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公開日 2025/08/01 09:23
トータルマネージメントが可能な家庭用の全館制御システム

ルートロンから家庭用に特化したハイエンド調光システム「HOME WORKS」が登場

遠藤義人

東京・青山に新しい新しく完成したルートロンアスカのショールームには、マナトレーディングのショールーム同様、調光システム「Athena(アシーナ)」がインストールされていた。しかしこのたび、家庭用に特化したハイエンド調光システムをローンチすべく準備中とのこと。さっそくその概要について聞いてきた。



「HOME WORKS」導入住宅のイメージ


“一棟まるごと制御”の「HOME WORKS」が国内で再び本格展開


本格稼働に向けて準備中のシステムの名は「HOME WORKS(ホームワークス)」。なんだか耳にしたことがあるなと思っていたら、実は2003年より、光や電動カーテンから空調設備等までトータルマネージメントできる家庭用全館制御システムとして、商品自体は存続/進化しており、日本での取り扱いが一時途絶えていただけ。その間日本では、おもに商業施設向けながら似た機能を持つAthenaを流用していたという。


確かに2003年の日本において、CRESTRON(クレストロン)やAMX(エーエムエックス)といったホームオートメーションシステムの導入は、ハイエンドなホームシアターのカスタムインストール分野ではもてはやされていたものの、HOME WORKSのような “一棟まるごと制御” という概念は、まだ馴染みが薄かっただろう。実際、当時の日本国内での導入実績は50件ほどにとどまっていたのだそう。


しかしご承知の通り、昨今の日本では再開発ブームが加速。超高級集合住宅やレジデンスを大手デベロッパーらが手がけるようになり、一気にHOME WORKS導入に相応しいマーケットが成熟してきたというわけだ。


したがって、2003年以来絶えずアップデートされてきていたホームワークスを日本国内でも再び本格展開することで、ニーズに応えることと相成った。










Athenaとは何が違う? オーディオビジュアルの操作も標準搭載


Athenaは、比較的規模が大きい建築物の照明とカーテン制御が可能という点で、商業施設向けでありながら、レジデンスでの制御に向いている。


これに対し、元来家庭用に作られているHOME WORKSには、照明やカーテン制御のほかにも、オーディオビジュアルの操作やセキュリティ、空調制御、音声アシスタントといったプロトコルも標準で組み込まれている。さらにAthenaにはない機能として、電動カーテンのみならずウッドブラインドにも対応しているなどの点が挙げられる。



Athena操作画面)




提携ブランド一覧


これらはすべて、専用のルートロンアプリで操作できる。また、家庭用をイメージした優しいデザインの多様なキーパッドが使えるのもうれしいところ(PSEや電波法に抵触するモノを除く)。



HOME WORKSアプリの操作画面







キーパッド「アリース」(左)/「サーモスタット」(右)



本国ではレジデンスなどのオーナーに向けた体験アプリが用意されているというので、実際にどのように制御できるのかシミュレーションしてもらった。日本からはアプリをダウンロードすることは現在のところ不可だが、いずれ日本向けにもリリース予定とのこと


出荷は来年以降。心身ともに “日々豊かな暮らし” の指標となるか?


さて、気になる製品の出荷タイミングだが、来年以降になりそうとのこと。もっとも、竣工に向けたプランニング自体はすでに進んでおり、すでに引き合いが続々来ているという。


GAFAを中心とした音声制御などによって、この5・6年に普及したかに見えたホームオートメーション。日本ではアメリカほど普及しているとはいえず、家庭では赤外線リモコンが中心かもしれない。だが、Wi-Fi設定など朝飯前のスマホ世代にとっては親しみやすいDIYの世界が身近に迫っているのは間違いない。


一方で、ハイセンスな家具を選ぶのと同様に、居心地のいい住宅の基本仕様として、こうしたハイエンドのホームオートメーションシステムは再び脚光を浴びるとも考えられる。照明と外光制御、全館空調、マルチルームオーディオ、セキュリティなど、日々の暮らしを快適かつ心豊かに過ごすための住宅設備のあり方は、もはや時代の要請といえそうだ。


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