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最大96者間の同時通話を実現

ビクター、デジタルワイヤレスインカム「WD-3000」シリーズを発売 − 24V型業務用3Dモニター試作機も展示

2010/07/08 ファイル・ウェブ編集部
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ビクター・JVCは、大型商業設備やビジネス、レジャー施設向けのコミュニケーションツール新商品となる、デジタルワイヤレスインターカムシステム「WD-3000」シリーズを7月8日に発売する。

「WD-3000」シリーズ

子機を含むシリーズ対応機器

今回新しく発売される製品はメインコントローラー「WD-M300」、サブコントローラー「WD-M310」、多機能操作器「WD-MC30」、音声入出力ユニット「WD-AF30」、セルステーション「WD-T300」。価格はオープンだが、これらの製品に従来から販売されているポータブルトランシーバー(子機)を6台組み合わせたミニマムパッケージの販売総低価格はおよそ200万円前後の見込み。

メインコントローラー「WD-M300」、サブコントローラー「WD-M310」

セルステーションとコントロールマイク


ポータブルトランシーバー

システム構成図
同社では1998年にパチンコ・アミューズメント施設向けのコミュニケーションシステムを販売し、好評を博してきたが、今回のモデルは業務用コミュニケーションツールの第3世代機になる。同社ではアミューズメント施設のみならず、大型商業施設やレジャー施設、工場・倉庫などで働く従業員間のコミュニケーションツールとしても提案を広げていく考えだ。

新製品の第一の特徴は高い通話性能にある。子機、多機能操作器、音声入出力ユニットを含む、最大96者間での同時通話を可能にしており、2人通話の間に3人、4人と利用者を増やして多重コミュニケーション環境を構築できる。また、ユーザーがスイッチを押してすぐに利用できる即時応答性能や、簡易な操作性を持たせている。多機能操作器「WD-MC30」はインターカム機能と電話機能を1台に集約。子機「WD-TR200」も堅牢性能に優れ、ボタンも少なく簡単に操作できるようにしている。

小規模システムから大規模システムまでフレキシブルに対応するスケーラビリティも実現。ユニット単位での増設に対応しており、メインコントローラー1台のシステムからサブコントローラーを組み合わせた大規模フルシステムまで発展が可能だ。セルステーション(アンテナ)はIPX3(防雨型)に準拠しているので、屋外設置も対応する。メインコントローラーとサブコンとローラーはEIA1Uの薄型設計により省スペースも実現している。

運用性能面では、最大8グループまでのグルーピングに対応し、一斉連絡、招集通話、アナウンス放送など多彩な通話モードを搭載する。構内電話交換機や外線と連携が可能になる、電話回線端子を装備する。

情報の秘匿性能も高く、無線局免許不要の1.9GHz帯デジタルコードレス電話規格を採用したことにより、盗聴や混信を防止する機能を搭載している。また医療機器への影響が少なく、病院での利用が可能な点もメリットだ。

本日同社が開催した新製品発表会では、同社のビジネス・ソリューション事業商品について、日本ビクター(株)ビジネス・ソリューション事業部 プロジェクト統括部長の榎本誠也氏が説明を行った。

日本ビクター(株)榎本誠也氏

JVC・ケンウッド・ホールディングス(株)では、5月に開催した同社の中期経営計画の中でも発表されたように、今後はビクターが展開する「ビジネス・ソリューション部門」と、ケンウッドの無線機等を含む「コミュニケーションズ部門」との統合運営を強化していきながら、新たなマルチメディアソリューションの展開や営業活動の一体化、販路・拠点の相互活用や材料の共同調達などによる効率化を進めていく方針が示されている。BtoB事業については、今後同社の全事業における構成比を約30%に持って行き、基幹事業として位置づけていく考えだ。

新規市場の開拓を宣言

顧客ニーズに合わせたフレキシブルなシステムが構築できるメリットをアピールした

今回発表の「WD-3000」シリーズについて、特徴を語った榎本氏は「まずお客様の環境における、コスト面も含めたローコスト化を図った。そしてフレキシビリティを向上させ、様々なBtoBでのニーズに応えられるようなシステムをご提案できる商品が完成した。当社のコミュニケーションツール商品にとって、新たな分野となるホテル・ショッピングセンターなど流通市場、倉庫・工場、研究施設、医療現場などにもご活用の提案を積極的に行っていきたい」とした。


同社は本日東京からスタートして全国の主要7都市で開催するディーラー向けのイベント「JVCソリューションフェア2010」に当システムを出展し、特徴をアピールしている。また、同イベントにはオーディオ・ビジュアル関連の新商品として、業務用の3Dモニターや42V型の薄型サイネージ用液晶ディスプレイのプロトタイプも展示されていた。


24V型業務用3Dモニターの試作機
参考出展されていた3D液晶モニターは、主に放送局やプロダクションスタジオでの3D映像素材のチェック用途をターゲットにしたマルチフォーマット対応のモニター。画面サイズは24V型となり、「デスクワーク用としてニーズが多く、使いやすいサイズであることから当サイズを3D対応機の最初のモデルとして展開したいと考えた」(展示説明員)ものであるという。発売時期は来年1月頃が予定されており、価格は今のところ未定だが100万円前後での設定が見込まれている。3D映像入力方式は「ライン・バイ・ライン」と「サイド・バイ・サイド」に対応しており、ロケ現場でも使えるようDC電源による駆動にも対応する。


42V型サイネージ用液晶ディスプレイ

極薄のディスプレイ部奥行き幅を実現
42V型のサイネージ用液晶ディスプレイは、既に同社が発売している奥行きサイズ6.4mmの業務用32V型フルHD液晶ディスプレイ「GD-32X1」の系譜に位置づけられる製品として参考展示されている。フルHD表示に対応するLEDエッジライトをバックライトとして採用する液晶パネルを搭載。本体背面部には映像エンジンのほか、動画/静止画/テロップなどの再生が行えるコンテンツプレーヤーを搭載しており、SDメモリーカードのスロット経由で読み込んだコンテンツデータを再生できる。タテ置き方向での表示も可能。現在は年度内の商品化に向けて開発を進めている段階であるという。


【問い合わせ先】
日本ビクター(株) 
ビジネス・ソリューション事業部 プロジェクト統括部 営業戦略部 
プロオーディオグループ 
TEL/045-443-3152

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