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ビクター、32ビットCPU搭載の映像処理LSI「GENESSA」を開発 全薄型テレビに搭載

公開日 2004/04/20 16:53
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●日本ビクター(株)は、32ビットCPUを搭載した映像処理専用LSI “映像知能” 「GENESSA(ジェネッサ)」を開発した。

「GENESSA」LSI

本日、東京都内にて本LSIの発表会が開催された。同社理事AV&マルチメディアカンパニー 技術統括部長兼商品企画部長の並木康臣氏は、「当社が押し進めてきたDET技術をさらに深化させるものとして、この『GENESSA』を開発した。今後、PDP、液晶テレビ、リアプロなど、当社の薄型テレビすべてに搭載する予定だ。このLSIによってさらなる高画質化を図り、差別化を実現することにより、06年にはディスプレイの売上げ3,000億円を目標にしたい」と語った。

日本ビクター(株)技術統括部長兼商品企画部長 並木氏

ビクターのテレビ信号処理システム

「GENESSA」の技術の詳細については、AV&マルチメディアカンパニー 技術統括部 理事 ディスプレイ担当の内海陽一氏が説明を行った。それによれば、「GENESSA」では、映像処理の核となるデバイス部に世界で初めて映像処理専用の32ビットCPUを搭載。従来の「DET」で映像を高精細化したあと、色再現や階調表現を処理する部分に「GENESSA」の処理能力を活用する。

「GENESSA」が受け持つ機能は、「インテリジェントガンマ補正」「オートコントラスト」「カラークリエーション」「適応型APL補正」「適応型振幅補正」など。映像の特徴を抽出して、ヒストグラムや映像のMIN/MAX、平均値など様々なパラメーターを、CPUで分析。統計処理、データ分析などを行い、リアルタイムでパネル駆動のための制御データを生成する。

インテリジェントガンマ補正の適用例

GENESSAを構成する

機能の中で、最も先駆的なのは「インテリジェントガンマ補正」だ。フレーム単位で画像情報を200万パターンに分類し、CPUにより最適なガンマ補正をリアルタイムかつ、16次関数(従来は3次関数)で自動制御する。「階調情報が豊富な部分から階調の足りないところに補う感覚」(AV&マルチメディアカンパニー 技術統括部 主席技師 豊嶋智氏)で、白飛びを押さえつつ暗部の階調を正確に再現することが可能になる。同社従来機との比較デモも行われたが、従来機では階調がほとんど再現できていないシーンでも、自然に階調を映し出していた。従来の薄型テレビでは、映画ソフトなどで暗部階調が損なわれることが多かったが、本LSIを使うことにより、映像の再現力が高まりそうだ。

GENESSA搭載の試作機(左)と従来機(右)の比較デモも行われた

また「GENESSA」では、表示デバイス毎に異なる色再現領域に対応している。CPUによりそれぞれの表示デバイスの特性に合わせた最適な補正を行い、記憶色をより一層鮮やかに再現する。また、赤・緑・青・黄色に加え、「肌の色」などをそれぞれに影響を与えることなく独立して補正できるため、画面全体としてバランスがとれた自然な色調を再現できる。

【問い合わせ先】
日本ビクター(株) 
お客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17

(Phile-web編集部)

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