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マスプロ、地デジの妨害波を解消する新しいデジタル信号技術を開発

公開日 2012/04/10 19:26 ファイル・ウェブ編集部
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マスプロ電工は、山間辺地やビル影など、放送波が届かないエリアに地デジを再送信する際に課題となっていた妨害波を軽減し、映像障害を解消するための新技術を開発した。

地デジの受信に障害を引き起こす「マルチパス波」と「回り込み波」を回避するため、物理的な対策を講じることができない場合には、妨害波をデジタル処理技術によって軽減させる必要がある。ところが、現状の機器では1つの放送チャンネルに対して1つの処理回路が必要でありながら、マルチパス波や回り込み波は放送されている全チャンネルで発生するため、複数チャンネルの処理には複数台の機器を設置するか、またはチャンネル数分の処理回路を開発する必要が生まれてくる。

今回マスプロ電工が開発した新しい技術は、マルチパス波の到来時間が変動しないことに着眼し、マルチパス波の処理範囲を専用のアプリケーションを使ってユーザーが任意設定することで処理効率を高め、チャンネルごとの処理も時分割で瞬時に行うことで、1つの処理回路でありながら複数チャンネルの妨害波を軽減、映像障害を解消するというものだ。同社では現在、この新技術の特許を出願中であるという。

同社では当技術を搭載したマルチパス波・回り込み波キャンセラー内蔵の地上デジタル放送用送信機を製作。昨年末から、和歌山県伊都郡かつらぎ町に整備された地デジ難視対策ギャップフィラー局で、(株)NHKアイテックの施工により運用が開始されている。

マスプロでは、同社の技術を搭載した送信機について、従来の妨害波対策に比べてコストパフォーマンスが高く、今後の市場性も高いことをアピールしている。またマルチメディア放送「NOTTV」にも応用可能であることや、世界各国における地デジの難視対策にも応用できるものであることについても言及している。

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