<緊急企画>BDレコーダー2007秋の陣! ソニーVSパナソニックの最新モデルを比較する

2007年10月02日

上:パナソニック「DMR-BW900」 下:ソニー「BDZ-X90」
本日、CEATEC2007の会場にて、パナソニックの最新BDレコーダーDMR-BW900/800/700とDVDレコーダーの新モデル計6機種が発表された(関連ニュースDIGA公式サイト)。

2007年秋冬のBDレコーダーラインナップの発表は、9月12日にソニーのBDレコーダー4機種が発表されたばかりであり(関連ニュース)、今年はMPEG4 AVC録画の対応やBD-ROMのHDオーディオのビットストリーム出力対応など、様々な新機能が搭載されている。購入も検討している人も多いだろう。

今回はパナソニックのフラグシップ「DMR-BW900」とソニーのフラグシップ「BDZ-X90」の仕様を比較しながら、2007年秋冬のBDレコーダーのトレンドを追いかけていこう。

ソニー「BDZ-X90」

パナソニック「DMR-BW900」

●MPEG4 AVC録画は両機種搭載。パナソニックはDVD保存も対応

2007年BDレコーダーの注目フィーチャーがMPEG4 AVC/H.264録画への対応だ。従来、HD画質での録画はMPEG2で放送される信号をそのまま録画するだけだったものが、DMR-BW900、BDZ-X90の両モデルともMPEG4 AVCの録画に対応したことで、HD映像の長時間録画が可能となった。

両機種に違いとして現れたポイントは2つ。一つはAVC録画の解像度と圧縮のプロファイルで、パナソニックのDMR-BW900が1,920×1,080でハイプロファイル対応に対し、ソニーは1,440×1,080のメインプロファイルという仕様。実際の画質は改めて同一環境での比較検証してみないと分からないものの、パナソニックが一歩上手といったところだろうか。

もう一つの違いは対応メディア。両機種で使えるHDD、BDのほかに、DMR-BW900はDVDメディアへのMPEG4 AVC録画に対応。ソニーは対応していない。現行のDVDレコーダーユーザーがよく使う1層4.7GBのメディアの場合、AVC録画の標準モードに相当するHXモード(約8.6Mbps)で、約1時間5分の映像を録画できる。BD規格での記録のため、再生できる機器は限られるものの、リーズナブルにHD録画する選択肢があることはありがたい。

●両機種2層メディア、4倍BD-R対応。ダビング10、LTHも対応見込み

BDドライブとメディア、ダビング周りに目を向けると、両機種が最新世代のBDドライブを搭載したことで、BD-R 4倍速書き込みに対応となった。ソニーのBDZ-X90は昨年非対応だった2層50GBにも対応しており、BDドライブのスペックにも大きな違いはない。富士フイルムほか3社から発表されている有機タイプのBDメディア、BD-R LTHタイプについてはどちらも対応検討中と、横並びの状態だ。

コピーワンスの見直しであるダビング10(コピーナイン)への対応を予定していることも両機種共通の特徴。実際の対応は運用方法が正式に決定するのを待つ必要があるため、対応時期も同じ頃となることが予想される。

●HDオーディオ出力対応、映像は1080/24p DeepColor対応

画質・音質の面では、両機種がHDMI Ver.1.3端子を搭載。映像の信号は1080pの対応はもちろん24pコマの映像出力にも対応したことでBD-ROM再生機としても条件が整った。更に12bitのDeepColorを使うことで階調表現性を高める取り組みも両モデルで行われている。ソニーのBDZ-X90は、同社の液晶テレビBRAVIAに搭載しているDRC MFv2.5を搭載しており、デジタル放送の映像を高画質に出力するアプローチとして注目すべきポイントだ。

音質については両機種が待望のHDオーディオビットストリーム出力に対応。この夏から続々と登場しているHDオーディオ対応アンプとHDMIケーブルで接続することで、BD-ROM作品に収録されたロスレスオーディオを最高のクオリティで楽しめる。両機種ともにビットストリームのみの対応となり、リニアPCM出力は非対応となってしまったが、HDオーディオ環境の登場によって歴史的使命を終えたということだろう。

●個性溢れる機器連携の機能。i.Link(TS)ダビングはパナソニックのみ対応

外部機器との連携も両機種で様々な取り組みが行われている。ハイビジョン化が急速に進むデジタルビデオカメラの映像は、DVカムの映像は両機種で対応する。HDVカムはソニーのBDZ-X90が正式に対応しているほか、パナソニックは旧機種のBW200で非公式ながら対応しており、実際には使える可能性も高い。

それ以外にもソニーのBDZ-X90は、BRAVIAなど対応機器が徐々に増えているホームネットワークのDLNA、PSPに録画番組を持ち出すおでかけ・おかえり転送と、最新のデジタルAVとして活用する機能の充実が光る。パナソニックのドアホン録画も同社らしい取り組みだ。

