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【ポタフェス】アユートブースは過去最大規模!ハイエンドからエントリーまで多彩な新製品が顔見せ
編集部:成藤正宣本日7月12日(土)と13日(日)の2日間、東京・秋葉原のベルサール秋葉原にて、e☆イヤホン主催のポータブルオーディオ展示試聴会「ポタフェス2025夏 秋葉原」が開催されている。会場に集う140以上のブランドのうち、本稿では地下1階に過去最大規模のブースを展開するアユートの出展模様をお届けする。
AKフラグシップ「SP4000」&64 Audioコラボ「XIO」がそろい踏み
アユートは、これまでのポタフェス出展歴の中でも最大級の規模でブースを展開。各取り扱いブランドから豊富な新製品/参考出展を披露して来場者を楽しませる。
Astell&Kernからは、前モデルから着実な進化を遂げた新フラグシップDAP「A&ultima SP4000」(以下、SP4000)、および64 Audioとのコラボレーションにより開発したイヤホン「XIO(ジオ)」を整理券方式で試聴展示。どちらも先日同社が開催した先行試聴会にて国内初公開された製品で、特にXIOは大型イベント初展示となる。
SP4000は8月ごろ、約69万円で発売予定のAstell&KernフラグシップDAP。“フルAndroid OS” 化によってGoogle Playストアからアプリを柔軟に追加可能となったり、旭化成エレクトロニクスの「AK4191EQ」×4と「AK4499EX」×4の理想的なデジタル/アナログ分離設計をポータブルオーディオサイズで実現した「オクタオーディオ回路構造」、前モデルの2倍のオペアンプによって強力な駆動力を発揮する「High Driving Mode」を採用するなど、ソフトウェア/ハードウェア両面でさらなる強化が図られている。
XIOは64 Audioのハイブリッドイヤホン「Volur(ボリュール)」をベースに、筐体素材やデザイン、チューニングをSP4000とマッチするものに仕上げたモデル。8月頃、約55万円での国内発売を見込んでいる。
ドライバー構成はVolurと同じダイナミック×2、BA×8の10ドライバー/ハイブリッド。超高域は64 Audio独自の“オープン型BA” tiaドライバーで、高解像な音を鼓膜にダイレクトに送り出す設計。低域の2基のダイナミック型は連結された「トゥルーアイソバリック」構成となっており、一方は通常通り音を出し、もう一方は音を出さず空気だけを動かす、つまり音を出す方のドライバーの動作をサポートする役目をになっている。この複雑な構造によって、低歪で力強く、深みのある低音が再生できるという。
筐体素材はブラックDLCコーティングを施した904Lステンレス。64 Audioおなじみの独自技術「apex」も搭載していて、着脱可能な「apexモジュール」を通して耳内部の空気圧と遮音性をコントロールできる。モジュールは数種類同梱しているが、あらかじめ装着されているモジュールは筐体と同じ仕上げとなっている。
デザインも威風堂々、米IEMブランドのフラグシップモデル
Empire Earsからは、今回が世界初展示だという次世代フラグシップモデル「ODIN MKII」が登場。ダイナミック×2、BA、静電、骨伝導を含む11ドライバー/クアッドブリッド構成で、息を呑むような明瞭さ、奥行き、没入感が楽しめるという。筐体もマットブラック仕上げの6061-T6アルミニウムと24K金メッキフェイスプレートという豪奢なつくり。8月中に約69万円で発売予定だとしている。
新ブランド・VOLK AUDIO初のイヤホン「ETOILE(エトワール)」も引き続き参考出展。「静磁型ドライバー」という珍しい方式のドライバーユニットを含む10ドライバー/クアッドブリッド構成で、チューニングはグラミー賞受賞スタジオのエンジニア、Michael Graves氏が共同で手掛けている。予価約69万円で、8月に発売の見込みだ。
Sendy Audioでは、開発中の開放型平面磁界ヘッドホン新モデル「Egret(イーグレット)」を参考出展。名前は英語で “シラサギ” のことで、既存モデルよりも大型の平面ドライバーを搭載しており、それに伴いハウジングも大きくなっているのが外見上の特徴だ。ラインナップの中では、ブランド第1弾モデルの流れを汲む「Aiba」とフラグシップモデル「Peacock」の中間に位置づけられ、価格はおよそ14万円ほどになるという。
新規ユーザーを “良い音” へ導く入門モデルも充実
AZLAブランドからは、本日7月12日発売となるイヤホン「TRINITY」を展示。“より多くのユーザーにHi-Fi有線イヤホンの世界と音質の片鱗を体感して欲しい” と企画された2,200円のエントリーイヤホンとなっている。
