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【特別企画】

「どこにもない音を生み出す」− Campfire Audio ボールCEOが語る “モノ作りの信念”

公開日 2016/12/27 17:00 山本 敦
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通常のイヤホンの場合、音導管とアコースティックダンパーによりチューニングを追い込む手法がいわゆるセオリーであるが、Campfire Audioでは、その体積や形状、サウンドポートの位置など音の決め手となるファクターを入念にチューニングした「チャンバー(空気室)」をドライバーの後方に配置して、高域の特性を高めるというユニークなアプローチを採った。結果として「よりシンプルに、狙った音へと追い込めることがメリット」だとボール氏はその効果を強調している。

ダイナミック型イヤホンの高い完成度に強い自信を見せた

インタビューでは、ボール氏のダイナミック型ドライバーへのこだわりも聞くことができた。ボール氏が目指す理想は「アナログレコードのようにスムーズで自然な音を再現できるダイナミック型イヤホン」なのだという。

「例えばVEGAは、クリーンで自然なサウンドと、縦横に立体的な広がりを持つ音場感を特徴としています。ダイナミック型イヤホンの高い完成度については特に自信を持っています」とボール氏は胸を張る。

ハイレゾにも関心。狙うは独自のプレーヤー開発

Campfire Audio、ALO audioからは今後どんな製品が誕生するのだろうか。ボール氏からいくつかの興味深いヒントを引き出せた。

ラインナップの充実、ハイレゾ対応の構想など、未来へ向けて複数プロジェクトが進んでいるという

「いま、未来に向けて複数のプロジェクトが始動しています。まだ具体的には申し上げられませんが、1つはBA型マルチドライバーのイヤホンや、ハイブリッド方式のイヤホンのラインナップをさらに増やしたいと考えています。もう一つ、私たちは“ハイレゾ”にも非常に興味を持っています。ハイレゾ対応のオーディオプレーヤーを作るための研究もスタートしています。当社はALO audioのブランドで、ユニークな真空管方式のポータブルヘッドホンアンプをいくつも商品化してきた実績を持っています。でもプレーヤーは初めての挑戦です。ソフトウェア開発の面でも難しいことは多くあると思いますので、じっくりと攻めていきたいですね。」

インタビューの最後にボール氏から、「ほかのイヤホンとはひと味違う、ピュアで濁りのないクリーンなCampfire Audioらしいサウンドをぜひ楽しんでもらいたい」という日本のファンに向けたメッセージも寄せていただいた。

同社のブースには2日間とも多くのユーザーが訪れ、そのサウンドを楽しんでいた

Campfire Audioのイヤホンは本体の完成度が高いことだけでなく、たくさんの種類のイヤーピースが同梱されていたり、キャリングケースは箱の内側の模様にまで凝っていることにも驚かされる。もちろん高品位なALO audioの上質なケーブルがペアになる。

ユーザーが喜びを感じるあらゆる所にしっかりとケアが行き届いたイヤホンであることが、Campfire Audioが瞬く間に人気を集めた大きな理由であることは間違いないだろう。

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