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NHTが新世代DSPパワードスピーカー「Xdシステム」を発表

2004/09/22
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NHT社の「Xdシステム」
●(株)ジェイ・ヴォックスが輸入販売を行うオーディオブランド、NHTから2本のスピーカーとパワードウーファー、およびアンプの各部により構成されるオーディオシステム「Xdシステム」が発表された。本日(株)ジェイ・ヴォックスによる、アジアのディーラーおよびプレスに向けたコンファレンスが都内の施設において開催された。会場にはNHT社より、エンジニアリング・ディレクターのジャック・ヒドリー氏ならびにセールス・ディレクターのジョン・ジョンセン氏が新製品の説明に駆けつけた。また(株)ジェイ・ヴォックスからも代表取締役である大沢彰氏が足を運んだ。

NHT社 ジャック・ヒドリー氏

NHT社 ジョン・ジョンセン氏

(株)ジェイ・ヴォックス 大沢彰氏

本製品は、スピーカーの設計開発をNHT社、デジタルイコライゼーションの設計開発をDEQX社、アンプの設計開発をPowerPhysics社がそれぞれ担当し、共同開発した新製品だ。通常のリスニング位置から離れた場所で音楽を聴く際も、緻密で広範囲な音場空間を実現し、オーディオ信号に発生する歪みを可能な限り低減させることに成功したという。本システムはDSPプロセッサー搭載アンプの「XdA」、ベースモジュール「XdW」、および2本のサテライトスピーカー「XdS」から構成される。今年の年末頃に、セットで126万円(税込)の価格で販売される。

DEQXキャリブレーションのプログラムを内蔵したDSPアンプ部の「XdA」が本システムのコアとなる。NHT社ジャック・ヒドリー氏により紹介された製品の詳細を下記にお伝えしていこう。

DSPプロセッサー搭載アンプの「XdA」

「XdA」リア端子部

「XdA」にはスピーカーの置き位置によって異なるプリセットフィルターを搭載。「部屋の真中にSPを置いた場合」「壁にSPをかけた場合」「SPをコーナーに置いた場合」「テレビの上にSPを置いた場合」という、4つの場面を想定したスピーカーイコライジングをプリセットし、ユーザーが各チャンネルの音場調整を直感的操作で行えるようになっている。

入力端子はRCAを2系統、バランス端子を2系統それぞれ備え、各チャンネルに2組のスピーカー出力端子とベースモジュール接続用に2系統のバランスライン出力端子を搭載する。XdAのアンプ部には、PowerPhysics社が開発したOne-CycleSoundの150Wアンプを4基搭載。同社が開発したクラスDアンプはコンパクトながら高い能力を発揮し、96%の高効率と発熱の抑制を実現している。

また本体にはマイク端子とUSB2.0対応の端子も搭載しており、将来的には4つのプリセット以外のルームイコライジングプログラムをPC経由でインストールし、アンプにマイクをつないで新たなイコライジングパターンが楽しめるように設計されている。

サテライトスピーカー「XdS」

サテライトスピーカー「XdS」は165W×260H×216Dmmのコンパクトサイズを実現した2ウェイ密閉型。超低歪を実現した130mm口径のミッドレンジと、ネオジウムマグネットを採用した25mm口径のトゥイーターで構成される。強力な放熱性能を誇る「ヒートシンク」をトゥイーターの後側に備えパワーハンドリングを確保。キャビネットのバッフルは密に成型され、より遠く広範囲に音が分散されるよう音響的に中立な複合素材で設計されている。各サテライトはミッドレンジとトゥイーターをそれぞれ独立したアンプで駆動するバイアンプ方式を採用している。専用スタンドはシングルトラスロッド方式。

パワードベースモジュール「XdW」

「XdW」のリアパネル

パワードベースモジュール「XdW」は、キャビネットに対称に取り付けた2本の250mmユニットとPowerPhysics社の定格500W出力のクラスDアンプを搭載している。本機では他のアンプ内蔵ウーファーと異なり、音量調整とバランス入力端子、電源電圧切換の3つの操作のみを必要とし、再生周波数帯域、位相、クロスオーバー周波数や時間領域によるフィルタリングなどのクロスオーバー機能は「XdA」アンプにより調整される。

ジャック・ヒドリー氏によると、NHTとしては今後、将来的には本機1台にサテライト「XdS」を対とした、ピュアステレオ環境へのグレードアップや、各モデルを複数組み合わせた4.1ch、5.1ch、またはそれ以上のマルチチャンネルセッティングへのグレードアップにも対応していく意向。また、ベースモジュール用に、互換性のある2.4GHz帯の無線機能もオプションとして検討しているという。

セールス・ディレクターのジョン・ジョンセン氏は、「本システムは随時アップグレードできる設計となっているので、今後、北米や日本をはじめとしたアジア各地域、欧州への世界展開においても、ユーザーの用途に合わせたフレキシブルな対応が可能になるだろう」と語った。新しいDSPの機能も随時システムアップを行い、同社ホームページでデータを提供していく考えも明らかにされた。

本製品は、24日より始まる「2004東京インターナショナルオーディオショウ」において、(株)ジェイ・ヴォックスのブースにて紹介される予定だ。こちらにも是非とも注目したい。

【問い合わせ先】
(株)ジェイ・ヴォックス
TEL/03-3209-5055

(Phile-web編集部 山本)

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製品スペックやデータを見る
  • ブランドNHT
  • 型番XdS
  • 発売日2004年12月頃
  • 価格\1,260,000(セット)
【SPEC】●形式:2ウェイスピーカーシステム、アコースティックサスペンション方式 ●ユニット:25mmアルミニウムドームトゥイーター、130mmマグネシウム振動板ウーファー ●全高調波歪率:0.3%以下 ●バッフル:BMC成型 ●エンクロージャー:MDF ●スピーカー入力端子:トゥイーター×2、ウーファー×2 ●外形寸法:165W×260H×216Dmm
  • ブランドNHT
  • 型番XdW
  • 発売日2004年12月頃
  • 価格\1,260,000(セット)
【SPEC】●形式:パワー土サブウーファー、アコースティックサスペンション方式 ●ユニット:250mmアルミニウム振動板ウーファー×2 ●ハウジング:BMC成型 ●エンクロージャー:MDF ●全高調波歪率:0.3%以下 ●内蔵アンプ:PowerPhysics Dクラスアンプ ●出力:定格500W ●入力端子:ライン×1、XLR×1
  • ブランドNHT
  • 型番XdA
  • 発売日2004年12月頃
  • 価格\1,260,000(セット)
【SPEC】●形式:DEQX Calibration DSP搭載パワーアンプ ●オーディオプロセッサー:24bit/96kHz ●アンプ:PowerPhyisics Dクラスアンプ×4 ●出力:定格150W/最大600W×4 ●電源回路:スイッチング ●入力端子:ライン×1、XLR×1 ●出力端子:ライン×1、XLR×1 ●スピーカー出力端子:トゥイーター×2、ウーファー×2 ●マイクロフォン付属、アップグレード機能付き