電話問い合わせ件数も発表

「満足すべき状況で停波できた」 ― NHKと民放連の両会長がアナログ停波で会見

ファイル・ウェブ編集部
2011年07月24日
日本民間放送連盟(民放連)とNHKは、アナログ放送終了を受けての記者会見を開催した。

会見にはNHK会長の松本正之氏と民放連会長の広瀬道貞氏とが出席。

松本正之氏

広瀬道貞氏

NHKの松本氏は「地上アナログ放送は58年間、BSアナログは22年間にわたってご愛顧頂いたわけだが、今夜12時に終了する。デジタル移行が決まって以来、2000ヶ所を超える放送設備改修や4000億近い資金を投入してきた」と歴史を振り返り、「7月1日からカウントダウンスーパーを出し、それまで以上に多くの方から問い合わせを頂いた。本日正午からは最終告知画面を表示しているが、これまでメッセージが届かなかった皆様に気づいて頂き、ぜひ問い合わせの電話をもらいたいと思っている」と述べた。

民放連の広瀬氏は、「民放連では、東北3県の12社を除く地上民放テレビ115社について、当初の計画通り115社すべての放送が正午にブルーバックの『お知らせ画面』に前面移行したことを確認した」と報告。さらに「東北3県は独自にアナログ放送に行うこととなったが順調に放送できているとの報告があった」とも説明した。

さらに広瀬氏は「テレビの買い替えという、視聴者に安くない買い物をしてもらったという点で大きな迷惑をかけた。アメリカや韓国ではなかなか世帯普及が進まず延期をやむなくされたが、日本では大変理解を頂き順調に移行できた」とコメント。「我々放送事業者は全国すべての放送施設を建て替えたが、視聴者の方々全員の出費はそれ以上。そうした視聴者に満足してもらうデジタル放送をしていかなければならない」と言葉を続けた。

そして会見では、民放連とNHKがそれぞれ本日7月24日の視聴からの問い合わせ状況も発表。

民放連115社合計では、業務開始から正午までで326件(受信相談262件、苦情など64件)、12時から13時までで4476件(受信相談3999件、苦情など477件)の累計4802件の電話問い合わせがあったという。

一方NHKでは、業務開始から正午まで5334件の電話問い合わせのうち1803件がアナログ放送終了関連の問い合わせであったこと、そして正午から14時まで総数14688件のうち78.5%を占める11531件がアナログ放送終了関連の問い合わせであったことを明らかにした。

なお、問い合わせ内容についてNHKの担当者は「デジアナ変換を知らずに『見えているのはなぜか?』という問い合わせがかなりきている」と説明。「苦情と言うよりは『どうやったら見られるのか』という問い合わせが中心だ」と述べた。

その後、質疑応答で移行が円滑に進んだかどうかの印象について尋ねられると、「ブルーバックへ切り替えた直後の正午には問い合わせが急激に増えたが、その後は落ち着いてきている。これまで様々な方法で告知してきた効果があがっているのではないか」(松本氏)、「満足すべき状況で停波できたと思っている。沖縄の状況が心配だったが自治体が熱意を持って住民へ指導して頂いたこともあり最終的にはそれほどの混乱もなく切り替えを迎えられた」(広瀬氏)と、スムーズに移行できたと受け止めていると語った。

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.パーセンテージとしてはわずかだが、未対応の世帯が残っている。テレビ離れと言う観点でのケアはどう考えているか?

A.(松本)どれくらいかと具体的な数字を見積もっているわけではないが、そういう機会になってはならないということで丁寧に説明していきたい。

(広瀬)最近のテレビの売れ行きはアナログ時代を越すものになっている。このことから、デジタル放送の完全移行をもとにテレビ離れが進むということはなくなったと思っている。むしろインターネットなど他のメディアとの競争も激しくなっており、デジタル化によって他のメディアに負けない勝負ができるようになってきていると思っている。

Q.デジタル化というと高画質や多チャンネルなど高機能化というメリットが言われてきた。確かに高画質化は果たしたがそのほかのメリットについてはあまり進んでいない印象も受ける。お金をかけても画がきれいになっただけという批判もあるがどう受け止めているか。

A.(松本)これからも勉強して、視聴者の皆様によいサービスをお届けしてテレビの魅力をより強くしていきたい。

(広瀬)デジタル放送に踏み切った前後、ワンセグやデータ放送をメリットにあげてきた。開始直後は正直に言って貧弱だったデータ放送も、現在は内容がかなり成熟してきた。デジタル放送においてはそれをフルに活用してもらっているのではないか。双方向やマルチソースなどはまだまだの部分もあるが、今後デジタル放送に慣れ親しんでもらうなかで自然とデジタル放送技術をフルに使う時代がくるだろうと思っている。

Q.問い合わせ件数についての発表があったが、この数字をどう見ているか。移行は円滑に進んだと思っているのか。

A.(松本)本日正午の時点で問い合わせが一気に増えたが、その後は徐々に収束してきている。これまで様々な方法で告知してきた効果があがっているのではないか。今後の動きも注目していく。

(広瀬)満足すべき状況で停波できたと思っている。最初期において政府審議会では普及率85%くらいで移行できるとしていた。しかし放送法では「あまねく届ける」とされているため、我々は98%という目標をたてた。その後、エコポイントの効果ももあって急速に普及率が伸びた。実際に「なんとかならないか」と早い時期に声を上げていただいた方には、すべて対応してきたつもりだ。

ただ、心配していたのは沖縄の状況だった。しかし自治体が大変な熱の入れ方で、住民に指導していただいたりもしている。その甲斐もあり、沖縄でも最終的にはそれほどの混乱もなく切り替えを迎えられた。

Q.デジタルへ完全移行したということで受信料制度について訊きたい。インターネットでの視聴でも受信料を徴収すべきという答申が先日あったが、改めてどう考えているのかを訊きたい。

A.(松本)受信料制度はなかなか複雑で検討していかなければいけない。今後についても検討していくことになるだろう。テレビというものがいかに視聴者にとって力を発揮していくのかを考えながらやっていきたい。

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