ルートロンの新ショールームで、光環境コントロールの進化を体感!
映像を扱うホームシアターで、テレビやスクリーンの画質とともに重要なのが、視聴する部屋の光環境だ。そして、それをコントロールする “調光器” の元祖といえばルートロン。ブランドについては昨年レポートしたが、このたび東京・青山に新しいショールームがオープン。さっそくお伺いした。

ルートロンを取り扱うルートロン アスカ(株)の新ショールームは、新青山ビルの一角にある。ほんとうにこんな駅直結にあるの?とキョロキョロしながらオフィスビルを上がっていくと、静かな廊下の奥におなじみの看板を発見。
「LUTRON EXPERIENCE」と称するこのショールームは、エントランス、廊下、会議室、プレゼンテーションルームで構成されており、照明とカーテンの動作を文字通り体感できる仕組みになっている。
複数種の照明をミックスしても違和感のない自然な調光

さっそく広いプレゼンテーションルームで、デモンストレーションを体感させていただく。と、いきなり、真っ暗な中に蝋燭のような灯火が1本という、リドリー・スコット監督の映画のような世界に。
これは、若手の建築家やデザイナーさんの中には「物心ついた頃にはLEDの時代に切り替わっていたという方もおられるはず」と踏んで、ルートロンと調光の歴史のはじまりである白熱照明の消え際の美しさをインプットしてもらおうという趣向だという。

白熱灯は、明るいときは色温度が高く(青白い寒色)、暗くなると色温度が低く(オレンジ系の暖色に)なる。一方LED照明の多くは、明るさにかかわらず色は一定で、光の消え際では持ちこたえられずストンと消えてしまう。
この点、ルートロンの調光器を使えば、LED照明であっても自然に調光が掛けられる。特に、白熱灯と同様の ”消え際” を再現できるかが見所だ。実際、このプレゼンテーションルームにて、画像左にある白熱灯と同時に調光を掛けても、まったく不自然さは感じられなかった。


人にとって心地よい「サーカディアンリズム」を再現する
前述のように、白熱灯は照度とともに色温度も自然に変化する。一方LED照明は、照度と関係なく自由に色温度を変えることができる。そのため、たとえば照度は同じのまま色温度を5000Kから1800Kまで下げて、明るさを保ちつつ温かみを感じられる照明をつくることも可能になるのだ。
しかし、体験してみればわかるが、高い照度で低い色温度にすると、灼熱地獄かサイケデリックな怪しいお店にでも入り込んだかのような異常な心理状態に陥ってしまう。心地よい日常生活を送りたいなら、照度と色温度の両方を適切に組み合わせることで、自然光と同じような光環境を再現することが大切だ。この考え方は、人類が生まれ持った生体リズムに沿った「サーカディアンリズム」に基づくものである。
早朝、夜が徐々に明けてから夕暮れまでの光環境が、人間の健康な生活リズムを形作る。ルートロン創始者であるJoel Spira(ジョエル・スピラ)博士は「室内光=照明のみならず “外光=自然光” も一括制御しなければ、真の調光とはいえない」という考え方を、当初より持っていた。サーカディアンリズムの発想が当初からあったというわけだ。

そのため、カーテン制御による外光のコントロールと、照度だけでなく色温度も自然な照明のコントロール、この2つが合わさった「内外の調光」により、光のトーンが一致している——それを実践しているのが、このショールームなのだ。



美しさと使いやすさを共存させるシステム&アイテムを多数体験
ほかにも、LUTRON EXPERIENCEでは、複数の電動ロールスクリーンを同時に下ろした際、裾を一直線に揃える独自の「インテリジェント・ヘンバー・アライメント(IHA)」機能を体験できたり、以前のショールームにはなかったカーテン生地やウッドブラインドも展示されていたりと、見所がいっぱい。おもにインテリアデザイナー、建築家、設計事務所などが訪れる場所だが、検討/契約中の一般ユーザーも同行が可能とのこと。物怖じせず問い合わせてみてほしい。









次回は、これまでの「アシーナ」に代わるラグジュアリーレジデンス向けシステムとして、光、電動カーテンから空調までまるっと制御する「HOME WORKS(ホームワークス)」ローンチの話題についてレポートする予定なので、ぜひお楽しみに!
関連記事
お問い合わせ先
「LUTRON EXPERIENCE」(ルートロン アスカ株式会社)
・場所:東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館14F
・営業時間:10時00分 – 17時00分(完全予約制)
・定休日:土、日、祝
・電話:0120-083-417