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[ PR ] 評論家・山之内正がブランドのキーマン秋元氏と対談

伝統と革新の「ビクター」ブランドが本格再始動。その意義と強みを“音質マイスター”に訊く

公開日 2018/10/22 06:00 聞き手:山之内 正/構成:ファイルウェブ編集部
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秋元:我々は以前からずっと『原音探究』という言葉を掲げています。言葉の通り、生音を追求するということですが、ただ、時代によって原音の意味合いが変わってきています。

昔は、音楽を届けるメディアはアナログレコードでした。しかしスタジオのマスターは磁気テープで、物理的にマスターとメディアとに音の互換性がなく、音の比較ができません。ですので、当時の原音探究とは、楽器が一番よく鳴っている生の音を確認できるようにしようということでした。

その後、CDの登場によってマスターのフォーマットとユーザーに届けるフォーマットが共通するようになり、両者を比較できるようになりました。ただ、マスターの大きさに対してユーザーに届けられる音はどうしても限定されます。だからその当時の“原音”はマスターテープの音だったんですね。

そして現在は、ハイレゾ等でスタジオクオリティとまったく同じものが届けられるようになりました。ですから、今の原音とは“そのまま”とか“創ったまま”と言えるかと思います。このように“原音”の捉え方は時代によって変わってきていますが、一方で、音楽制作者が作ったものと同じものを届けたいという想いは一貫していて、それがビクターブランドの指針だったように思いますね。


山之内:お話を聞いていると、作り手側が目指した音とリスナーが聴ける音の距離が近づいているということなのかなと感じます。そうなると、音楽を聴くための製品選びは以前にも増して非常に重要ですよね。

秋元:おっしゃる通りです。今はマスタークオリティの音楽をそのまま届けられるので、ユーザーの方の再生環境や使用する機器によってまったく変わってしまうわけですから。

山之内:その点、ビクターブランドには、ビクタースタジオという実際に音楽を作る現場を熟知した存在があり、さらにそれを活かした製品づくりができるという強みがありますよね。

秋元:私たちは、作っている環境となるべく同じ条件、同じ環境で聴いてもらえるようにしようという想いで製品づくりをしています。そしてその根幹にあるのがビクターです。ビクターブランドであるということでユーザーの方々に安心して選んでもらえるのはメリットかなとも思いますね。

■音楽制作の現場で“スペックの先の領域”を知っている強み

山之内:そうなると製品の完成度も求められてきて、ブランドの責任も重大ですね。

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