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フリーフォームディスプレイやMEMS液晶の特徴を説明

新ディスプレイで液晶は“フレームレス”へ − シャープが中小型液晶の説明会開催

公開日 2014/07/07 17:29 ファイル・ウェブ編集部
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シャープは、先日発表したフリーフォームディスプレイなど同社中小型ディスプレイについての説明会を開催。同社液晶事業やフリーフォームディスプレイの特徴について改めて説明を行った。

同社が発表したフリーフォームディスプレイ。従来のように四角ではなく自由な形状にすることが可能

■“狭額縁”から“フレームレス”に

フリーフォームディスプレイでは、ゲートドライバと呼ばれる駆動用回路を、表示領域内にある画素内に分散して配置。従来のディスプレイは、ゲートドライバを配置するための一定の額縁幅が表示領域の外周部に必要なため四角形状が一般的だったが、新たな手法によって自由な形状を可能にした(関連ニュース)。

横から見たところ

ゲートドライバを画素内に分散配置する今回の方式により、ディスプレイの4辺のうち、バックライトなどを収める一辺を除いた3辺から額縁を取り除くことを可能にした。これにより、例えば丸形、切り欠き型、穴あき型など、従来は不可能だった自由な形状のディスプレイを作れるようになる。

従来は外周部に配置していたゲートドライバを画素内に分散して配置することで超狭額縁を可能にした

周辺部の額縁が不要になったことで自由な形状に加工することもできるように

なお、同ディスプレイではIGZO技術を応用。「配線が若干表示領域に入ってきてしまうため開口率が少し犠牲になるが、IGZOの性能によってその部分でのデメリットをカバーしている。そうしたデメリットよりも、自由な形状にできるという価値のほうが高いのではないかと考えている」(同社ディスプレイデバイス開発本部 表示モード開発センター 所長 伊藤康尚氏)という。

シャープ 伊藤氏

また、熱に対しても「特に熱に弱いということはない」とのことで、「従来の液晶が使われている場所であれば同じように使える」とコメント。第一弾として検討している車載ディスプレイ用途などにも十分に対応できるものであると説明した。

会場には12.3型のフリーフォームディスプレイを使用した自動車用インパネのイメージを展示していたが、現在でも40型程度までは大型化可能だという。将来的にはフレームレス液晶テレビなどへの活用も可能だとしているが「現時点で大型化しても、自由な形状という特徴を『じゃあどう利用するか』といった問題もある」(同社説明員)との言葉もあった。

額縁が必要な一辺をディスプレイの上側に配置した際の活用例

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