ナガオカ、第6回目「レコード針供養」を開催。5月に発売予定のMPカートリッジにも言及
2025/03/10
レコード針の生産で世界的に知られるナガオカトレーディングは、3月9日を「レコード針の日」と定め、毎年レコードにまつわる特別なイベントを開催している。昨年は、埼玉県秩父市「音楽寺」にて「針供養」の行事を行ったが、今年は趣向を変え、こだわりのオーディオを設置した都内の音楽酒場にて、オーディオ/レコードショップや音楽関係者を集めた懇親会を開催した。
会場は赤坂の音楽酒場・hakbo(ハクボ)。カウンター奥には、ソニーがかつてESPRITブランドとして展開していたヴィンテージスピーカーに、客席の上にはブルーバッフル搭載のJBL大型スピーカー「4365」も設置。テクニクスのアナログプレーヤーによるDJブースも設置され、まさにオーディオファン的にもニヤりとしてしまうお店となっている。
今年の「レコード針の日」では、ビールや食事を楽しみながら、ナガオカのスタッフが同社のMPカートリッジを使用したレコード再生を披露、音楽やレコード談義に花が咲いた。
ナガオカトレーディングの社長である長岡香江さんは、冒頭に“サンキュー”レコード針という思いから、3月9日を「レコード針の日」と定めたとし、「MPシリーズによるアナログならではのサウンドを楽しんで欲しい」と挨拶。
続けて、カートリッジの開発に携わる若手エンジニアの山内 廉さんが、昨年発表された創業85周年モデル「MP-700」の開発秘話を明かす。
MP-700はナガオカのフラグシップモデルとなり、EISAアワードを受賞するなど、世界的にも高い評価を獲得している。「1978年にMPシリーズはスタートしましたが、当時と比較してもレコードの再生環境や価値観は大きく変わりました」と環境の変化を振り返る。
その上で、新しい時代のリファレンスを定義する思いで開発したとし、目指す音の方向として、「自然に体が反応する、長時間聴いても疲れない音、演奏者がまさにそこにいるようなサウンドを狙いました」と、ストリーミング時代にあえてレコードにこだわる価値を強調する。
さらに、アジア最大のレコードプレス工場である東洋化成の萩原直輝社長、レコード専門店の強化にも力を入れるタワーレコードの嶺脇育夫社長、DJ機器関連で縁も強い島村楽器の廣瀬利明社長らも挨拶。ナガオカとの縁を語るとともに、“レコード冬の時代”を超えて改めてレコードの価値が見直されていることを改めてアピールした。
イベントの最後には、OTOTENのナガオカブースでも講演を行った音楽評論家の立川直樹さんが登場。会場では立川さんがライナーノーツを執筆したジミ・ヘンドリクスやピンク・フロイドのアルバムなども再生された。
立川さんは、子供の頃からレコードが過ぎで、家族と一緒にレコードを買いに行った思い出を語りながら、「音楽をちゃんと聴かせる環境を作り続けて欲しい」と訴えて、イベントを締め括った。