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「国際3D Fair」開催

【国際3D Fair】ソリッドレイから720p対応・約35万円の3Dプロジェクター登場/ビクターの業務用3Dディスプレイ新モデル展示

公開日 2010/10/15 18:18 ファイル・ウェブ編集部
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デジタルコンテンツに関する最新の研究成果や芸術作品を体験できるイベント「DIGITAL CONTENT EXPO 2010」が、10月14日より17日まで、東京・台場の日本科学未来館と東京国際交流館にて開催されている。

「DIGITAL CONTENT EXPO 2010」は、「国際3D Fair」や「ConTEX(次世代コンテンツ技術展)」「ASIAGRAPH」などのイベントが複合したもの。本項では「国際3D Fair」の内容を中心にお伝えしたい。

■ビクターの新業務用3Dディスプレイが登場

日本ビクター(株)は、2D→3D変換が可能な業務用3Dイメージプロセッサー「IF-2D3D1」の展示を中心に、来年2月発売予定の3Dディスプレイなどをアピールしている。

「IF-2D3D1」を使った2D→3D変換のデモ

IF-2D3D1

「IF-2D3D1」は今年2月下旬に発売されたもので、同社とRealD社との技術提携第一弾製品。独自のアルゴリズムより2D映像を3D映像へリアルタイム変換が可能。変換方式は「Line-by-Line」「Side-by-Side」「Above-Below」「Checkerboard」の4つから選択することができる。さらに「PARALLAX」(視差量調整)と「INTENSITY」(立体感の強さ)の調整機能も備え、生成する3D映像をカスタマイズすることも可能だ。

24V型液晶3Dモニター「DT-3D24G1」は、2011年2月下旬に発売予定。価格はオープンだが、「100万円を切るくらいになるのでは」(同社説明員)という。

24V型液晶3Dモニター「DT-3D24G1」

本製品は解像度1,920×1,200で、サイドバイサイド/ラインバイライン方式の3D映像表示に対応。視聴にはReal-D方式の偏光メガネを採用している。こちらは昨年7月に発売した46V型3Dモニター「GD-463D10」でも使用が可能だという。

モニター単体で3D映像が確認できるミキサー機能のほか、左/右カメラの映像を並べて表示し比較確認できる機能を搭載。3D撮影リグのカメラ調整をサポートする。

そのほか、10bitビデオプロセッサーを搭載。ガンマキャリブレーションや各種マーカー機能、タイムコード表示などにも対応する。


■ソリッドレイの720p 3Dプロジェクターは約35万円

(株)ソリッドレイ研究所のブースでは、同社の安価な3D DLPプロジェクター「Sight3D」の新モデルとなる「HD-L30」のデモを行っている。本機は今年9月より発売しており、価格は349,650円(税込)。

これまで同社が販売してきた3D DLPプロジェクターは、3D表示時の解像度が1,024×768ピクセルだったが、「HD-L30」は1,280×720となり、アスペクト比16対9の表示に対応したのが特徴だ。立体表示にはこれまでどおり120Hz駆動の時分割立体方式を採用。映写の際に専用スクリーンは必要ない。ソースとして基本的にPCを使用し、対応OSはWindows7/Vista/XP。なお視聴用の3Dメガネは別売となる。

HD-L30

「HD-L30」を使ったデモを実施

「Sight3D」シリーズは、大手家電量販店での取り扱いは行っていないという。視聴や購入を希望される際は、同社に直接ご連絡のこと。


■レッドローバー、パネル2枚で目の疲れない3D映像再生が可能なモニター

(株)レッドローバージャパンは、“ダブルレイヤード液晶パネル”を採用した3Dモニターを訴求している。ラインナップは19型SXGAの「SDM-190M」、24型フルHDの「SDM-240」、40型フルHDの「SDM-400W」の3モデル。

正面と上方に液晶パネルを備え、それぞれL/Rの映像を表示。これをハーフミラーで分光し、偏光メガネを使って視聴することで立体視が得られるというもの。2D/3D映像の切り替えもボタンひとつで行うことができる。「モニターの形状が立体的であるため、リアルな奥行き感が得られる」としている。

“ダブルレイアード液晶パネル”を採用した3Dモニター(写真は24型フルHDの「SDM-240」)

ダブルレイヤード液晶と光学ハーフミラーを使用

同社説明員は「画面に偏光フィルターを貼った3Dディスプレイは暗くて目が疲れやすかったが、本製品は明るいため長時間視聴でも疲労が少ない。コンテンツ製作用のディスプレイとしても適している」と語っていた。

