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公開日 2025/05/13 11:18
東京大学との共同研究にて

NTT、器具装着なしで空中に“触れた感覚”を生み出す「超音波触感シンセサイザ」発表。リアルなXR体験を目指す

編集部:杉山康介

 NTTは、超音波によって何もない空中に触感を提示させる新技術を考案したことを発表した。 



同社の有するNTTコミュニケーション科学基礎研究所では人間科学の基礎研究に取り組ん でおり、これまで人の視覚や触覚の仕組みを解明するとともに、その知見をもとに世界初の高品質な感覚体験を実現してきたという。
 
触覚を再現するためには重い専用デバイスの装着が必要とされてきたが、それをデバイスなしで実現する手法として、超音波を皮膚の狭い領域に集中させることで、非接触で焦点部位に触覚を提示する技術の研究が進められてきた。しかし、従来の方法では超音波で提示できる力が弱く、かつ単調なものに限られるという課題があったとのこと。


同研究所は東京大学との共同研究を通じ、これらの課題の解決に着手。その結果、超音波によって生まれる力の感覚を増強するための刺激要因として「超音波焦点の5Hzの回転」が決定的であることを世界で初めて特定。一般的に超音波焦点に触れると0.01N程度の弱い力を感じるが、これを肌の上で5Hzで回転させると、感じられる力が20倍程度まで増強されたという。



さらにこの知見を活用し、人の皮膚の触覚受容器が敏感に反応する5Hz/30Hz/200Hzの周波数の超音波刺激を自在に合成することで、多彩な触感を生み出す「超音波触感シンセサイザ」を考案。ものに触れている感覚を5Hz回転で、伝わる振動を30Hz、200Hzの合成で再現し、つるつる・さらさら・ざらざらなど、触り心地を調整できるようにしたとする。



本研究成果は触覚分野の国際会議「Eurohaptics conference 2024」に展示され、Best paper award、Best demonstration awardにもノミネート。5月20日より開催の「コミュニケーション科学基礎研究所オープンハウス2025」にも出展される。


NTTは「(前略)この成果を更に追究することにより、デバイスを身に着けることなくリアルな触感を再現できる触覚インターフェースや触覚コンテンツ(遠隔でのソーシャルタッチやXRでのふれあい体験等)の実現をめざします。今後は、人が様々な物体に感じる触感の忠実な再現や感じられる力を強める触覚の仕組みの解明、更には人間の脳が触感を知覚する仕組みの解明にも発展させ、XRにおける世界初の触体験の実現に貢献します」とコメントしている。

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