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<山本敦のAV進化論 第29回>

「ヘッドホンでもDolby Atmos」の可能性とは? モバイル向けドルビーアトモスの詳細を聞く

2014/10/27 山本 敦
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ドルビーラボラトリーズの「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」は、これまでのチャンネルベースをオブジェクトベースに置き換えたことで臨場感を高めたサラウンド技術だ。そのDolby Atmosがモバイル機器向けのヘッドホンリスニングにも拡張されることは、今夏にドルビージャパンが実施した技術説明会でも発表が行われたが(関連ニュース)、9月半ばにアマゾンからDolby Atmosのヘッドホンテクノロジーに対応した初のタブレット「Fire HDX 8.9」が発売されることが明らかになった(関連ニュース)。


今回はドルビーラボラトリーズのシニア・プロダクトマネージャーであるHari Ganti氏とビデオ会議によるインタビューを行い、ヘッドホン向けのDolby Atmosの技術に関する詳細を伺った。技術面の詳細についてはドルビージャパンの白柳 亨氏、木村 玲氏にも説明をフォローいただいている。

Dolby Laboratories Senior Product ManagerのHari Ganti氏(左)とGlobal Public RelationsのGrace Qaqundah氏(右)にビデオ会議でインタビュー

DOLBY JAPAN(株)技術サポート部 ディレクターの白柳 亨氏(左)と技術サポート部 シニア・フィールド・アプリケーション・エンジニアの木村 玲氏(右)


■モバイル向けDolby Atmosが誕生した経緯

まずはモバイル機器向けのDolby Atmos技術がどのような経緯で誕生したのか、Ganti氏に訊ねた。

アマゾンから発売される初のDolby Atmos対応タブレット「Fire HDX 8.9」

「ドルビーでは数年前からモバイル機器でも最新の高品位なサラウンドが体験できるよう、アマゾンをはじめ外部のパートナーと一緒に技術研究からサービスプラットフォームまでエコシステムの構築に取り組んできました。アマゾンとの連携は、2012年に発売されたタブレット『Kindle Fire/Fire HD』にドルビーデジタルプラスを採用いただいた頃から始まっています」。

2012年に発売されたKindle Fire HD

今回取材した10月上旬時点では、まだモバイル機器向けのDolby Atmosコンテンツがどのように提供されるのか決まっていなかったが、消費者は間もなくドルビーアトモス採用コンテンツをオンラインで体験できるようになる。

2月に開催されたMWC2014に出展したドルビー・ラボラトリーズのブースで、技術名を明かさずに「次世代の3Dヘッドホンサラウンドテクノロジー」として展示された技術プロトタイプを試聴することができた。ゼンハイザーのノーマルなヘッドホンで立体感の豊かなサラウンドが得られた

米国ではストリーミングビデオサービスの大手であるVUDUがDolby Atmos対応映画のストリーミング配信を世界で始めてスタートすることを発表している(関連ニュース)。

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