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クアッドコアCPU搭載のフラグシップ液晶も

【CES】サムスン プレスカンファレンス − 85型4Kテレビ「S9」や55V型有機EL「F9500」を公開

公開日 2013/01/09 12:47 折原一也
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サムスン電子は米国ラスベガスで開催されている2013 International CESを舞台にプレスカンファレンスを開催。多くの参加者で賑わう会場にて4Kテレビ、有機ELテレビを発表した。


冒頭壇上に立ち「TV EVOLVE」の宣言を発表した、サムスン電子プレジデントのBOO-KEUN YOON氏
85V型4Kテレビ「S9シリーズ」/55V型有機ELの型番は「F9500」に決定

今回発表されたサムスンの4Kテレビは85V型サイズで、同社の最上位に位置付けられる「S9シリーズ」として「S9000」の型番が与えられている。アップスケーリング回路も内蔵したことで、フルHD映像も「UltraHD(4K)」のクオリティで表示できるほか、サムスンによる「Precision Black Pro」技術により、沈む黒と純粋な白によるハイコントラストな映像と、ブロック型のLEDコントロールによって高精細でシャープな映像を表示するという。

昨年まで試作機のみ発表していた85型4Kテレビを発表


85V型4Kテレビは、フレームとスタンドを一体化させた独特のデザイン

黒が深く沈むハイコントラストで高精細な映像を表示していた
外見上の特徴は85V型の大型サイズでありながら、フレームの中に映像が浮いているような浮遊感のあるデザインを採用したこと。3ウェイの2.2chスピーカーによる、最大出力120WのオーディオシステムはUltraHDの名にふさわしい高音質を実現しているという。なお、後ほど改めて触れるスマートTV機能も充実する。CPUはクアッドコア構成。ジェスチャーコントロールに対応したカメラ機能も搭載する。

実機はカンファレンス会場にも展示されていたが、具体的な発売時期や価格はプレスカンファレンスの場では発表されなかった。

有機ELテレビについても、55V型モデルを「F9500」の型番で発表。RGBのサブピクセルにより自発光するタイプのもので、圧倒的な黒と白の再現力を特長としている。また、F9500は従来の液晶テレビに比べておよそ1,000倍の高速応答性能を備えるという点をアピールしており、従来のテレビにないほどにボヤけのない映像を表示可能としている。3Dの左目用・右目用映像にそれぞれ別のコンテンツを表示して、2人の視聴者が同時に別々の映像を視聴できる「マルチビュー」機能も、同社のテレビ商品に初めて搭載される。なお、プレスカンファレンスに実機は展示されず、発売スケジュールや価格についても明らかにはされなかった。

有機ELは発表のみだが、正式に型番が付けられた。今年中の発売も期待できそうだ

高速応答性能や「マルチビュー」をアピール

“スマートTV”は2013年新ラインナップを披露/1.3GHzクアッドコア搭載機やアップグレードキットも登場

プレスカンファレンスでは、LED液晶テレビの2013年モデルおよび、UltraHD(4K)、有機ELのすべての機種に搭載される最新の“スマートTV”機能について、「TV EVOLVE」をキーワードに大きく紹介していた。同社は2012年の第3四半期のみで6,600万台ものネットワーク対応デバイスを発売しており、このネットワークを基盤として新しい機能も提案していく。

サムスンのフルHD液晶最上位「F8000」も発表された

2013年のテレビ製品におけるハードウェア的な進化のポイントとしては、クアッドコア/1.35GHzのCPUを搭載し、2012年モデル比で「約3倍」もの高速化を図ったことだ。米SAMSUNG ELECTRONICSのTIM BAXTER氏は「サムスンはテレビの革新を進めて、人々が見たいコンテンツを快適に視聴できるようにする」とし、同社のネットワークプラットフォームと連動するスマート機能である「SmartHub」を、より知的にかつカスタマイズにも柔軟に対応するかたちに発展させていくことを2013年の目標としている。

具体的な機能として搭載されるのが「S-recommendation」というユーザーの好みを学習する番組ストリーミング機能と、「Advanced Smart Interaction」という、自然言語による音声認識とジェスチャー操作への対応だ。

リコメンド機能と音声認識により、ユーザーの声で操作できるストリーミングコンテンツの検索・視聴機能を実現

ジェスチャーコントロールにも対応


「SmartHub」の画面もリニューアルされている

「ON TV」ではストリーミングの動画をパーソナライズ表示できる
同社のスマートTVユーザーのうち61%のユーザーはオンラインのビデオストリーミングを主に視聴している。このため、ストリーミング視聴の操作をより快適化にしていくことを、新機能は主眼に置いている。プレスカンファレンスで紹介された操作のデモンストレーション映像では、テレビに向かって「プレミアリーグの映像はある?」と発声すると、イングランドのプロサッカー・プレミアムリーグの動画検索の結果が画面上にポップアップで表示され、続けて「最初のビデオを再生」と音声コマンドを送ると再生がスタートするといった使い勝手を披露した。

画面のデザインはジェスチャーでも音声認識でも操作できるように最適化

オンラインのVOD作品は事業者を超えた一括検索に対応している

サムスンが2012年に発売した同社の薄型テレビを“スマート化”できる、「Evolution Kit」と呼ばれる外付タイプのスマートTVアップグレードキットも発売される。インターネットに接続した本体をテレビに接続するだけで、上記に紹介した2013年版のスマートTV新機能がすべて利用できるようになる。

背面に取り付けるだけでサムスンの“スマートTV2013年仕様”になる「Evolution Kit」

サムスンはこの他にも白物家電の新製品や、先頃プレスリリースもされたばかりのミラーレス一眼「NX300」シリーズのラインナップと交換レンズ、GALAXY note、Windows 8搭載のタブレットPCといった幅広い商品群を紹介している。

他にもサムスンの手掛ける幅広いデバイスを紹介

今回のCES全体を通して多く見られるのが白物家電も含めた連携提案だ。冷蔵庫もEvernoteとGoogleカレンダーに連携する

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