また同社は、3D撮影現場で使用する3Dカメラドッキングステーションも展示している。こちらは民生用カメラ2台など様々なカメラを取り付けることができ、さらに2台のカメラ間の距離や角度などの調整を容易に行えるのが特徴だという。

3Dカメラドッキングステーション「SDC-M200A」

こちらのつまみでカメラ間の距離や角度などの調整を容易に行える


■パイオニア、タッチできる3Dディスプレイを活用したデモを実施

パイオニア(株)は、立体映像が飛び出す“フローティングビジョン”「FV-01」と、それを活用したサービス例を展示している。

「FV-01」は今年のCEATECにも登場していた製品。価格は直販サイト価格49,800円(税込)となる。赤外線センサーを内蔵しており、浮遊映像に触れたことを感知してインタラクティブな映像操作ができるのが特徴だ。

今回は、おサイフケータイ機能を搭載した携帯電話を使ったサービス例をデモしていた。ケータイをパネルに置くと、「FV-01」に表示されていた立体映像がケータイに吸い込まれる。ケータイにURLが表示され、そこにアクセスすると先ほど「FV-01」に映っていた映像が表示される、というものだ。

おサイフケータイをパネルに置くと…

ケータイに画面内の映像が吸い込まれる


表示されたURLにアクセスすると、フローティングビジョンに表示されていた映像が現れる

■東芝裸眼3Dテレビは大人気

先週発表された東芝の“グラスレス3Dテレビ”が3D Fairの会場にも登場。視聴ブースには多くの来場者が列を作った。

東芝ブースの前は長蛇の列

こちらはCEATECで展示されていたのと同じモデルだが、同社説明員によると、市場での発売時は外観が少し変わる可能性があるという。「大幅なデザイン変更はないが、質感や素材などが変わるかもしれない」とのことだ。

20GL1

12GL1


56V型の試作機も登場した

裸眼3D対応のPCも展示されていた
■パナソニック、展示デモで3Dムービーカムをアピール

今年はパナソニックも3D Fairに出展。別売レンズを装着することで3D撮影にも対応するムービーカメラ「HDC-TM750」「HDC-TM650」を使って撮影した映像を、その場で立体視するデモを行っていた。

「HDC-TM750/650」を使ったデモのようす

「HDC-TM750/650」はプロ用カメラと同じ3つのセンサーの3CMOSを搭載し、1080/60p記録に対応したビデオカメラ。コンバージョンレンズ「VW-CLT1」を使用することにより民生用として世界で初めて3D撮影にも対応したモデルだ。

■富士フイルム、3Dデジカメを大きく訴求

富士フイルム(株)は、9月4日から発売した1,280×720/24fpsでのハイビジョン3D動画撮影にも対応したコンパクトデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」を訴求している。

富士フイルムはFinePix REAL 3D W3を大きく訴求

FinePix REAL 3D W3

本機はハイビジョンでの3D動画撮影に対応した点が大きな特徴。3.5V型の液晶モニターはレンチキュラー方式の採用により裸眼で3D鑑賞が可能となっている。前モデルの「FinePix REAL 3D W1」よりも液晶画面が見やすくなったこと、そしてHDMI端子を搭載しテレビなどとの接続も簡単なことにより、販売も好調とのこと。具体的な台数などは聞けなかったが、「前機種は正直、目標に到達しなかったが、本モデルは好評をいただいている」とのことだ。

■タカラトミー

(株)タカラトミーは、5,980円(税込)の安価な3Dデジタルカメラ「3D Shot cam」を展示している。こちらは2011年2月発売予定。30万画素イメージセンサーを2個搭載し、2枚のJPEG画像を撮影。SDカードに保存した画像を印刷し専用のビューアーを通して見ることで、3D写真を楽しめるというものだ。裏面にはディスプレイを搭載しない。「安価かつ簡単に3D写真を楽しんでもらうことを目指した。専用ビューアーはメッセージカードとしても利用可能で、撮ったものを友人や家族にプレゼントすることもできる」(同社説明員)。

3D Shot cam

液晶ディスプレイなどは搭載していない


撮影した画像をプリントして専用ビューアーにセット。メッセージカードとしても利用可能だ

専用ビューアー
本製品は雑貨店をはじめ家電量販店などで販売する予定とのことだ。

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