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サムスン「GALAXY J」開発者インタビュー ー 初の国内特別モデル開発の背景とは?

公開日 2013/11/15 10:08 レポート/山本 敦
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日本人の感性に合ったデザインを追求した

GALAXY Jの最大の特徴は、日本人独特の好みにカスタマイズされた本体のデザインだ。

「日本人の美意識や価値観、スマートフォンを使う環境、コミュニケーションの方法などにフィットしたデザインを追求しました。デザインを起こす上で、日本市場の独自性を入念に調査しながらデータベースをつくることにも力を入れてきました」(林氏)

GALAXY S4(SC-04E)はオーガニックがコンセプトという、ラウンドコーナーのデザインを採用

GALAXY Jの本体デザイン、カラー、マテリアル、フィニッシュの決定に携わってきた林氏

グローバルモデルと全く異なる日本独自のデザインをつくるにあたって、サムスン本社のチームと意識を共有していくことの難しさもあったという。「日本人と韓国人は、製品の色や形に対する好みや感性の部分が近いようで、実際には大きく異なっています。従って、本社スタッフとのコミュニケーションを上手に取ることが重要でした。互いの価値観のギャップをどうすれば埋められるのか、言葉だけでは伝わりきらない部分については様々な例を引き合いに出しながら、根気強く説明しました」(林氏)

こうして完成したGALAXY Jの本体デザインは、林氏が率いる日本のデザインチームの手によって完成された。外観のスタイルはグローバルモデルが「オーガニック」をコンセプトとしたラウンド形状であるのに対して、GALAXY Jはシンプルなスタイルの方が日本人の好みに合うという考え方から、ボックス/スクウェアタイプのデザインになった。

本体の奥行きサイズは8.6mm

本体のマテリアルも、Sシリーズが高級感を出すためにメタル素材を多く使っているのに対して、日本モデルではより親しみやすさと若々しさを出すために、メタルを少なめに、PS射出成形素材をメインに使いながらシンプルに仕上げている。

筐体を手に持ったときのフィット感についても、日本人の感性に合わせて作り込まれている。「ボックスフォルムであれば、エッジへの指の掛かり具合もスムーズです。実際手に持ってみると5インチの画面サイズの大きさが気にならないという声もいただいており、これは本体の形状が大きく左右している部分でもあると思います」(林氏)

こうしてSシリーズとの差別化を図りながら、親しみやすさをコンセプトにデザインを固めてきたGALAXY J。狙っているユーザー層を林氏に訊ねた。

「サムスンのスマートフォンの中で、GALAXY Jの位置づけはハイエンド機です。しかし一方で、現在日本の店頭に並んでいるスマートフォンは、実質ハイエンドモデルばかりで、価格差もほとんどありません。その中で従来通りのデザインにしてしまうと、GALAXY S4との差別化も難しくなります。GALAXY Jでは、デザインをライトで親しみやすいものにガラリと変えることで、女性や若年層など、新しいユーザーを広げたいと考えました」(林氏)

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