もう一つ忘れてはならないのが、DMR-BW900が対応するi.Link(TS)取り込みの対応だ。D-VHSデッキやアイオーデータのRec-Pot、ハイビジョンDVDレコーダーの対応機種などから録画番組を取り込めるこの機能は、必ず欲しいという人も多かった機能だけに、歓迎したいところだ。

●レコーダーとしての使い勝手や機能はBDZ-X90が一歩上手

BDレコーダーとしてのスペックだけでなく、日常的に使う録画機としての性能も触れておこう。

パナソニックのDMR-BW900は、DIGAシリーズの流れを汲むだけあって簡単な操作性の実現が身上だ。リモコンもリニューアルされ、シンプルさに徹した操作体系はレコーダーを初めて使う初心者にとっても分かりやすい。もちろんビエラリンクにも対応している。

ただし、操作の分かりやすさと日常的に使う録画機としての機能性は次元の違う問題だ。例えば地上デジタル放送のCMカットならば、ソニーのBDZ-X90はおまかせチャプターによって自動でCMを検出でき、チャプター編集によって削除箇所を簡単に指定できるため、遙かに使いやすい。再生についてもシンプルな再生のみのDMR-BW900よりも、ダイジェスト再生にも対応したBDZ-X90の方が様々な番組で便利に扱える。

●甲乙付けがたいソニー、パナソニックの最新BDレコーダー

最新BDレコーダーのトレンドを押さえながら、ソニーのBDZ-X90、パナソニックのDMR-BW900と特徴を比較してみたが、いかがだろうか。

両機種とも新世代のBDレコーダーとして押さえるべきポイントは満遍なくカバーしているため、明確な優劣は付けがたいが、筆者の感想としては、パナソニックのDMR-BW900はDVD記録などAVC関連の充実とi.Link(TS)による取り込み、ソニーのBDZ-X90はビデオカメラなど機器連携と、編集・操作性を含めたレコーダーとしての機能性にアドバンテージがあると感じた。

今回発表されたソニー、パナソニックのBDレコーダーは、どちらも必要十分なスペックは満たしている。約10万円という価格差が一つのポイントになるだろう。あとはどちらが自分の求める録画スタイルに合っているか、購入を考えている方は、それを見極めた上でじっくりと比較検討してほしい。

【DMR-BW900とBDZ-X90の比較表】

DMR-BW900 BDZ-X90
●基本スペック
価格 オープン価格(予想実売価格30万円前後) オープン価格(予想実売価格20万円前後)
発売日 2007年11月1日 2007年11月8日
録画チューナー デジタル2番組同時録画 デジタル2番組同時録画
内蔵HDD 1TB 500GB

地デジHDD最大録画時間(DR モード時)

127時間 62時間
HD画質HDD最大録画時間 381時間 166時間
●MPEG4 AVC
AVC録画チューナー 1系統 1系統
AVC録画モード(HD画質) 3モード(HG、HX、HE) 4モード(XR、XSR、SR、LSR)
AVC BD保存 対応 対応
BD2層AVC最大録画時間 18時間(HEモード、5.7Mbps) 約16時間(LSRモード、6Mbps)
AVC DVD保存 対応(ハイビジョン放送のDVDへの記録はD-PAに申請中)
DVD2層AVC最大録画時間 約3時間(HEモード、5.7Mbps)
AVC録画解像度 最大1920×1080、ハイプロファイル 最大1440×1080、メインプロファイル
AAC5.1ch→DD5.1chトランスコード 対応 対応
●BD
BD1層25GB 対応 対応
BD2層50GB 対応 対応
BD-R 4倍速 対応 対応
BD-R LTHタイプ −※1 −※1
ダビング10(コピー9) −※2 −※2
カートリッジBD(1.0)対応 対応 対応
※1 メディアが揃い次第対応を検討中 ※2 対応予定
●映像・音声入出力端子
HDMI端子 Ver.1.3(1系統) Ver.1.3(1系統)
1080/24p出力 対応 対応
映像DeepColor出力 対応(12bit) 対応(12bit)
D端子 対応 対応
コンポーネント映像端子 対応
HDオーディオビットストリーム出力 対応 対応
HDオーディオデコード出力
光デジタル音声出力 対応 対応
同軸デジタル音声端子 対応 対応
アナログ5.1ch出力
●機器連携
DV/HDVカム取り込み対応 対応/− 対応/対応
AVCHDカム HDD取り込み 対応 対応
i.Link(TS)取り込み 対応
写真取り込み 対応(SDカード) 対応(USB端子)
音楽取り込み 対応
PSP連動 対応
ホームサーバー(DLNA) 対応
ドアホン録画 対応
●レコーダー機能
自動録画 対応※1 対応
ダイジェスト再生 対応
CM自動チャプター 対応
番組の自動チャプター設定 対応
※1新番組録画として 


(折原一也)

折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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