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[PR]ラックがプロの作業効率を上げた

【特別対談】タオックのある部屋(1) − TEMASスタジオ(テイチク)に最高峰ラックを導入

2021/02/09 季刊・オーディオアクセサリー編集部 伊佐山勝則
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■他のラックとは “静寂感” が違う

―実際にオーディオラックの聴き比べをしたのですね?

山田 はい、スタジオの中で数種類のラックを組み上げて試聴しました。デジタル機器とアナログ機器の両方を設置した場合の特性を見たかったので、まず両者の性質を併せ持つCDプレーヤーを設置して試聴しました。そのなかでタオックのCSRシリーズは音質と各段の分離がしっかりしていたので、最有力候補になったのです。

―ホームオーディオのユーザーの方々と同じようなプロセスでラック選びをしているのですね。

山田 やはり音ありきなので。たとえ技術的に素晴らしくても、スタジオで最終的に使う際に納得できる音でないと、業務として使いものになりません。ですから、どんなものでも必ず試聴して、納得の上で他の要素も加味しながら決めています。

―タオックのCSRラックはその中で最も音が良かったわけですね。

山田 そうです。CSRラックは音を出した時に非常に静粛性が高いと言いますか、聴感上のS/Nが良くて、きれいに澄んだ空間が前後左右にフッと広がる。その空間で奥行きや立体的にクリアなフォーカスの合った音が出てくる。なおかつ音の余韻もすごくきれいに聴こえてきます。特に立体的な音像が得られたのが大きかった。音質的にかなり素性がよく、求めている音質の方向性に合っていると思いました。

我々には今回、各段のアイソレーション(=分離)をきちんとしたいというニーズがありました。そんな中でCSRシリーズはどの段に機器を置いても音質にほとんどバラつきがない、という点で基本性能がものすごくいいラックだと思いました。

簡易的に振動の計測もしてみましたが、床からの振動もきちんと減衰されていますし、各段同士の干渉もきれいに収束して消えていくという効果が見られました。私自身はテクニカルエンジニアなので、普段から聴感だけでなく測定データも加味しながら機材を選んでいます。タオックのCSRシリーズはその両方ともきちんとクリアした機材でした。


■オーディオラックに予算を投入した理由

―機材自体も素晴らしい製品ばかりですね。ただ山田さんは、このインタビュー前のお話で、最新の機材が必ずしもベストではないと仰っていました。

山田 音質と、スタジオで求められる機能性。この2つを満たしつつ、様々な要望が出てくると、選ばれる機材は限られてきますよね。もちろん新しくていいものもあります。例えばAoIP(オーディオ・オーバーIP)がそれで、ハイエンドオーディオのネットワーク再生とは若干違う規格なのですが、ネットワークの上でオーディオデータをやりとりする伝送規格です。これは従来のデジタル伝送規格であるAES/EBUよりも音がいいということで導入しています。

ただし、マスタークロックジェネレーターあたりは、音質と機能性を考えると、いま使っているdCSを超える製品はなかなか出てきていない印象です。

吉良 dCSのマスタークロックは他のマスタークロックへのスレーブ同期もできます。例えばルビジウムのクロックを別に用意して、スレーブで動かすテストもしました。

ルビジウムのクロックはご存知の取り非常に高価なものです。一方で予算は限られています。そんななかで、費用対効果や、どこからサウンドチューニングをすればいちばん効率が上がるのかを考えた上で、今回はタオックのCSRラックの方を導入したのです。マスタークロックを買い替えるのがいいのか、ラックを導入した方がいいのかは、非常にシビアな問題です。そのかなりシビアな計算の中で、タオックのオーディオラックが選ばれたのは間違いないと思います。

(株)テイチクエンタテインメント ソフト技術部 マスタリングエンジニアの吉良武男さん

山田 オーディオをやっていらっしゃる方はよくお分かりだと思いますが、機材を設置する場所によって、音はすごく変化しますよね。ですから、評価する基準をしっかり作るという意味でも、きちんとした土台に置きたいという考えがありました。別の言い方をすると、足腰を固めた上で機材の良し悪しを判断していきたいと思ったのです。

―オーディオラックはホームオーディオのファンの方々にも、もう少し人気があってもいいジャンルだと思います。結局ラックを入れ替えるという作業は面倒なので後回しになってしまいます。そういったオーディオファンの方々に向けても、「まず足腰を固める」というワードは非常に強いメッセージになると思います。

吉良 プレーヤーやアンプは、変えれば音が違うのはすぐに分かります。でも問題はそこではありません。音の差ではなく、その音自体が良いか悪いかが重要なのです。我々はプロスタジオなので、出音が良くなければお客さんはつかないわけです。

我々はプロとして、すべて音像と音場ありきのなかでコンソールもオリジナルで作っていますし、タオック以外のオーディオラックも山田が設計して特殊仕様で作っているのです。そのラックに使用する木材も自分たちで試聴して選んでいます。このようにオーディオラックにこだわることで “音の土台” がしっかりすることに関しては、CSRラック導入以前から自覚しており、試行錯誤を重ねていた部分でもあります。

「CSRラックを導入した」という話はお客様には伝わりにくい話かもしれません。しかし、音にいちばん関係してくるコアな部分にどれだけ予算を投下できるかが勝負でした。今回の効果の大きさは現場の人間として、最も実感しています。

―CSRラックがこういった録音のプロの方々からも評価されているということは、もっとアピールした方がいいですね。

吉良 予算が限られているという意味では、もしかしたらオーディオファンの方々の悩みと共有できるものかもしれません。実際、スタジオも予算というものがあり、その中でベストなものを選定しています。

当スタジオはテイチクエンタテインメントの所属ですが、各他社レコード会社のトップクラスのアーティストの作品もあずかり、期待以上の仕事というものを常に念頭に置いて取り組んでいます。また、大変ありがたいことに、チームとして日本国内でも高いレベルの仕事ができるスタジオであるとご評価をいただく事もあります。

だからこそ、我々が作る音に関してはとても大きな責任があると思っていますし、妥協できない基礎的な箇所に、スタジオとしてタオックの製品を迎え入れたことは、自分の音への追及のために選定と評価に妥協を許さない、熱いオーディオファンの方々にも伝えたいですね。

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