AZLA、フィット/サウンド/コスパの“三位一体”エントリーイヤホン「TRINITY」
アユートは、同社取り扱いブランドAZLA(アズラ)との共同企画により開発した、有線イヤホンの “スーパーエントリー・コンセプトモデル”「TRINITY(トリニティ)」を、7月12日(土)より発売する。3.5mm接続のStandardモデル/USB-Cモデルの2機種をラインナップし、価格はどちらも2,200円(税込)。カラーバリエーションは、ブラック/ブルー/シャンパンゴールドの3色展開。
“より多くの方に高価なHi-Fi有線イヤホンの世界と音質の片鱗を体験していただきたい” というテーマのもと、同価格帯では最高クラスの「フィッティング」「サウンドクオリティ」「コストパフォーマンス」を目指して開発したというイヤホン。
ドライバーユニットには、8mmダイナミック型の「発展型ARDドライバー」を搭載。振動板は薄型軽量のPU+PEEK複合膜を2枚の樹脂層ではさみ混んだ、厚み約46μm(0.046mm)の3層レイヤー構造で、音質に悪影響をおよぼす分割振動を抑制。磁気回路からの振動をロスなく受け止めるPU+PEEK層と、ダンピングに優れた樹脂層が相まって、全帯域にわたりクリアでフラットな特性を実現したという。磁気回路には、ボイスコイルの外側にドーナツ型マグネットを配置することで磁力を効率よく得られる外磁型を採用した。
チューニングでは試聴を繰り返しつつ、超低域から超高域まで徹底的に歪み感を排除したクリアサウンドを追求。ドライバーの持ち味を最大限に引き出した、繊細で奥行あるサウンドに仕上げたという。特に低域においては “見える低音” を目標に、内部損失を最適化することで解像感とサブベース(超重低音)の存在感を両立。同時にボリュームを上げてもピークや歪みが出ず、破綻しないよう心がけたとのこと。電車内でのテストも行い、外部からの騒音に負けないライブ感が楽しめるとアピールしている。
ハウジングには共振の抑制に優れるアルミニウム素材を採用。また本モデルの装着感と遮音性を最大限に高めるため専用形状で開発したというシリコンイヤーピース「SednaEarfit T」が4サイズ(S/MS/M/L)付属。KCC SILICONE社のプレミアムシリコン素材や、先端に向かって傘部が薄くなる「テーパードフィット構造」を採用することで、耳への圧迫感を抑えつつ遮音性を高めている。軸内部は、イヤホンから出る音をストレートに伝達するホーン形状とした。
ラインナップのうち、Standardモデルは3.5mm 3極 L字プラグと約1.2mのケーブル長を採用。リモコンマイクは搭載しない。USB-Cモデルはストレート形状のUSB Type-Cコネクターと約1.5mのケーブル長を採用し、右耳側に1ボタンのリモコンマイクを搭載。USB Audio Class 1.0(UAC1.0)対応でPCM 96kHz/24bitまでの再生をサポートしており、Nintendo Switch 2/SwitchやPlaystation 5など家庭用ゲーム機に接続することも可能だ。ケーブル導体は2モデルとも4芯OFCリッツケーブルを採用する。


再生周波数帯域は10Hz - 40kHz、インピーダンスは16Ω(1kHz)、感度は104dB SPL/mW(@1kHz)。上述のイヤーピースのほか、ロゴ入りキャリングポーチが同梱する。
編集部員が「TRINITY」を試聴 〜 はじめて“良いイヤホン” を買ったあの頃を思い出す
今回発表されたAZLA「TRINITY」を、ひと足先に編集部で聴かせていただいた。
2,000円強という価格を先に知っていると、音の分離の良さ、クッキリとした明瞭さにはちょっと感心させられる。全体的にはメリハリをやや強めに効かせつつ、低い音から高い音まで過剰な偏りのないバランスの良いサウンド。中でも低域は「見える低音」を目標にしたというだけあり、耳の奥深くを揺さぶるような “深さ” が感じられる。EDM系の音楽を試聴すれば、心地よく沈むキックが体験できるだろう。
3.5mmとUSB Type-Cの2種類から選べるのも、昨今はありがたい。イヤホンジャックのないスマートフォンやPCで使いたい場合はUSB Type-Cモデルで手軽に使えるし、すでにポータブルDACやDAPを持っているのであれば3.5mmプラグのStandardモデルを組み合わせて、アンプの分すこし厚みを増した音質で楽しめる。
その昔、筆者が数百円のイヤホンからちょっと奮発して6,000円くらいのイヤホンに買い替えたとき、「飽きるほど聴いたはずの音楽から、聴いたことのない音が聴こえる!」とワクワクしたことを思い出す。これまでイヤホンにあまり凝っていなかった人がTRINITYを体験すれば、当時の筆者と同じ感動を味わってもらえるに違いないし、ひょっとすると「もっと高いイヤホンなら、どんな体験ができるんだろう?」と筆者と同じ道も辿ってくれるかもしれない。“音の良いイヤホン” のエッセンスがつまった、価格を含めてエントリーにふさわしいイヤホンだ。



