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ECLIPSEのタイムドメイン技術を活用

トヨタの純正オーディオは助手席も良い音、「ダブルツィーター」が実現した “同時定位” とは?

会田 肇

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2018年12月25日
異なった方角を向いた2つのトゥイーターを組み合わせ、運転席と助手席の両方で “同時定位” を可能にする「ハイレゾ対応サウンドパッケージ(プレミアムダブルツィーターシステム)」がトヨタ純正の販売店装着オプションとして登場した。

「プレミアムダブルツィーターシステム」の構成

純正後付けタイプとしては久しぶりの、本格的オーディオシステムの誕生に注目が集まっている。今回はその開発をトヨタと共同で行ったデンソーテンを取材。体験レポートをお届けしたい。


世界で初めて2軸のタイムアライメントを実現したシステム

カーオーディオで音の良さを追求するのは言うまでもないが、それよりも悩ましいのは音場設計にある。当たり前だが、理想的なサウンドステージの再現には左右の音の到達するタイミングを一致させる必要がある。

しかし、ホームで聴く場合は自由にリスニングポジションを選べるが、クルマではそうはいかない。運転席、助手席などなどで、ポジションが半ば強制的に決められてしまうからだ。しかも、スピーカーは左右どちらかの耳に近い位置にある。この状態で聴けば音源が近いスピーカーの音が偏って聴こえる “ハース効果” がどうしても発生しやすくなってしまう。

その解決方法として、古くは左右のバランスを調整する方法があったし、最近の主流であるDSPを駆使する方法なら、音の遅延を利用して各シートポジションを指定して最適化することはできる。しかし、これまでは運転席に合わせて左右の音の到達タイミングを調整するのがほとんどで、そのため、助手席は右スピーカーの音が遅れて到達し、偏った音になってしまっていた。

つまりこの状態であれば、助手席に座った人は音場バランスが崩れた音を聴かされていたわけだ。それをデンソーテンが持つ独自の技術によって解決したのが本システムである。

この日の取材に立ち会ってくれたのは、デンソーテン CI技術本部第四技術部 中道登志夫氏だ。試乗したのは4代目プリウス。プレミアムダブルツィーターシステムは、新開発の「ダブルツィーター」のほか、フロントドア用「プレミアム・ドアウーファー」と新型クラウンに採用された技術を活用した「高性能8chアンプ(40W×8ch)」をセットにしたもの。これにトヨタの販売店オプションで装着できるT-Connectナビの9インチモデルが組み合わされていた。

デンソーテン CI技術本部第四技術部 中道登志夫氏

システムの中核となっているのがダブルツィーターで、ユニットには「ダイレクトツィーター」と「ホーンツィーター」の2つのトゥイーターを組み合わせる。それをダッシュボードの左右に設置し、ダイレクトツィーターはDSPによって正面へ遅延をかけた音を出し、指向性の強いホーンツィーターは対角線上に真っすぐ音を飛ばす。

向きが異なる2基のトゥイーターで、理想的な音場再生を狙う

これにより、世界で初めて2軸のタイムアライメントを実現し、運転席と助手席の両方で左右の音の到達タイミングを一致させる “同時定位” を可能としたのである。

DSPによる遅延と対極の位置にあるホーン型で、音の出るタイミングを合わせることで左右2席で最適な音場が作り出せた

見逃せないのは8chアンプで、内蔵するパラメトリックイコライザーですべてのチャンネルを独立し、緻密に調整することができる。トヨタ車20車種(2018年9月11日時点)ごとに音響マイスターが設定した車種専用の設定値を用意。納車される際はこの設定値で最適化されており、ユーザーは最良の状態でサウンドが楽しめるのだ。

また、サウンドモードはシーンに合わせて選べる「フロントステージ」「パノラマステージ」の2モードを用意。再現する音の広がりを好みに応じて選べるようにしてもいる。

「T-Connectナビ」 9インチモデル。「フロントステージ」「パノラマステージ」の2つのモードが選べる

プレミアム・ドアウーファーは、大入力にも対応する低歪率設計。レンジが広く立ち上がりの早いハイレゾの音源に対してもしっかりと追従する。リアスピーカーはノーマルスピーカーをそのまま使用するが、トゥイーターの音が遠くまで届く設計であるため、後部座席でも鮮明かつ高音質サウンドが楽しめるものとなっていることも注目点だ。これによってボーカルの息づかいやサウンドステージの奥行きや広がりまでも再現され、そこにはまるで目の前で演奏しているようなリアルなステージ感が生み出されるというわけだ。

フロントドア用「プレミアムウーファー」

トヨタからの提案に応えた “正確な音” を目指す設計

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