TCL、独自高画質化技術「SQD-Mini LED」搭載の4K液晶テレビ「X11L」「C8L」「C7L」
独自の「SQD-Mini LED」を採用した4K液晶テレビ「X11Lシリーズ」を含めた全3シリーズを5月21日に発売
4K液晶テレビにおいて、Mini LEDバックライトと量子ドット技術を組み合わせた「QD-Mini LED」をいち早く製品化したTCL。業界の技術水準を押し上げ、次世代高画質を切り拓くリーダーとしての存在感を高めている。
Mini LEDは、多数の小さなLEDをバックライトとしてパネル直下に配置することで、高輝度化と多分割ローカルディミングによる高コントラスト化を実現した技術。2026年は、進化したMini LEDバックライトと、独自の研究開発および生産体制で成し得た量子ドット技術「SQD」(Super Quantum Dot)の組み合わせにより、さらなる高輝度と広色域を高い次元で両立した新技術「SQD-Mini LED」を導入した。
独自の「SQD-Mini LED」を採用した4K液晶テレビ「X11Lシリーズ」を含めた全3シリーズを5月21日に発売
「SQD-Mini LED」を搭載した4K液晶テレビのフラグシップモデルとして “X11Lシリーズ” をリリースし、最先端かつ最高峰の映像美に挑む準備が整った。本稿では、「SQD-Mini LED」の特長を解説するとともに、その比類無い高性能を最高の状態で味わうことができるX11Lシリーズの魅力を、画質・音質の徹底レビューとともに紹介する。
グループ企業として世界有数規模の映像パネル工場も擁するTCLは、ありとあらゆるタイプのパネルの研究開発および生産も手掛けている。
現在テレビ向けの大型液晶パネル用としては、「Mini LED」が先進的で、派生として「RGB Mini LED」も存在するが、TCLがフラグシップモデルのX11Lシリーズで採用したのは、「Mini LED」を独自のSQD技術で順当に進化させた「SQD-Mini LED」だ。
その理由は、高輝度化と広色域化を果たしつつ、高画質の根幹と言える「忠実な再現」を約束できることであり、映像を構成するカラー発光の要素、つまり根本から洗練させた骨太な技術であるからだ。
光源であるLEDは「第三世代半導体窒化ガリウム」材料の採用で高効率化を果たし、高輝度化と低消費電力に貢献。そして量子ドット技術は、フィルターとは異なり、光のロスを抑え、青色光を緑色や赤色といった波長が長くなる側の色に変換できるので非常に画期的だ。
TCLは多数の特許技術を持ち、独自生産も可能であることが強みのひとつ。SQD技術では波長変換がより精密になり、また赤色の波長を従来よりも長波長方向にシフトすることで、緑色と赤色の分離度をアップさせている。
さらに最終的に色をコントロールするカラーフィルターの特性も最適化。結果、HDR時代の超高色域規格であるBT.2020のカバー率100%を実現した。
何より大切なのは、根本からの改善なので、画柄によらずカバー率が維持されること。いつでも安定してBT.2020を満たす色鮮やかかつナチュラルな映像美への基礎体力が、「SQD-Mini LED」の特長であり、フラグシップモデルで採用された理由なのだ。
X11Lシリーズの最大のトピックはもちろん「SQD-Mini LED」だが、それを活かし映像体験、コンテンツ体験として引き上げる総合力が重要だ。最上位機種にふさわしく、TCLが培ってきた多くの画質・音質技術が、最新版へと進化して凝縮されている点は見逃せない。
まず映像エンジン「TSR AiPQ Processor」は、AIベースの高画質化処理機能を備え、映像内容をリアルタイムで解析し、シーンごとに最適化するのが特徴だ。
対象となる項目は多岐に渡り、コントラスト、精細感、色彩表現、動きの滑らかさなど、幅広い項目を網羅。AIの認識精度と、認識後の処理の方向性や精度が画質体験を左右するので、ここは実際に視聴により確認したい。
パネル自体も進化していて、最新の「WHVA 2.0 Ultraパネル」(倍速対応)を採用。VAパネルの高コントラスト性能を維持しつつ、VAパネルの弱点とされてきた視野角性能の改善を図っているほか、表面の映り込みも大幅に低減している。
また、さらなる高コントラスト化と高画質化には、「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」が威力を発揮。ソフトウェアで輝度分布を分析および調整する「マイクロディミング」、実際にLED発光を制御する「ローカルディミング」に加え、AI活用によりローカルディミングの弱点とされてきた光漏れによるハロー現象を抑えるもの。
HDRフォーマットは、Dolby VisionおよびHDR10+といった最新世代のフォーマットに対応しており、本機の最大ピーク輝度10,000nitsの実力を確かめるのが楽しみだ。
ほか、製品として「ウルトラスリムデザイン&Virtually ZeroBorder」を採用。画面を取り囲む縁が極めて細く、超大画面の映像と比較すると正に「ゼロ」と思える水準で、映像に枠を感じずコンテンツに没入することができる。
サウンドは、Dolby AtmosやDTS:Xといった立体音響フォーマットへの対応はもちろん、「Audio by BANG & OLUFSEN」を冠し、名門オーディオブランド監修による高音質システムの搭載も推したい。
サブウーファーを擁した大迫力システムで、さらに同社のサウンドーバーとの連携による発展性もユニークだ。画と音の融合によって、最高峰の映像体験を期待させてくれる。
X11Lシリーズは、98型/85型/75型といった大画面サイズを中心にラインナップする。画質・音質レビューでは、最大サイズの98型「98X11L」でクオリティチェックを行った。
まず、画面の前に立つと、そのスケールに圧倒される。最近では75型や85型が店頭にも並んで超大画面を目にする機会が増えてきたが、98型は視野を覆い尽くし、数字以上のインパクトを感じるのだ。
パネルは「WHVA 2.0 Ultraパネル」で表面の反射率が0.5%と低く抑えられているので、自身や背景の映り込みが気になり難い。一方で少し艶があるお蔭で、物体としての圧迫感が少ないのもポイント。
テレビはオフにしている時間もあるので、「ウルトラスリムデザイン&Virtually ZeroBorder」も併せ、インテリアとの調和が心地よく感じる。
実際の映像は、まず基本能力を探るべく、『Spears & Munsil Ultra HD ベンチマーク』(Ultra HDブルーレイ)を用い、デモ映像で確認。
冒頭、冠雪しや山に日が差すシーンは、雪景色で平均輝度が高い、言い換えると画面全体が白く明るめの画柄だが、超大画面でも画面全体が力強くさらに、山頂付近に差す陽光の輝きが実在感を増し、ほのかな色の変化が実在感を高める。
LEDの進化による画面全体の輝度アップとピーク輝度のアップは確かで、日中の明るめのリビングでも、立体的でリアルな映像美が楽しめるはずだ。
青空に雲が浮かぶシーンは、Max CLLを変更しても見え方に違和感を覚えず、10,000nits収録映像で破綻が見られないのも見事。青空は透明感のあるスカイブルーとグラデーションをキープし、雲は太陽に照らし出されるピーク付近もディテールが豊かだ。
画面輝度がアップしたことで表現の幅が広がっていることに加え、トーンマッピングの巧みさは「TSR AiPQ Processor」の恩恵が感じられ、終始ナチュラルな映像美が得られるのは大きな魅力。高輝度化と広色域化を果たしつつ、没入できる映像に仕立てている見識の高さ、画心の確かさに本物の風格を感じた。