AZLAが2018年に発売したイヤホン「HORIZON」のドライバーユニットを改良した、3層構造振動板搭載のダイナミック型「発展型ARDドライバー」や、共振を抑えるアルミニウム筐体、装着性と遮音性をさらに高める新設計のイヤーピース「SednaEarfit T」などを採用。全体的にフラットかつクリアながら、重低音の表現にも特徴のある音質にチューニングしている。3.5mmモデルとUSB Type-Cモデルの2種類のコネクターから選べるのもポイント。
qdcからは、7月19日発売予定のシングルBAイヤホン「FRONTIER」(約2万円)を筆頭にリスニング向け/プロ向けIEMを幅広く展示する。
FRONTIERは、同ブランドが長年磨き上げてきた “BAドライバーを用いたモニターサウンド” をより多くのユーザーに体験してもらうべく、フルレンジBAドライバー1基を最先端の技術でチューニングしたモデル。高域まで低域まで過不足なく表現する音質だけでなく、角度によって細かく雰囲気を変えるフェイスプレートや、透明度の高いシェルなどのデザインも特徴となっている。
アユートが新たに取り扱うことになったFitEarブランドコンシューマー製品のブースも設置。これまでに発売されたユニバーサルタイプのイヤモニに加え、年内発売を予定しているヘッドホン「Origin-1」が展示された。
Origin-1は、スタジオでのミックス/マスタリングや宅録などを想定した業務用ヘッドホン「Monitor-1 Studio Reference」の一般ユーザー向け仕様。40mmドライバーユニットを搭載し、高い遮音性と音の広がりの両立を目指している。価格は約9万円の予定だという。
セラミックオーディオのMaestraudioからも新展開
オーツェイド社のセラミック技術を活かしたイヤホンを展開するMaestraudioブランドでは、一挙に3つの製品を初披露した。
「MAPro1000 II」は、昨年発売の「MAPro1000」を改良した後継モデル。MAPro1000の特別仕様 “Bluish Snow” にて採用した、低損失オーディオ用はんだ、不透明のソリッドカラーフェイスプレートといった特徴も受け継いでいる。ドライバーユニットは、10mmグラフェンコートダイナミックドライバーと、ダイナミックドライバーの音波を受けて動くパッシブ型の5.8mmセラミックコートトゥイーター「RST」のハイブリッド構成。ほか、MMCXコネクターを接続の強固なものに変えているとのこと。価格は約1.4万円で、8月ごろ発売を予定する。
すぐ隣に展示される「MAPro1000 Drop」は、MAPro1000 IIのチューニングバリエーションモデル。“Drop” というモデル名があらわすとおり、スピーディでノリの良い重低音が魅力のEDM系サウンドに特化しているという。目指すサウンドを実現するため、ダイナミックドライバーを通常モデルから変更。姉妹ブランド・intimeのイヤホン「翔DD」に搭載された高品位10mmグラフェンコートダイナミックドライバーを採用している。
「STAGEAR(ステージア)」はFitEar協力のもと、まったく新規に開発したモデル。エントリークラスのライブ用モニターという位置づけで、同ブランドの従来モデルとは異なるプロユースのチューニングが施され、ケーブルコネクターもPentaconn EarやMMCXではなく、FitEar独自形状の2ピンコネクターを採用している。こちらは2.7万円ほどを見込んでおり、発売は秋ごろになる予定だという。
アユートブースの隣では、Maestraudioと同じオーツェイド社のイヤホンブランド intimeも新製品を披露。応援購入サイトMakuakeにて先行販売中のイヤホン「夜桜」は、10mmダイナミックドライバーと圧電セラミックトゥイーターのハイブリッド型で、華やかな花柄の筐体は、実際に樹脂筐体の裏側から手作業でドライフラワーを飾り付けているそうだ。
音質面についても、同社が得意とする圧電セラミック技術により磨きをかけた、新開発の “低ヒステリシス” 圧電セラミックトゥイーター「VST-P1」を搭載。振動板に伝わる電気信号と実際の振動とのズレ(ヒステリシス)を低減したことがトピックで、これにより心地よくディテールの詳細な高音が楽しめるとのこと。
また、次期フラグシップモデルとして開発中だという純チタン筐体のイヤホンが初公開。こちらは圧電トゥイーター「VST-K」とダイナミックドライバーのハイブリッド構成で、チューニングはこれから詰めていくそうだ。
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