HOME > ニュース > パナソニック、1Q決算発表 − 営業利益は前年同期比約7倍、純利益128億円

「足元の業績が良くなっている実感がある」

パナソニック、1Q決算発表 − 営業利益は前年同期比約7倍、純利益128億円

公開日 2012/07/31 17:00 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.バランスシートについて聞きたい。ネット資金のマイナスが大きいが、どう改善していくのか。

A.たしかにネット資金はマイナス1兆円近いが、この水準は我々にとっては1千億円以上の改善。しかし金額は大きいので色々な手を尽くして改善していかなければならない。資産の見直しであったり、運転資金の改善などさらに徹底していく。あらゆる試算を見直してキャッシュ化していく。バランスシート全体ではこれ以外にも改革しないといけない面がある。より圧縮されたバランスシートの下でより大きな収益をもたらすために改善をしていきたい。

Q.構造改革費用について、今後、上積みされる可能性はあるか。

A.様々な要因で少し上積みされる可能性もあるが、大規模な改革は昨年大きく手を打ったので、キャッシュにつながる構造改革は現状では見ていない。

Q.エナジー事業が第2四半期以降で業績に与える影響をどう見ているか。

A.当社は主に住宅用のソーラーが中心のため、その需要が非常に旺盛でそちらに注力している状況だ。いわゆるメガワットへの需要も国内海外共にでてきている。

Q.半導体事業、「販売に依存しない」とはどういうことなのか。合理化というのはLSIの他社との提携は含まれるのか?

A.より強い商品に絞って事業を進めていくというのが大きな方針。そのために大きな構造改革をした。固定費を相当圧縮していることなどで合理化とした。特にイメージセンサーやパワー半導体に相当強みをもっているので、そうした点を中心にやっていく。また、よりコスト改善も行っていく。どうにか黒字を達成したいという思いでやっている。他社との提携などについては、収益性を高めているためには色々な選択肢がありえると思っているが、現状で何か決まったものがあるというわけではない。

Q.今夏の節電、電力料金値上げの影響をどう見ているか。

A.我々の日本での年間の電力料金は400〜500億円くらい。東京電力さんを中心とした値上げの影響は、我々の生産拠点が関西が多いこともありあまり影響はない。せいぜい数億円程度だと見ている。

Q.スマートフォン/携帯事業の見通しをどう見ているか。

A.国内海外とも苦戦している。携帯電話全体では、スマートフォンが増えた分だけ前年比5〜6%のプラスとなっている。60万台のうちスマホが16万台だ。良い商品を出して評価もいただけているが全体としては厳しい事業。強化策、改善策を考えていきたい。

Q.先行きの見方について聞きたい。欧州、中国、アジアなどで前年を下回っている。第2四半期以降をどう見ているのか。そのなかで設備投資の考え方を見直すことはないのか。

A.具体的に申し上げるのは難しい部分があるが、全体として厳しいと見ている。必ずしも全体が落ち込んでいるわけではないが減速懸念がある。日本も新興国も景況感は厳しくなっている。全体として厳しい見通しがある。設備投資の見直しは行っていない。ただ投資は相当絞り込んでいる。エナジー関係に大きく投資している。

Q.ユーロ安に対して、対策は何か考えているのか。

A.1円動くと営業利益ベースで20億円の減益要因になる。為替の予約レートを行っていて、第1四半期では予101円だった。第2四半期はは106円で予約を取り終えている。税引き前利益では予約レートを反映するため、106円レベルで利益を確保できると見ている。ユーロは原材料の調達を海外で行うなど色々と策をとっていかなくてはならないと思っている。

Q.太陽電池事業について、国内住宅用の売上が伸張したとのことだが、具体的に教えてほしい。

A.細かい内訳は申し上げられないが、出荷量をメガワットでいうと、114メガワットで前年比106%。そのうち日本で大変伸びていて受注残を抱えている状況。これは年間を通じて続くと思っている。全体で価格下落の話があったりもするが、我々は高付加価値に特化しているせいもあり日本では単価が上がっている。生産能力について、今までは日本で作っていたが、マレーシア工場が12月には稼働する。両方で900メガワットくらいになる。

Q.システムコミュニケーションズの営業利益について聞きたい。どの部門がどれくらい赤字なのか。

A.個別の開示はできないが、大きくはセキュリティネットワークとビジネスシステム。セキュリティネットワークは前年より少し延びているがビジネスシステムが少し前年割れ。営業利益もそちらに応じて赤字が出ている状況だ。

Q.オリンピック商戦について、全体の状況、個別の商品はどうなのか。

A.今年は難しい。目立ったオリンピック需要が国内も海外もあまり見えない。日本でも需要はあると思うが、それ以上にアナログ停波の反動が大きい。

Q.海外ではアプライアンス事業が好調だったようだが2Q以降の影響はどう見ているのか。

A.エアコンも前年比105%、冷蔵庫も150%などかなり順調。この状況は2Q以降も続くと見ている。手前味噌になるが、冷蔵庫は基幹部品も社内で全部持っている。独自の省エネ技術などでも他社優位性を保っている。海外では現地の生活によりフィットするものを現地発で作っている。特に我々はインドやブラジルに力を入れながらやっている。当初の予想を多少上回りながらやれている。

Q.電力料金について、関西電力管内でも値上げの可能性があるが、そうなるとかなり影響がでるのではないか。

A.確かに関西の電力状況は大変影響が大きい。ぜひとも安定的な電力供給をお願いしたい。一部は自家発電装備など自前でやっていかなければいけないとも思って鋭意取り組んでいる。

Q.オリンピックのスポンサーはいつまで続くのか。

A.次のオリンピックまでは契約が残っている。その後の更新などはまだ決まっていない。

Q.以前から取り組んでいる「丸ごと事業」の状況について聞きたい。

A.今年の売上は、「丸ごと」という塊で年間1700億円以上と見ている。工場丸ごと、店舗丸ごとなど。テクノストラクチャーなども含めて色々なことをやっている。進捗状況は、「今年はこれくらいにしたい」というレベルはだいたい上げている。今年はさらに上げていきたい。年間の1700億円のなかの1Qの予定は相当オーバーして進んでいる。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック