6.1型で2,560×1,600画素の液晶も

シャープなど、IGZO新技術開発 − 4Kの13.5型有機ELなど試作、本年度中の量産化目指す【情報追加】

ファイル・ウェブ編集部

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2012年06月01日
シャープ(株)は(株)半導体エネルギー研究所と共同で、酸化物半導体(IGZO)の新技術を共同開発。これにより、さらに高精細で低消費電力、かつタッチパネルの性能を高めたディスプレイの開発が可能になった。


■スマホ用途想定の4.9型液晶に加え13.5型の4K有機ELも試作

IGZOは、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)酸化物の略称で、電子の移動度が高く、トランジスターを小さくできることから、開口率が上がり、精細度も高められるのが特徴。

今回共同開発した新たなIGZOは、酸化物半導体に結晶構造「CAAC(C-Axis Aligned Crystal)」を持たせたもの。現行のIGZOに対し、さらに薄膜トランジスタの小型化や高性能化が実現できる。また液晶だけでなく有機ELディスプレイへの適用も行える。

新IGZOの特徴

今回試作したディスプレイは液晶と有機ELの2種類。液晶では、4.9型で1,280×720画素、302ppiのものと、6.1型で2,560×1,600画素、498ppiのものを開発。前者はスマートフォン、後者はモバイル機器などへの用途を見込む。

4.9型液晶ディスプレイ

6.1型液晶ディスプレイ


4.9型液晶のアップ

6.1型液晶のアップ

有機ELでは、13.5型で3,840×2,160(QFHD)画素、326ppiのタイプを開発。白色OLEDにRGBカラーフィルターを組み合わせた。このほか、3.4型で540×960画素、326ppiのフレキシブル有機ELも開発した。

13.5型有機ELディスプレイ

フレキシブル有機EL

シャープでは今後、IGZO新技術を採用した液晶ディスプレイの早期実用化を目指すとともに、ノンディスプレイ用途のデバイスへの応用展開についても研究開発を進めるとしている。

■結晶化の成功で安定性向上 − 500ppi以上の高精細化も

新IGZOでは、前述のように結晶構造を新たに持たせたことが大きなポイント。これまで薄膜のIGZOはアモルファス構造を持ち、薄膜での結晶化は不可能とされていた。しかし今回まったく新しい結晶のCAACを見い出したことにより、IGZOの物性を安定化。製造プロセスウィンドの拡大により、デバイスをさらに進化させることができたという。

従来のアモルファスIGZOとの平面TEM画像の比較。新IGZOでは六角形構造が見られる

新技術がもたらす3つのメリットとは?

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