災害の予兆を音で察知できることがある。耳が聞こえるかどうかで生死をわけることもある」と自身の経験も交えながら補聴器の重要性を説明

ガス・ミューラー博士

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