エミライは、同社が取り扱うFIIOブランドからUSB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「QX13」を9月12日（金）より発売する。価格はオープンだが、カーボンファイバーバージョン（Black）が税込39,600円前後、アルミニウム合金バージョン（Titanium Gold）が税込35,860円前後での実売が予想される。

“QXシリーズ”は、同ブランドポータブルヘッドホンアンプの新しいシリーズ。第1弾となるQX13は、2024年2月発売の「KA17」の上位に位置する最上位モデルで、10年以上にわたって培った技術や知識を集結させたとアピールしている。

新しい内部構成と最適化されたオーディオ回路、効率的な放熱により、デスクトップモードにおいて据置型ヘッドホンアンプに匹敵する高出力を誇りながら、消費電力を大幅に削減している。

DACチップには、ESS製“Sabre Proシリーズ”の最新フラッグシップ8chDAC「ES9027PRO」を搭載。超低ノイズレギュレーター「ES9312」を組み合わせることで、各チャンネルの高精度な出力マッチングを実現。正確にオーディオ信号を伝達するとしている。サンプリングレートは、PCM 768kHz/32bit、DSD 512のネイティブ再生および MQAフルデコードまで対応する。

ヘッドホンアンプ回路は、前段に「OPA1692」を2基、後段に「INA1620」を4基という合計6基のTI製オペアンプを搭載。特別に設計された内部レイアウトによりも相互干渉の低減を図っており、どのような使用環境においても優れたダイナミクス性能を実現するという。

デジタル部とアナログ部は多層シールドによって分離し、ノイズ干渉の抑制や効率的な放熱処理を実現。そのほか、フェムト秒水晶発振器を2基実装したD/A変換、LPFによる電圧増幅、バッファによる電流増幅、並列増幅による電流拡張などの採用によって、据置型ヘッドホンアンプに匹敵する高出力と高音質を実現しつつ、消費電力の削減を図ったという。

特に「デスクトップモード」においては、KA17との比較で最大出力は900mWと約46%向上。一方で消費電力は約23%の省電力を実現している。

2024年12月にKA17用に発売されたミニモバイルバッテリー「E-Stick」に対応。これによって、独立USBポートからの外部給電によりアンプ出力を高める機能である「デスクトップモード」を、コンセントのない環境でも使用可能となる。

そのほか機能面では、Androidアプリ「FiiO Control」やWebアプリによるPEQ調整に対応するほか、ボリュームコントロールが60段階と120段階の2パターンから選ぶことができる。USBデコードはUAC1.0モードをサポートし、ゲーム機との接続にも対応する。

出入力端子は、USB Type-C入力／3.5mmシングルエンド出力／4.4mmバランス出力／3.5mm4極S/PDIF出力を搭載。USBインターフェースはXMOS「XU316」をサポートする。

筐体は、カーボンファイバーバージョン（Black）とアルミニウム合金バージョン（Titanium Gold）の2種類から選択可能。カーボンファイバーモデルは最大21層となっており、軽量でありながら優れた耐久性を実現。ユニークな質感と高級感のあるデザインであると同時に、ノイズ干渉の抑制や耐熱性の向上にも寄与しているという。なお、カーボンファイバーバージョンは、グリップの快適性と視覚効果を高めるべく表面にUVニス処理が施されているため、同梱のレザーケースと併せて使用し、硬いものとの摩擦による傷を防ぐよう推奨されている。

ディスプレイには、コーニング社製の第三世代高強度ガラスを採用した1.99型IPSを実装。オーディオドングルとしては異例の耐久性と対傷性を実現すると説明している。UIには、32bitプロセッサを搭載しつつカスタマイズも可能な新開発のテーマを採用。明瞭な視認性と快適な操作感を提供するという。

接続ケーブルには、単結晶銅芯線6本、銀メッキ単結晶銅芯線2本の合計8芯線構造の特製ケーブルを付属。純粋で高解像度な音楽再生に貢献するとしている。また、マグネット式レザーケースも同梱。マグネット対応のスマートホンと組み合わせたり、付属のリングマグネットシートを使用したりすることで、追加の専用ケースなしでデバイスに固定することができる。

外形寸法は約64.2W×30.7H×13Dmm、質量はカーボンファイバーバージョン（Black）：約33.7g／アルミニウム合金バージョン（Titanium Gold）：約39.2g。付属品としてマグネット内蔵レザーケース、USB Type-C to Cケーブル、リングマグネットシートなどを同梱する。