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TI、DLP事業説明会開催 ー 映画用だけでなく自動車/医療など新ジャンルでも活用拡大図る

公開日 2013/10/17 15:48 ファイル・ウェブ編集部
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日本テキサス・インスツルメンツは、DLP事業戦略の説明会を開催した。TIのDLP事業部シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのケント・ノバック氏が登壇し、説明を行った。

TI ケント・ノバック氏

DLPの歴史は1987年にラリー・ホーンベック博士がDMDを発明したことから始まる。1996年から量産出荷を開始し事業化。デバイスはビジネス用/文教用の超小型プロジェクターに搭載された。1998年にはDLP事業部がエミー賞を受賞。2009年にはさらなる小型化を果たしたDLPピコ・プロジェクター搭載家電製品の出荷が始まった。

DLPのあゆみ

2011年にはDLP Cinemaの採用数が世界5万スクリーン以上に拡大。デジタルシネマ上映はいっそう普及した。2012年は開発キット新製品を発表し、プロジェクター以外にも様々な製品への搭載を容易に。自動車業界・医療業界・計測機器などの新しい分野でも活用が広がっているという。また本日10月17日付けでDLP LightCrafter 4500評価モジュールにPandaBoardとの互換機能を追加。携帯型3Dスキャナー、フィールド用分光計など多数のアプリケーションに対応する全機能内蔵のモバイル・ツール開発が可能になるとのことだ。

開発キットの提供により、新しい分野への活用が容易になったとのこと

車載用分野は現在注目が集まっている分野のひとつ

新機能を追加した開発キットも発表された

「DLP技術とアプリケーションを開発していくにつれ、DLPは柔軟性に優れた半導体であるとの確信を深めています」と語るノバック氏。「我々の製品のうち、最も知られているのはDLP Cinemaでしょう。全世界の約80%の映画館で採用されており、日本でも71%・2,200スクリーンで採用されています。フィルムは2014年で出荷が終了し、それ以降は全てデジタルシネマとなる見込みです。また、ビデオカメラやスマートフォン、タブレット、コンパクトプロジェクターなどといった多数の製品にもDLPデバイスは採用されています」

また、今後ひとつのキーとなるのは「自動車業界での採用」だという。「映画向けやプロジェクター向けが今後も重要なジャンルであることは変わりないですが、新たなジャンルに目を向けることも大切だと思います。自動車業界でも、DLPのメリットを活かすことができます。たとえば、ヘッドアップディスプレイ。現在は約2%ほどの車にしか採用されていませんが、今後大きく成長する分野だと思います。そしてコンソール。曲線など自由度の高いデザインで、タッチ操作対応など快適な操作性を備える製品の開発が可能になるのです。車載分野には注力していく考えで、2016年頃から利益が出るものと見込んでいます。こうした新ジャンルへの取り組みにより、約5年後には我々のビジネスを約2倍にまで成長させられるのではと予測しています」

会場ではTIのDLPデバイスを搭載した様々な製品のデモが行われていた。これはHUD

パイオニアのARナビに対応されたHUDも登場


このように自動車のコンソールへの応用なども推進していくという
同社は、車載用として高輝度で振動に強く、温度変化に耐えるチップを今後発売する考えとのこと。ノバック氏は「様々なパートナーシップを組み、自動車業界の顧客向け製品の開発・拡大に努めていきたい」と抱負を述べていた。

そのほか、プロジェクター内蔵タブレットや、デジタルサイネージなども登場


分光器などにも応用されている


こちらは医療用を想定した360度3Dディスプレイ

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