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「Dolby Vision 2」発表、映像エンジン再設計・コンテンツ最適化調整。ハイセンスのテレビが初採用
ファイルウェブ編集部Dolby Laboratoriesは、新たな映像技術「Dolby Vision 2」を発表した。画質を向上させるための、業界をリードする進化とアナウンスしている。
Dolby Visionは、もともとHDR映像を記録するための規格として2014年に登場した。その後2020年には、コンテンツのメタデータに加え、周囲光センサーを使って自動画質調整する「Dolby Vision IQ」などを発表していた。
Dolbyのエンターテインメント担当シニア・バイス・プレジデントであるジョン・クーリング氏は、「Dolby Vision 2は、Dolby Visionの考え方を再定義し、最新テレビの能力をフルに引き出すと同時に、アーティストにクリエイティブの限界をこれまで以上に押し広げる前例のない機会を提供」すると述べている。
Dolby Vision 2には、再設計しさらに強力になった映像エンジンが使われる。新エンジンとDolby Visionのコンテンツエコシステムを組み合わせることで、テレビの能力をさらに引き出せるという。
またDolby Vision 2には「Content Intelligence」という機能も追加される。この機能では、視聴コンテンツや視聴場所に応じて、映像を自動的に最適化する。現在のテレビの特性に応じた新たなトーンマッピングを導入しているという。
Content Intelligenceにはそのほか、映像を暗くしすぎずに暗部の視認性を改善させる「Precision Black」、環境光を検出し、コンテンツの基準データと照らし合わせて画質を調整する「Light Sense」、そしてスポーツやゲームコンテンツのため、特別に設計されたホワイトポイントの調整やモーションコントロールなどの新たな拡張機能などが含まれる。
そしてDolby Vision 2には、「Authentic Motion」という注目すべき新技術も搭載される。これは、ショット単位で不要なジャダーを取り去りながら、シーンをよりオーセンティックな映画らしく表現できる、世界初の「クリエイティブ主導型モーションコントロールツール」技術という。映像制作者の意図を反映させながらモーション制御する点が特徴のようだ。
Dolby Vision 2は、2つのグレードが存在する。上位の「Dolby Vision 2 Max」は、最高性能のテレビで最高の画像を実現するためのプレミアム機能という位置づけ。通常の「Dolby Vision 2」は、新たな映像エンジンとContent Intelligenceによって可能になった、次世代の中核技術を提供するという。
なお、このDolby Vision 2を導入する最初のテレビブランドはハイセンスとなる。ハイセンスのテレビには、Dolby Vision 2を統合した「MiraVision Pro」PQエンジンを搭載した初のシリコンチップとして、MediaTek製のPentonic 800を搭載している。またこのテレビは、バックライトにRGB-MiniLED技術も採用している。テレビの発売時期や価格などは後日発表されるとのことだが、IFAの開催が近いため、IFAでなんらかの発表や展示が行われることが期待される。
またコンテンツでは、CANAL+が、映画やテレビ番組からライブスポーツまで、様々なラインナップをDolby Visionで強化することを表明している。
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