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公開日 2025/08/26 13:25
final、ブリスオーディオ、タイムロード、飯田ピアノの4社合同イベント

数十〜百万円台の音の世界へ没入!フジヤエービックの“ハイクラス”ヘッドホン試聴会レポート

編集部:筑井真奈

フジヤエービックの主催による4社合同の試聴会が8月23日、中野にて開催された。「ヘッドフォン祭」とはまた違う、よりハイクラスの製品を中心に、ゆっくりしっかり音を聴いてもらいたい、という思いからスタートしたイベントで、今回で4回目の開催となる。



聴きたい音をしっかり楽しめる、フジヤエービックによる4社合同イベントが開催


中野駅直結のオフィスビル「中野セントラルパークサウス」の2F、コワーキングスペースや展示スペースを併設する「NAKANO HAKO」にて開催された。JR中野駅直結の建物だが、初見ではちょっと入口が分かりにくいかもしれない。



イベント会場となる「NAKANO HAKO」の入口


ハイクラスヘッドホンが盛り上がっている、という話題は多くのところで耳にする。飯田ピアノが輸入するCAMERTON(カマートン)の製品は、100万円超えという高価格ながら日本で異例の大ヒットを飛ばしているし、ラックスマンの「P-100 Centennial」など、ハイクラスなヘッドホン・アンプも国内外を問わずに登場してきている。


イベント担当のフジヤエービック谷口さんも、「今回のイベントは、より静かな環境で、しっかり音を聴いてもらいたい、という思いでスタートしました」と企画の背景について教えてくれた。


大型イベントでは、どうしても周囲が賑やかだったり、あるいは後ろに人が並んで気を遣ってしまうこともある。人数も各回18名と絞り、事前予約制でのイベントとすることで、より熱意の高いお客さんに向けた “硬派” なイベントをやりたい、という思いがあるようだ。


またコンパクトなイベントならではの特徴として、通常はメーカー/商社ごとの決まった組み合わせでしか試聴できないが、ここでは気に入ったヘッドホンをとなりのブースに持っていって、他社のヘッドホンアンプで聴くなど自由な組み合わせを試すことができる。


今回の参加企業はfinal、ブリスオーディオ、タイムロード、飯田ピアノの4社で、その他協力各社からもアンプが出展。たとえばfinalの「D8000 DC」を、Chord(コード)の「ALTO」、DVASのセパレートヘッドホンアンプ、マス工房の「485」で順番に聴き比べるといった、マニアックな楽しみ方ができることになる。



finalのヘッドホン「D8000 DC」と「D8000 DC Pro Edition」。展示されているどのヘッドホンアンプとも組み合わせて聴くことができた




DVASのヘッドホン専用パワーアンプ「MODEL 2」(最下段)&電源別筐体のプリアンプ「MODEL 3」(上2段)。プリアンプは左右独立でボリューム調整ができるなど、音質重視の独自設計が特徴


もちろんDAPやイヤホンの持ち込みも可能なので、手持ちのアイテムから思ってもみない新鮮な発見が得られることもあるだろう。ブリスオーディオは各種リケーブルも用意しているので、リケーブルによる音の違いをあれこれ実践できるのも楽しみなポイントだ。



ブリスオーディオのイヤホンシステム「富嶽」や、ポータブルアンプ「WATATSUMI」ももちろん登場!




すでに世界各国から引き合いがあるという10周年記念モデル「NISHIKI」


第1部は12時から、第2部は14時15分からの完全入れ替え制。第1部の開場直後からお客さんが詰めかけ、真剣に、時には友人たちと情報交換しながらじっくりと音を楽しんでいた。


今回は、事前にホームページ上にて出展予定の製品一覧が公開された。これも谷口さんのこだわりで、「これが聴きたい!」とお客さんにもしっかり目的を持ってきてほしい、という思いがあるそうだ。


飯田ピアノのブースでは、オーブの試作ヘッドホンアンプも展示されていた。以前から試作機を開発している、という話は聞いていたが筆者が実物を見るのは初めて。フルサイズの本格仕様で、フロントパネルの鏡面仕上げも美しく、手間のかかった造作を感じさせてくれる。



オーブの試作ヘッドホンアンプにも期待


ヘッドホン出力は6.3mm、4pin XLRと3pin XLRの3系統。カマートンの「Bicom-ER」でちらりと音を聴かせてもらった。マイケル・ジャクソンの「スムース・クリミナル」の空間の表現力や楽器の質感の鮮烈さが印象的。ハイクラス・ヘッドホンにおける三次元的な空間再現力は、近年とみに進化の著しい領域と感じているが、その意味でも新しい可能性となりそう。


ブリスオーディオからは、finalの「A10000」専用のリケーブルが2種類、銀線と銅線による試作機が登場。残念ながら発売延期となってしまったとはいえ、入魂のフラグシップイヤホンであるA10000の実力をさらに引き出すものとして試作したとのこと。いずれも4.4mm端子。


比較試聴させてもらうと、高域の煌めきにハッとする銀線に対し、中低域の厚みが肉感的な銅線。ゴーゴーペンギンのクールなジャズには銀線がよく似合うが、曲によって使い分ける楽しみもありそう。



ブリスオーディオによるA10000のリケーブル試作機。左が銀線、右が銅線モデルで音の仕上げも異なっている


タイムロードは今年輸入をスタートしたスロベニアのヘッドホンブランドErzetich(エルゼティック)の4機種を持ち込む。ミュージシャンやエンジニアにも聴いてもらい、非常に良い評価を得られているのだという。ヘッドホンアンプにはニンバス、コード、パトス、バイオエレクトリックと多様なブランドを取り揃え、贅沢に聴き比べできるのが楽しい。


前回のイベントで最上位の静電型「Charybdis」(カリブディズ)を聴かせてもらったので今回は一番小さいダイナミック型の「Thalia」(タリア)を3種類のアンプで試聴。パトスとの組み合わせが密度感の高さにグッと心を惹かれた。



エルゼティックの平面磁界ヘッドホンのトップモデル「Charybdis」




一番小さなサイズの「Thalia」とパトスの「InPol Ear」の組み合わせもなかなか魅力的


飯田ピアノのブースではマス工房のヘッドホンアンプ「845」とカマートンと組み合わせたり、iFi audioの静電型対応ヘッドホンアンプ「iCAN Phantom」とSoltanus(ソルタナス)の静電ヘッドホンを組み合わせるなど、垂涎の組み合わせが多数登場。


また、今後取り扱いをスタートする中国のケーブルブランドNovo solutionsのミニミニケーブルも初登場。関連アイテムの取り扱いも強化していきたいと話してくれた。



ソルタナスの静電型ヘッドホン「Euridiche L-SX」をiFi audioのヘッドホンアンプで駆動




Novo Solutionsのミニミニケーブルも登場。他にもUSBケーブルなども用意する


 

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