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IPS-3内部処理で22.4MHz DSDに変換して再生

Playback Designsの創始者コッチ氏に訊く、同社設立の経緯と「IPS-3」の革新性

公開日 2014/07/15 10:30 構成:ファイル・ウェブ編集部
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コッチ氏はPlayback DesignsにおいてDSDをフィーチャーしてきた理由について、こうも語っていた。「Playback Designsを立ち上げた当時は、それほど良いDACチップもなかったので、新しい技術として全てのデジタル信号をDSDに変換して、DACチップを使わずにローパスフィルターを通すという方法を採用したのです」。

■最新のUSB入力搭載アンプ「IPS-3」の革新性

Playback Designs「IPS-3」

Playback Designsの最新モデルである「IPS-3」は、USB入力を装備しアンプを内蔵した一体型のオーディオシステムだ。本機はどのような指針の下に開発されたのだろうか。「日本のハイエンドオーディオでは、アンプはプリとパワーに別けるなど、何につけセパレート方式が求められると聞いていますが、欧米ではむしろ一体型が求められているのです」。(コッチ氏)

テクノロジーについては、「MPS-3」をベースにしつつ、アナログ部などにもいくつかの改良が加えられたという。アンプ部については、B classながらゼロクロス歪みをなくし、A級に近い動きをするという独自のアンプ方式を採用した。「強いて何classか挙げるなら、First classです(笑)」とコッチ氏はこのアンプに自信を示していた。

IPS-3のアンプ部を含むアナログ部分は、若きドイツ人エンジニアのBert Gerlach氏
が手がけた。同氏はオーディオアンプのブランドも手がけており、ミュンヘンのオーディオショウなどにも出展するなど、高い評価を得ているという。

コッチ氏はIPS-3の革新性について、自信をみなぎらせていた

また、IPS-3は全ての入力信号を5.6MHzにアップサンプリングして再生することは事前に紹介されていたのだが、今回のインタビューでは、さらに4倍となる22.4MHzにアンプサンプリングしてD/A変換していることも明かされた。

次の新製品として、A/Dコンバーターを検討しているというコッチ氏。DSD再生、ひいてはネットオーディオの最先端を走るコッチ氏とPlayback Designsの動向に今後も注目していきたい。

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