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シャープがTHX認定モデルについて説明会を開催

シャープAQUOSがTHXディスプレイ認証を取得できた理由とは −THX認定員が語る

公開日 2014/04/11 19:06 ファイル・ウェブ編集部
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シャープは、4K対応液晶テレビ「LC-60UD1」および4K相当の表示に対応する“クアトロン プロ”液晶テレビ「LC-60XL10」が取得した「THXディスプレイ規格」認証に関して、米国からTHXの認定員を招き、概要や認定基準についての説明会を行った。

THX認証を受けた「LC-60UD1」(右)および「LC-60XL10」(中央)

THX社 Senior Systems EngineerのJon Cielo氏

今回THX社から招かれたのは、THX認証規格のテストに実際に関わる立場にあるというSenior Systems EngineerのJon Cielo氏。同氏はまずTHXの歴史を説明。THXはジョージ・ルーカスの「エンターテイメント体験を改善したい」という想いから出発した。1983年に公開された『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』を映画館で鑑賞したルーカスは、映像と音声があまりに意図したものと違うことにショックを受け、THX認証の立ち上げを決意したという。以降、THXはコンテンツの制作から実際の上映、ホームエレクトロニクスにまで幅広く関わってきた。

THXはジョージ・ルーカスの「エンターテイメント体験を改善したい」という想いから出発した

スタジオ、ホームにかかわらず制作者の意図を正確に伝えるということがTHXのモットーだ

Jon Cielo氏はTHXの目的を「可能な限り最高の映像と音声を実現すること。そして制作者の意図に忠実な再現を行うこと」とアピール。現在では、THX認証は制作スタジオからシネマ、ホームシアターまで幅広いエンターテイメント分野に浸透しているとした。

現在では制作現場から映画館、かていに至るまでTHX認証は画質・音質の基準として浸透している

■THX認証の具体的なプロセスを紹介

THXはホームエレクトロニクス分野において、ディスプレイはもちろん、アンプやスピーカーの認証も行っている。THXのディスプレイ認証については、液晶テレビの普及に合わせて数年前から実施されているとのこと。認証については特に、「パネル性能」「動画性能」「色の正確さ」の3つのポイントを重視してテストを行っているのだとJon Cielo氏は説明する。

「パネル性能」については、パネルの各部で正確な色や輝度を再現できるかというユニフォーミティー(均一性)を重視している。Jon Cielo氏は、まずユニフォーミティーが低いパネルの輝度ヒストグラムを示した。確かに、画面の明るさが均一でないことが一目でわかる。次に、認証を受けたパネルの輝度ヒストグラムが示されたが、ユニフォーミティーは確かに非常に高い。上下でわずかなばらつきは見られるものの、全体として非常に優れた輝度分布といえる。

THX認証を受けていない一般的なディスプレイの輝度ユニフォーミティー

THX認証を受けたディスプレイの輝度ユニフォーミティー

Jon Cieloは次に「動画性能」について説明。写真のように具体的に2つのテストパターンを示した。右のパターンでグラデーションに対して映像本来のものではないスジが現れないか、左のパターンを動かすことでジャギーが発生しないかを確認している。

この2つのパターンなどを用いて、動画性能のチェックを行うという

3つめの「色の正確さ」については、スタジオで意図された色が正確に再現できているか確認するという。

色再現の正確さもTHX認証における重要なポイントだ

これらの認証試験で確認された画質の性能は、認証を受けたディスプレイのTHXモードのなかに凝縮されているとJon Cielo氏。また、THXモードでは暗室用の映像設定と明るい部屋用の設定の両方を用意し、各環境で同等の映像再現ができることが求められるとのことだ。なお、ここでいう明るい部屋というのは、窓のカーテン開けた状態の部屋で200ルクス前後の明るさを想定している。

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