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公開日 2025/11/17 17:00
東洋化成の末広工場にて開催

レコードはこうして作られる。レコード三昧で楽しめる、「OPEN FACTORY」に行ってきた!

栗原祥光

11月8日(土)、東洋化成 末広工場(神奈川県)の駐車場スペースにて、工場見学の出来るレコード即売会「OPEN FACTORY vol.2」が開催された。普段入ることができないレコード製造工場で行われたイベントの様子を紹介する。



アジア最大級のレコードプレス工場、東洋化成の末広工場で行われたレコード即売会「OPEN FACTORY



1000人以上のレコードファンが集結


OPEN FACTORYは、「今のレコードブームをもっと盛り上げたい、これからもずっと続くカルチャーにしたい」という想いで2023年に初開催。日本有数のアナログレコード生産工場で行われるということもあり、初回は1,000名を超えるヴァイナルファンが集まったという。



OPEN FACTORYの会場の様子


2回目の開催となる今回は、有名レコード店を含む25社以上が出展。販売している中古レコードを見ると邦楽、そして国内盤がメインで、なかには「5枚で1,000円」という価格で販売するところも。いっぽう「廃盤セール」などで見かける貴重で高額な盤は少ない印象を受けた。



HMVレコードショップの出展ブース

 


ビクターエンタテインメントは、アニメソングの新品レコードを販売




レコード以外に最近人気のカセットテープの販売も多数


中央にはステージが設けられ、トークイベントやライブなどを開催。対面にはテーブル類も用意され、ケータリングサービスを利用しながら休憩をとられる方の姿を多く見かけた。


アナログ再生機器ブランドもブースを展開、テクニクスは “SL-1200シリーズ” を展示するほか、ナガオカはレコード保管アイテムを多数展示即売していた。



テクニクスの展示エリア。最新の「SL-1200GME」も展示されていた




レコードの保管アイテムを多数販売するナガオカ


会場内に荷物整理用の机が用意されているのも好印象。こうした細かな配慮がなされていることもあってか、多くの参加者から笑顔が絶えることはなかった。レコード愛好家によるレコード愛好家のためのイベントという雰囲気だ。


 


レコードのプレス現場を間近で見られる!


13時と14時の2回、レコードプレス工場見学を実施。参加費が無料ということもあり、長蛇の列ができる人気を集めた。


エントランスではカッティング工程からプレスに至るまでの課程をパネルで紹介されるほか、ラッカー盤やマスター盤、マザー盤、スタンパーの現物も展示。わかりやすい解説と共に、実物を見ながら特にスタンパーの薄さに多くの方は驚かれていた。



ラッカー盤からプレス用のマスターが作られるまでを詳しく解説


東洋化成では黒だけでなく、様々なカラーレコードができることも紹介。その種類の多さには驚かされる。



黒以外にも各種カラーヴァイナルも制作できる!


そしてプレス工程へ。実際にプレスの現場を見ながら従業員が解説をする。生産者の顔が見え、そして質問できるとは、誰も思っていなかっただろう。


東洋化成では自動型と手動型を合わせて約15台のプレス機を用いて生産していること。そして自動型の中には、7インチ盤用と12インチ盤用があり、どちらも塩化ビニールを約150度で溶かしながら100トンの圧力でレコードの形にプレスする。自動といっても、その日の気温や湿度によってレコードの形が微妙に変わるそうで、細かな職人技が求められるという。



自動型のレコードプレス機がズラリと並ぶ




7インチレコードのプレス機




上下からスタンパーに挟まれて、音溝が転写される




レコードが完成!


ちなみに1枚のスタンパーで7インチ盤なら1,000枚、12インチ盤なら800枚のプレスができるそうだ。


手動機では、ピクチャーレーベルの盤が作られていた。こちらは透明のシートの下に印刷した紙を置き、塩化ビニールで密着させるという5層構造。音溝は透明のシートに刻まれる。プレス機に人がセットするという工程が必要なことから、こちらの生産枚数は1日200枚程度。



手動型のレコードプレス機




ピクチャーレーベルで使う素材。左の透明シートに音溝が刻まれる




透明のシートとピクチャーレーベル面を機械にセット




中央に塩化ビニールを置きプレスする


どちらも出来上がったレコードは1枚1枚検盤した後、ビニール内袋に挿入。その後、ジャケットに納められる。



プレスされたばかりのレコード




出来上がったレコードは1枚1枚、目視検査でチェック


イベントではプレス仕立てのレコードを、その場で販売。イベントのよい思い出になるのはもちろんのこと、OPEN FACTORYならではの試みといえるだろう。


好天に恵まれたこともあり、今年のOPEN FACTORYは大盛況。レコードの文化は、これからも秋晴れのように晴れやかであることは間違いなさそうだ。



箱の中からお気に入りの一枚を探すのもレコードの楽しみ


 

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