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日本TIが戦略説明会開催 − 田口新社長登場。車載用/産業機器用製品に注力

公開日 2013/08/01 18:01 ファイル・ウェブ編集部
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日本テキサス・インスツルメンツ(株)は、同社の今後の戦略に関する説明会を開催。今年4月に就任した田口倫彰 代表取締役社長がプレゼンテーションを行った。

日本TI 田口倫彰 代表取締役社長

2006年以降アナログや組込みプロセシングに注力してきた同社。売上に占める割合は当初40%ほどだったが、2013年上半期には78%まで成長。田口氏は「注力してきた成果が着実に結果に結びついている」と語る。今後も、中国・成都工場へ15年間で16.9億ドル投資し前工程および組み立て/テスト施設の拡張を行う予定とのこと。また、ユーザーニーズをいち早く取り入れるべく、日出パッケージセンターを今年4月に開設した。

アナログや組込みプロセシングに注力してきた結果、2013年上半期には売上の78%を占めるまでに成長

「メーカーを取り巻く環境は変化している。我々半導体メーカーとしても、製品をただ出荷するだけでは期待に応えられているとは言えない。技術だけでなく、サービスの部分も充実させることが必要」と説明する田口社長。「我々は圧倒的多数の製品数と開発ツールを持っている。さらに各地に営業所を開設し、技術の分かる担当者がメーカーサポートを行う。また、先端テクノロジーと安定供給を可能にする製造能力も持ち合わせている。この3つで、お客様の価値を最大化することが我々の基本戦略だ」(田口社長)。

TIの強みを「多数の製品を持っていること、充実したサポート、高い製造能力」と説明

車載用/産業機器用/スマートホーム用/コンシューマー用/ヘルスケア用などの分野で、多様なスペック/パッケージ/価格の製品を擁する同社。ヘッドアップディスプレイや3Dプリント機器、スマートメーター、スマートフォン向けセンサータグなどリファレンスデザインも多数有している。また、幅広いアプリケーション対応も可能としている。

多岐にわたる製品群と豊富なリファレンスデザインを有し、幅広いアプリケーションにも対応することをアピールした

昨年からはベア・ダイ供給を開始し小口対応も可能に。web上で設計支援や設計・分析を行うサービス「WEBENCHデザイン・センター」も好評で、利用者はこの2年間で約2倍に増えたという。

生産体制としては、40を超えるアナログプロセスを持ち、ひとつのプロセスを必ず2つ以上の工場で生産できるようにしている。世界各地に工場を用意することでリスクを分散させているほか、専属のBCPチームにより世界各国の自然災害、サプライチェーンを常時モニタリング。リスク回避への迅速な対応も可能となっているという。

技術の分かる担当者によるサポートや、高い製造能力も強みだと説明

田口社長は「これまでPC/コミュニケーション/コンシューマー/車載/産業機器の5つのカテゴリで、幅広く均等にビジネスしてきた。それはマーケットの波に影響されず、継続的な成長を実現したかったからだ。今後もその姿勢は維持しつつ、車載用/産業機器用製品は特に伸びる分野だと思うので、力を入れていきたいと考えている」と今後の展望を述べた。

会場にはTI製チップを採用した技術展示も。こちらは小型ながら迫力の音を実現する「Smart AMP」。余分な低周波振動を抑制するため、シャーシのビビリ音も低減できるとのこと


DLPを使った車載用システム。タッチ操作対応でピンチイン/アウトも可能。こちらを搭載した車が市販されるのは「5年後くらいでは」とのこと


スマホの画面を触ると触感をフィードバックしてくれるシステムも。こちらは国内の主要スマホメーカーに既に採用されているとのこと


6つのセンサー情報を、低消費電力なBluetooth Low Energy経由でiPad/iPhoneにデータ送信するシステムも。活動量計などに使えるとのこと

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