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「さようなら 20世紀のアナログビデオ」 − AQUOSブルーレイ新製品発表会詳報

公開日 2007/09/26 17:31
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別項でお伝えしたとおり、シャープ(株)は本日、BDレコーダーの新モデル9機種を発表した。本項では発表会の模様についてお伝えする。


シャープ(株)松本雅史氏
発表会では、同社代表取締役副社長の松本雅史氏が、新製品の概要を説明した。

同氏は液晶テレビの普及や、2011年の地上デジタル放送移行を挙げ、テレビや放送が次世代に移行していることを指摘。しかし依然として2,000万世帯がアナログビデオレコーダーを使用しているというデータを挙げた。「テレビや放送はデジタル化が進んでおり、フルHDの美しい映像を楽しむことができるようになった。そんななかビデオだけは未だにアナログのままでいいのだろうか」(松本氏)。

レコーダーの保有状況

テレビとレコーダーの性能が乖離していることを指摘した

同氏はこのようにデジタルレコーダーの普及が伸び悩んでいる理由を「操作が難しいため」と分析。「デジタルレコーダーは多機能で便利な反面、操作が難しい、メディアの種類が多く煩雑などの問題点があった。本日発表する新製品は、“らくらく一発録画”“らくらく一発再生”など、アナログビデオレコーダーよりも簡単で、かつデジタルレコーダーの便利さも備えた製品。誰にでも使える“21世紀の地デジビデオ”だ。21世紀に入ってしばらく経ったが、ようやく20世紀のアナログビデオを風呂敷にしまえるときが来た。本日シャープは20世紀のアナログビデオにさようなら宣言をする」と発言し、新製品に対する自信を強調した。

ビデオデッキとブラウン管テレビを風呂敷に包むパフォーマンスも見せた

デバイスから商品まで社内で開発を行う

また新製品には自社開発のデバイスを搭載。青紫色半導体レーザーやピックアップ、ドライブユニットなどのデバイスから商品まで、社内で垂直統合を行う。ハイパワーレーザーや、光学技術・デジタル技術などをすりあわせた「三波長ピックアップ」など、他社に先んじた技術を採用した部品を搭載することで、高画質へのこだわりを追求している。

ハイパワー青紫レーザーを搭載

光学技術などのすりあわせ技術によるピックアップ

低エラー設計などを施したドライブを採用

松本氏は「今後はAQUOSブルーレイを事業の第二の柱としたい。AQUOSファミリンクによる総合的な使い勝手の良さを訴求することで、デジタル放送が開始される2011年までに、全てのビデオをAQUOSブルーレイに変える」と意気込みをあらわにした。


以下、発表会で執り行われた質疑応答の内容を掲載する。


Q.今後発売するレコーダーは全てBDになるのか。
A.市況はDVDレコーダーが主流なのが現状。地デジ放送に移行していくタイミングをみてBDに軸足を移していく。全てBDに切り換える具体的な時期は、タイミングをみながら判断したい。

Q.今回の新製品を、海外市場で発表する予定は?
A.海外の展開については具体的には決めていない。順次市場をみながら商品化を判断したい。

Q.HDD一体型モデルについては、コピーナイン(ダビング10)対応の計画はあるのか。
A.基本的にはダウンロードを用いて対応が可能と考えているが、今現在は技術対応の内容が明確でないので、詳細はこの場で紹介できない。

Q.アナログビデオデッキからデジタルレコーダーへ移行する潜在層の、どれくらいを開拓できると考えているか。
A.マーケット規模は、VTRの750万台(1997年)がピークだった。DVDレコーダーは2004年から減少しており、400万台で横ばい。前年90%を割り込んでいるのが現状だ。デジタルレコーダーは利便性などの面で、取り扱いがしにくい商品になっていた。これを改善しようと考えたのが、新しい商品ジャンルを開拓したのが新製品の開発背景だ。

Q.BD/HD DVDハイブリッドタイプに対する考えはあるか。
A.基本的には考えていない。

Q.有機色素を使ったBD-Rへはどう対応するのか。
A.現在のところ有機色素タイプのBD-Rへの対応は未定となっている。エントリーモデルについては、メディアの煩雑さをなくすため、BD-REに絞っている。

Q.H.264対応は検討しなかったのか
A.新製品の最大のテーマは「高画質・高音質」で、今回はそちらに重点を置いた。長時間録画機能は今後検討していきたい。


(Phile-web編集部)

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