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“REGZAの顔”でおなじみ

<IFA2010>CEVOエンジンやクラウドサービスの日本展開はどうなる? 東芝・本村氏に訊ねた

2010/09/06 ファイル・ウェブ編集部:山本敦
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東芝はIFA2010の出展で、新エンジン“CEVO ENGINE”の開発やクラウドベースの新サービス「TOSHIBA PLACES」を発表した。

今回展示された技術やサービスが、今後日本で展開される可能性はあるのだろうか。“REGZAの顔”としておなじみの(株)東芝 ビジュアルプロダクツ社 映像マーケティング事業部 映像グローバルマーケティング部 第一担当 参事の本村裕史氏に聞いた。

(株)東芝 ビジュアルプロダクツ社 本村裕史氏

東芝がIFA2010の会場で披露している技術や製品は多岐にわたっており、その代表的な内容については同社のカンファレンスレポートでお伝えした通りだ。

またヨーロッパにおける映像事業戦略や、国内での「裸眼3D」導入に関する見通しについては、同社執行役上席常務・ビジュアルプロダクツ社社長の大角正明氏が行った記者会見の模様にて詳しくご紹介している。


“CEVO”エンジンの開発がもたらすもの

“CEVO(シーボ)”は、東芝が来年初頭に市場投入を予定しているヨーロッパ向けのフラグシップモデル「55ZL1」シリーズに搭載される新エンジンのコードネームだ。

“CEVO”では、CELL REGZAシリーズの頭脳である「CELL REGZA ENGINE」の開発によって培われたノウハウをベースに、高品位な画質、優れたネットワーク機能、低消費電力化など、ヨーロッパの市場ニーズに最適化したエンジン開発が進められている。

IFA会場の展示で東芝は、同社が半導体とソフトウェアで優れた技術を持ち、それらを組み合わせた強力なエンジン開発を得意とするブランドであることを、ヨーロッパ市場に向け改めて強くアピールしている。

ブースには“CEVO”を搭載したハイエンドなテレビが実現するライフスタイルや機能のイメージを来場者に伝えるべく、「3D超解像技術」や直下型LEDを用いた「3DメガLEDバックライトコントロールシステム」、あるいは「リアルタイム高画質2D-3D変換」「高精度バックライトコントロール技術」などのトピックスごとにデモが行われている。

CEVOのパフォーマンスを紹介するデモコーナー。展示では日本で発売を控えるCELL REGZAの第二世代モデルが使われている

3D映像の実力にも注目が集まる

“CEVO ENGINE”は現在開発が進められている途中で、今回は先ごろ日本で発表された第2世代のCELL REGZAシリーズのデモ用セットを持ち込んで展示が行われている。

なお、日本でもまもなく“CELL REGZA”X2/X2Eシリーズの発売が待っているが、本村氏によれば「7月末の記者発表時点でお見せしてからもソフトウェアを練り上げている。今回IFAで展示しているセットは、3D/2D画質、そのほかの機能がさらにレベルアップしている」という。日本での発売も間近に迫っているが「これから発売までにもっと良くなるので、期待してほしい」と本村氏は語る。

なお“CEVO”コーナーの一角では、「WirelessHD」の技術をベースに、3Dゲームのハイビジョン映像をノートPCからテレビへワイヤレスで飛ばし、遅延なく表示するデモも披露されていた。「WirelessHD」では、HDMIの有線接続と変わらない大容量データを、高速に機器同士でワイヤレス伝送できるため、ほぼ遅延のない映像表示が実現でき、快適な3Dゲームプレイが楽しめるというメリットが紹介されている。

WirelessHDの技術をベースにした3Dゲーム再生のデモ。ワイヤレスでもほぼ遅延のない映像表示を実現できる優位性をアピールしている

現在、ヨーロッパのフラグシップモデルへの搭載に向け準備が進められているCEVOエンジン。その開発資産が日本で発売されるREGZAに活用されることはあるのだろうか。本村氏に訊ねたところ「“CEVO”エンジンはグローバル展開を考えている。CEVOが完成した際のパフォーマンスのイメージは、現在国内で発売されているLED REGZAの上位機種に採用している“次世代レグザエンジン DUO”の数倍を想定している。高画質・多機能・エコ性能について高いレベルを実現しながら、“CELL REGZA”の魅力を、より多くのユーザーに楽しんでいただけるようになるだろう」という。

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