電源タップ5社比較も大盛況!ダイナミックオーディオ×オーディオアクセサリー銘機賞コラボイベントを徹底レポート
筑井真奈ダイナミックオーディオは、2月から3月にかけて「スプリングフェア」を開催、各店舗ごとに個性的な試聴イベントなどを開催した。ダイナミックオーディオ5555 4FのHALIIIでは、「オーディオアクセサリー銘機賞」とコラボした、アクセサリーに特化したイベントを3月14日に開催。さまざまな聴き比べが登場した5時間にもわたるイベントの模様をレポートしよう。
貴重な「ブランド横断」聴き比べを実施
今回のナビゲーターは、HALIII初登場、オーディオアクセサリー銘機賞の審査員も担当する炭山アキラ氏。長年アクセサリーの研究を重ねてきており、アクセサリー研究については当代きっての第一人者である。
ブランド紹介はもちろん、貴重な「ブランド横断」聴き比べを体験できるのは、ショップイベントならではのお楽しみ。今回はオーディオアクセサリー銘機賞のグランプリ受賞モデルが数多く登場した。
第一部はLANケーブルからスタートし、インラインフィルター、電源ケーブル、ノイズ抑制アクセサリーなどから、ボードやインシュレーターといったアイテムも登場。20人近い来場者もみな、時にはメモも取りながら、その違いに注意深く耳を傾けていた。
いくつか注目のプロダクトをピックアップして紹介しよう。エイム電子の最新LANケーブル「NAX」と、ティグロンから新発売された“White Tiger”のLANケーブルを、フォープレイのフュージョン作品で比較試聴。しかもブラインドで。
試聴モデルを明示せずに、A/B比較をしたのちに、「どちらが良かったか」の挙手を求めたところ、結果はなんとほぼ半数に分かれた。記者の感想としては、折目正しいBを好ましく感じたが、こちらはティグロン。Aのほうがエイム電子であった。
「オーディオは正解があるわけではなく、お客さんの求める音に対して、適切な提案していくのがお店の役割です」とHALIII担当の島 健悟さんはいつも口にしているが、まさにその思いを体験する機会となった。炭山氏も、「ネットワークにはさまざまなアクセサリーがでてきているけれど、最後はLANケーブルで整えるが鉄則です」とアクセサリーの考え方の基本を改めて解説する。
続いてはネットワークプレーヤーに効果的な電源関連アクセサリーをチェック。分割してケーブルに通すパーフェクションの「AMORCRYSTAL」や、フルテックのインラインフィルターなど、手軽に導入できるものも多い。特にフィルターはデジタル機器との相性が良いそうで、「レンジが広がり、ノイズフロアも下がって音の品位が高まっています」と炭山氏も絶賛。
続けてはこれもお問い合わせが多いという「プレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ、どこの電源ケーブルを変えると効果があるか?」の実践テスト。エソテリックの「Grandioso N1」、TADの「TAD-C1000」「TAD-M2500TX」でそれぞれ実験した。
こちらも「一番効果があったと思う箇所」に挙手してもらったところ、票は割れながらも「プリ」が最多数。プリに投入すると、TADの色気感がより深く引き出されている印象。システムの音質の“キモ”となっている箇所に追加するのが一番良いのでは?と感じた次第。
インシュレーターやボード、スパイク受けなど振動対策アイテムの追加も効果が大きい。ティグロンのボード「TMB-500EX」は音像をグッと引き締め、オーディオリプラスの水晶「OPT-100HG SS HR」は見通し感を高める印象。ウェルフロートのスピーカー用スパイク受け「WELLDELTA Basilis II」のピントがピシリと合うサウンドには来場者一同びっくり。
第一部の最後は、井筒香奈江「ラストダンスは私と」で締め。HALIIIスタッフの杉本さんも、アクセサリーの聴き比べは改めて勉強になったと振り返り、島さんは薬剤師のように、音質の処方箋(アクセサリー)を提案できることが販売店だからこその役割だと強調。「雑誌も参考にしながら、最後は実際に音を聴いて判断してほしい」と強く訴えた。
コネクタの“メッキ違い”にも注目
続けては第二部は、さらにマニアックに電源関連アクセサリーのみに特化したイベント。コネクタのメッキ違いから電源タップ5社比較試聴まで、ここでしか味わえない貴重な聴き比べプログラムを用意。
特に興味深かったのは、ヨルマ・デザインの電源ケーブル「AC LANDA CU II」「AC LANDA SG II」「AC LANDA RH II」(すべてメッキ違い)、ネットワークプレーヤーにて差し替えて聴き比べた。
リンダ・ロンシュタットの声が柔らかで伸びやかに再生される点は共通に持ちながらも、少しふくよかな「SG」と、柔らかいのに芯のある「RH」と、メッキによる微妙な違いもしっかり描き出してくる。こちらも参加者の票が絶妙に半分に割れる結果に。
続いてパワーアンプでも比較を行ったところ、今度は「CU」の力強さに耳を奪われる。炭山氏も、「パワーアンプは力感が欲しいので太いケーブルが良い、という声を聞きます。一方、上流のプレーヤーでは細いものの方がキビキビと動いて良い、という考えもありますね」と使い分けの極意を解説。“一番いいのが一番いいとも限らない”オーディオの難しさに改めて嘆息する。
電源タップについては、パーフェクション、サエク、クリプトン、オーディオリプラス、フルテックと5ブランドの徹底比較!(『季刊・オーディオアクセサリー』という雑誌は年がら年中こんなことをやっていますが…)なかなかここまでの横比較は珍しい。
フィルターのありなし、仮想アース機能のありなし、メッキ、足の形状など、シンプルな電源タップだからこそ、メーカーの音作りの基本的な考え方が見えてくる。タップの入り口に近い側にパワーアンプを接続するほうが「音が痩せにくい」と、使いこなしのちょっとしたコツも伝授する。
光城精工やアイソテックの大型クリーン電源もテスト。島さんも、「ウォシュレットやホットカーペットなどが悪さをすることがあり、電源は本当に難しい」と認めた上で、どこに原因があるかを探り、どう対策していくのにショップなりのノウハウがあるという。特に「昼と夜で音質が大きく違う、という場合、電源が汚れている可能性が高いので、対策のしがいがあります」とクリーン電源の導入意義を強調する。
ショップならではの提案力を重視している島さん。第二部のラストも、「今日もたくさんのアクセサリーをみなさんと一緒に聴いて、とてもよくわかりました。今日の体験をベースに、お客さんにどう提案していくかを考えていくのが私たちの仕事です」と力を込める。
炭山氏も多くの経験をふまえ、「手持ちのアイテムの使いこなしによっても音はがらりと変わります。まずは色々試してみて、オーディオの深みにハマってください」と、アクセサリー沼の深みへと誘い、イベントを締め括った。