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公開日 2026/09/09 17:00
東京駅前初の本格的な劇場「東京建物 ぴあ シアター」もオープン

東京駅の新名所「TOFROM YAESU TOWER」9/10に開業。岩井俊二監督による「人魚の街」アートプロジェクト始動

編集部:筑井真奈

東京駅八重洲口の大規模再開発によって誕生する新街区「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」。その中核施設「TOFROM YAESU TOWER」が、2026年9月10日に開業する。


八重洲地下街「ヤエチカ」を介して東京駅と直結。開業に先駆けてメディア向け説明会・内覧会が開催され、施設の全貌が公開されるとともに、映画監督・岩井俊二氏によるアートプロジェクト「人魚の街」のプロジェクト概要についても説明がなされた。



TOFROM YASESU TOWERの入口


TOFROM YAESUは、東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発事業によって整備される新街区。オフィスや商業施設に加え、劇場、カンファレンス、医療施設、バスターミナルなど、多様な都市機能を集積する。


施設名称の「TOFROM」は、英語の「TO」と「FROM」を組み合わせた造語。日本や世界からさまざまな人、モノ、情報がこの場所へ集まり、そこで新たな価値が生まれ、再び街から世界へと発信されていく、という思いが込められている。



吹き抜けも活用した開放的な空間となっている


約25年をかけて進められた八重洲の再開発


説明会には、東京建物(株) 代表取締役 社長執行役員の小澤克人氏が登壇。TOFROM YAESUの開発背景と施設の概要について説明した。


再開発前の八重洲一丁目には、細分化された土地に老朽化した建物や細い路地が残り、大小さまざまな店舗が軒を連ねていた。本事業では約250名の権利者とともに、およそ25年という長い時間をかけて再開発を進めてきたという。



東京建物の代表取締役 社長執行役員 小澤克人氏


小澤氏は近年、建築コストの急激な上昇によって各地の再開発計画が延期や中止を余儀なくされていることにも言及。一方で、災害が激甚化するなか、都市機能の更新は防災の観点からも不可欠であるとして、今後も街の再生を着実に進めていく考えを示した。


TOFROM YAESUが掲げるコンセプトは「人・場所・時をつなぐ」。世界から人や企業を迎え、人と人との交流を生み出すとともに、八重洲の歴史を継承しながら新しい時代へ進化していく街を目指す。


地上51階、八重洲最高層の「TOFROM YAESU TOWER」


今回開業するTOFROM YAESU TOWERは、地上51階建ての大規模複合施設。オフィスを中心に、商業施設、劇場、カンファレンス、医療施設などを備える。


3 - 6階には劇場およびカンファレンス施設を整備。劇場は東京駅前では初となる本格的な劇場として、演劇、ミュージカル、音楽ライブなどを誘致し、これまで東京駅周辺では不足していたエンターテインメント・文化の発信拠点としての役割を担う。



TOFROM YAESU TOWERは大型のシアターも備えており、演劇、ミュージカル、音楽ライブなどを誘致するエンターテイメントの拠点となることも目指す




東京建物 ぴあ シアターの入口


カンファレンス施設には最大828席を収容できる大ホールなどを用意。大規模ビジネスイベントに加え、地域の祭りや交流イベントなどにも対応する。


岩井俊二氏が描くアートプロジェクト「人魚の街」


TOFROM YAESU TOWERでは、施設全体を舞台にしたパブリックアートプロジェクト「人魚の街」も展開する。プロジェクトの核となるオリジナルストーリーを手掛けたのは、『Love Letter』『スワロウテイル』などで知られる映画監督・岩井俊二氏。説明会では岩井氏と、プロジェクトをプロデュースした彫刻の森芸術文化財団の坂本浩章氏が登壇した。



彫刻の森芸術文化財団の坂本浩章氏(左)と映画監督の岩井俊二氏(右)


プロジェクトの出発点となったのは、TOFROM YAESUの「人・場所・時をつなぐ」というコンセプトを、アートによってどのように表現するかという問いだったという。


そこで、館内に点在する作品を単に個別のパブリックアートとして設置するのではなく、一つの物語によって結びつけるという手法を採用。総合芸術である映画を手掛ける岩井氏が物語を作り、そこから8組のアーティストがそれぞれインスピレーションを得て作品を制作した。


岩井氏は、今回のプロジェクトに参加するまで八重洲について「東京駅の八重洲口」という印象が強かったと振り返る。しかし実際に街を歩き、歴史を調べていくなかで、高層ビルの間に昔ながらの風景が残るなど、「古いものと新しいものが共存する不思議な街」と感じたという。


「人魚」という不老不死の存在から、八重洲の過去と未来を見る


物語の中心に「人魚」を据えた理由について岩井氏は、歴史ある街と未来を一つの視点から見渡す存在が必要だったと説明する。そこで、長い時を生きる「不老不死」の存在として人魚を登場させ、過去から現代へと時代を横断する物語を構築した。



パブリックアートプロジェクト「人魚の街」


岩井氏によるストーリーを起点に、8組のアーティストがそれぞれ異なる技法やメディアで作品を制作。岩井氏自身も、具体的な人物や出来事を描いた物語から、それぞれの作家がどのようなイマジネーションを引き出すのか興味深かったと振り返った。



8組のアーティストが「人魚の街」からインスパイアされたそれぞれのアート作品を制作




井口皓太氏による「Tides of time」。時間のループをモーショングラフィックで表現している


館内では作品とともに物語を読むことができるほか、特設ウェブサイトにはウェブ限定のエピソードも用意される。時代劇的なものからSF、青春小説を思わせるものまで、多彩なテイストを取り入れ、幅広い世代が楽しめる作品を目指したという。


岩井氏は八重洲の未来について、ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」にも触れながら、昔から存在するものの美しさを大切にしつつ、まだ誰も知らない未来へと進んでいくことへの期待を語った。



TOFROM YAESUの未来への期待を語る岩井氏


TOFROM YAESU TOWERでは、9月10日の開業に合わせ、18日までオープニングイベントを開催する。東京駅という日本最大級の交通拠点を背後に、八重洲、日本橋、京橋、銀座へと人の流れをつなぎ、さらに国内外へ新しい文化や価値を発信する拠点となりそうだ。



飲食店を中心に68店舗が集結。多様な個性が集積する拠点としてのTOFROM YAESUの未来に期待が高まる


 

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