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「DRAGONFLYは一般層にまで届いた」

AudioQuest、ヘッドホンに参入へ − アジア・パシフィック担当幹部インタビュー

公開日 2013/02/22 17:34 ファイル・ウェブ編集部
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■改良が加えられた新スピーカーケーブル「Castle Rock」

AudioQuestの強みのひとつは、ケーブルのデジタル/アナログを問わず、一貫して先進的な音質追及を行っていることだ。同社のスピーカーケーブルは、ミドルクラスで従来2モデルがラインナップされていたが、これを1モデルに統合。よりリーズナブルで高性能な製品とし、さらに技術的改良を行った。それが単線PCS+導体を採用し、72V DBSを採用した「Castle Rock」だ。

「Castle Rock」で採用された新技術について語るShade氏

スピーカーケーブル「Castle Rock」

「改良点のひとつは、スピーカーの+/−の2線の分岐点のカバーです。我々はこのパーツを“ブレイクアウト”と呼んでいます。従来品はブレイクアウト部が金属製だったために、磁気歪みが起きていることがわかりました。これを自動車などで使われるABS樹脂に変更すると、非常に音が良くなったのです。さっそく「Castle Rock」ではこの変更を加えましたが、今後、我が社のケーブルのブレイクアウト部は全てABS樹脂にしていく予定です」(Shade氏)

さらに、ケーブルのバナナプラグとスペード(Yラグ)にも改良が加えられた。「Signature Banana」「Signature Spades」と名付けられたことからもわかる通り、同社はこれらを最高峰に位置づけ、さらに上位のモデルでも採用していくという。

「プラグには、最高級の“レッドカッパー”(銅の一種)を使っています。レッドカッパーでできたプラグを、溶解した銀にディップして(浸して)冷やすと、このような銀色になります。さらに、プラグの根元の筒の部分には、さきほどのブレイクアウト部と同じ理由でABS樹脂を新採用しました。」(Schuetz氏)

一般的なプラグにおいては、ニッケルのコーティングによるメッキを行う。しかし、その方法は音質劣化につながるため、今回は「銀にディップする」手法が採用された。また、レッドカッパーも銀も柔らかい素材なので、端子でプラグをかしめる際の密着性が高まり、音質向上に寄与するのだという。

AudioQuestの製品開発における基本的なスタンスは、「実際に音を聴いて、良いほうを選ぶ」ことだとSchuetz氏は語る。今回のプラグの変更でも、同様の視聴と改良が重ねられた。また、あるケーブルの開発過程で実現した技術は、他のケーブルにも積極的に採用していくという姿勢を一貫してとっている。

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