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東芝・本村裕史氏インタビュー

4Kテレビの売れ行きは? 東芝に聞く4K REGZAの手応えと今後の戦略

公開日 2013/07/19 10:18 インタビュー:山本敦
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■設置性の高さもZ8Xシリーズの魅力


4KテレビをZシリーズとして発売した意義を力説する
Z8Xシリーズは東芝にとって、第2世代の4Kテレビ。東芝は4Kテレビを先導してきたというイメージが強いが、Z8Xシリーズは「次の4Kモデル」を作ろうとしてスタートしたモデルではない、と本村氏は強調する。

「それとは逆に、“Zの大画面モデル”を作る時期が来た、という考え方でした。多くの方々が“薄型テレビから薄型テレビ”への買い換えを検討する時期になり、55型よりさらに大きなZシリーズが欲しい、という声を多く頂きました。Zは美しい映像や充実した機能で、お客様に“最高のテレビ”を味わって頂くシリーズ。そして最高の画質を得るためには4K技術が必要でした。発想の順番が逆なのです」。

テレビの買い換えは「薄型から薄型」が一般的になってきた。「薄型テレビ買い換えを検討されている最近のお客様は、ステップアップのイメージを明確にお持ちであることが特徴です。中でもご要望として多いのが“画面のサイズアップ”です」と本村氏。そういった大画面化を求めるユーザーに向け、Z8Xシリーズがアピールできるポイントは多いと語る。

その一つがスペースファクターの強みだ。生活空間に溶け込むミニマルなデザインはZシリーズが脈々と受け継いできたコンセプトだが、Z8Xシリーズではベゼルの幅を可能な限り狭め、全体の横幅を抑えながら大画面を実現している。


Z8Xシリーズは84型、65型、58型の3サイズ展開。いずれもベゼルが細く、設置スペースが少なくて済む
「大型テレビの購入を検討される際、多くのお客様が『リビングに入るだろうか』ということを気にされます。一方でお客様は、できる限り画面の大きいテレビを求めています。そこでフレームを思い切り細くし、これまでとほぼ同じ設置スペースのまま、テレビのサイズアップが可能なことをアピールしています」。

今から約7〜8年前に発売された大型テレビは、ディスプレイの左右に専用スピーカーを備えた製品も多かった。アンダースピーカーで狭ベゼルのZ8Xシリーズなら、それと変わらない設置スペースで、より大きな画面サイズのレグザを設置できる。本村氏は「7〜8年前のの40型クラスのプラズマテレビと同じスペースで、58型の58Z8Xが置けます」とアピールする。

そして大画面になればなるほど、4K高画質技術が大きなポイントになる。多くのユーザーからのニーズを汲みながら進化してきたZシリーズが、4K技術を搭載して大画面化へ向かう流れは必然と本村氏は語る。

「先程も申し上げたように、今から約2年前までは、Zシリーズの最大サイズは55型でした。でもそれは、一般のお客様が60型を超える大画面テレビを買うことが普通ではなかったからです。『薄型でもっと大きな画面のテレビが欲しい』と考えるお客様が増えている今、Zシリーズが大画面化するのは自然な流れだと考えています」。



東芝にとって、もはや4Kテレビは「次世代テレビ」ではない。そのことは4Kパネルだけでなく、「タイムシフトマシン」やクラウドサービス「Time On」など、レグザがこれまで培った機能をフル搭載したZ8Xシリーズが証明している。

インタビューの最後に、REGZAの次の展開について本村氏に尋ねたところ「4K大画面やタイムシフトマシンをはじめとした機能が、日々の生活をどれほど充実させられるか、繰り返しアピールし続けていくことが大事」と答えてくれた。また4Kコンテンツについてはあくまで「テレビ放送やブルーレイなどが基本」としながらも、写真表示や、PCゲームも4K高画質で体験できることなども強調していきたいとした。

今後、4Kテレビはますます当たり前のものになるだろうが、それこそがゴールである、というのが東芝の姿勢なのだ。


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