ビクター、多重録音に対応したリニアPCMレコーダー“LessonMaster”「XA-LM3」を発売

同社では本日、製品発表会を実施。ホームエンタテインメント事業部パーソナルAV統括部海外営業部特機グループ星野章氏らが出席し、レッスンマスター企画の背景と狙いを説明・製品のデモを行った。


星野氏は、ICレコーダー市場の現状とその中でのレッスンマスターシリーズの位置づけを説明。昨年まで国内のICレコーダー市場は、生産台数が増えて価格は下がっていた状態だったという。しかし今年の1月からは、台数が好調に伸び価格も安定しているという。理由は、マニア以外のユーザーでもリニアPCM対応のICレコーダーを購入するケースが増えているからだという。


そのような中でレッスンマスターシリーズは、操作性のシンプルさと高音質で独自のポジション獲得を狙う。

元々XA-LM1制作の背景には3つの狙いがあった。1つ目は邦楽演奏者である中高年齢層が練習するにあたって、簡単・小型・高音質の3つを兼ね備えること。2つ目はカセットテープレコーダーのユーザーにも抵抗感を与えない簡易な操作性を実現することにより、デジタル製品買い換えへの促進をはかること。3つ目は音楽演奏者にも魅力をアピールできるような製品を創出していくこと。

実際、発売後に中高年齢層ユーザーの満足度として多かったのは、軽量性、録音後すぐに内蔵スピーカーで音源を聞くことが可能な手軽さや、高音質だったという。「狙い通りの反響を獲得した」とする同社が今回新たに販売を開始するXA-LM3は、XA-LM1の上位機種という位置づけだ。


しかし、XA-LM1に足りない機能を補ったということではない。「XA-LM3はXA-LM1とターゲットユーザーが違う。今回はXA-LM3のターゲットに合わせた機能を追加した」と同氏は語る。さらに「XA-LM3では、演奏上級者やライトミュージック系演奏者など、若年層ユーザーのキャッチアップを狙っている」と説明。

また、現行モデルであるXA-LM1の新色パールホワイトの限定発売については、「製品が認知されてくると、色々なユーザーの声が聞こえてくるようになってくる。楽器演奏者には女性も多く、他のカラーバリエーションへのリクエストに応えた」と説明した。

なお、今回のXA-LM3リリースに際し、同製品の発売記念キャンペーンが行われる。XA-LM3を購入後、製品に同梱されている愛用者はがきに必要事項を記入し送付すると、応募者全員に楽譜付きの重ね録音体験マイクロSDがプレゼントされる。キャンペーン期間は、製品発売日から12/31消印まで有効だ。また星野氏は最後に、今後は新しい音楽シーンの楽しみ方を創出する「JVCカルチャーネットワーク構想」に向かって、そのためのコンセプト商品を展開していきたいとした。


続いてホームエンタテインメント事業部パーソナルAV統括部企画部商品企画グループ嶋田正昭氏が登場し、XA-LM3に追加された機能のポイントを説明した。「機能を追加する際一番ポイントにしたのは、いかに演奏者に楽しんでもらうか。音楽に集中してもらうために、それ以外の機能はできるだけ簡単に使えることを想定した」とする。

他にも、外部マイク端子の追加装備等に見られるよう、同社の高音質思想もしっかり引き継いだという。「それ以外にも、重ね録音機能、パートキャンセル機能、キーコントロール機能の充実により、ユーザーがより音楽を楽しむツールになることを目的としている」とXA-LM3の狙いを語った。

最後に、ホームエンタテインメント事業部パーソナルAV統括部企画部海外営業部特機グループ小西英彦氏とヴォーカルグループ"VOXRAY"が登場。実際に本製品の新機能である重ね録音機能のデモを行った。


まずは高音域担当tommy氏が歌うメインの旋律を録音。この音源を元に、他のパートを重ねていく。


次に、中音担当のBoB氏・Muzzi氏の2名がイヤホンで元音源をモニターしながら、同時にパート録音。最後に低音担当のZi-Zi氏が、前の2人同様にイヤホンでモニターしながら録音を行い、全部で3つの音源を重ねた。


その場ですぐに重ね録音された音源が再生され、4名が同時に歌って録音したような音源が流れた。今回は4名の声を重ね録音したが、例えばこの機能を使うと1人で4名分のパートを録音することなども可能だ。


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