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final、新フラグシップイヤホン「A10000」6月発売。税込約40万円、世界300台限定のコレクターズエディションも
編集部:杉山康介finalは、新フラグシップイヤホン「A10000」、および全世界300台限定生産モデル「A10000 Collector's Edition」を、6月より発売する。final公式ストアの販売価格はA10000が398,000円で、Collector's Editionが428,000円(ともに税込)。また本日4月24日より予約受付を開始する。
同社がかねてより予告していた新フラグシップ機の詳細が明らかとなったかたちだ。最大の特徴が、銅箔にダイヤモンドを結晶化させたのち、銅箔を溶かして作る「トゥルーダイヤモンド振動板」を搭載すること。ダイヤモンドは物性として音速や硬度に優れており、特に曲げ剛性の高さが、今回目指した「超低歪DU」の実現に大きく貢献したという。
ドライバーユニットのエッジには特殊ポリウレタンを採用。軽量かつ高い弾性・伸縮性を兼ね備えるため、動きやすさと不要な共振の抑制という、相反する問題の解決に貢献したとのこと。また振動板との接合には、圧空成形と金型による熱成形を組み合わせて接着剤レスで分子間結合させる独自の特殊成形技術を開発・採用。塗布料の差による個体差など、接着剤での接合の際に起こる問題を根本的に解決したとする。
ボイスコイルも通常は接着剤で固められるところ、設計から見直してボビン付きコイルを採用し、高い導電性を実現するとともに塗布量による個体差、偏りを解決。これらの各種技術によって、従来モデルと比較し、100Hz以下の帯域で100分の1以下の歪み率を実現したそうだ。
その結果「超低域の歪みを軽減し、かつ超低域の振幅周波数特性を改善したため、これまで経験したことのないほど低域の再現性が向上し、しかもトランジェントの良い繊細で華やかな中高域への被りも軽減された」と説明している。
サウンドについては「膨大な音楽情報を圧倒的な解像度で再現する一方で、どの帯域にフォーカスしてもそれが感じられるという驚くべき分離感を両立しています。また、歪みを全く感じないので、楽曲の無音部分の静けさが色濃く感じられ、一音一音がさらに際立って聴こえます」としている。
ステンレス素材の筐体には、高級腕時計で用いられる波状の精密切削加工「コート・ド・ジュネーブ」を施す。外観上の美しさだけでなく、切削面がそのまま仕上げ寸法となることから、研磨仕上と比べて精度に狂いが少ないという。
さらに筐体の組み立て、およびDUの取り付けには接着剤ではなくネジを使用し、長期的な修理を可能とした。筐体サイズは前フラグシップ機の「A8000」と比べて小さくなっているため、一層耳に収まりやすくなったとする。
付属ケーブルは潤工社との共同開発品で、線材にはシルバーコートOFC線、絶縁被膜にはPFA(フッ素ポリマー)よりも低い誘電率のePTFE(発泡テフロン)を採用。コネクターはMMCXで、従来の同社開発品よりも高精度な、信頼性を高めたものに設計変更したとのこと。
感度は99dB/mWでインピーダンスは13Ω、質量は63g。パッケージには同社製イヤーピース「FUSION-G」「TYPE E」各5サイズやキャリケース、MMCX ASSIST、補助プレートなどが付属する。
また、全世界300台限定生産の「A10000 Collector's Edition」も同時発売。ゴールドカラーの限定筐体を採用したモデルで、特別な桐箱に収納。finalロゴ入りの「すずがみプレート」も同梱される。なお構造やスペックは通常品と同等となる。