B&Wから新CMシリーズ「CM S2」登場 −トゥイーター刷新、ネットワーク強化

■2ウェイのバス/ミッドドライバーにはエネルギー吸収型防振プラグを採用

2ウェイモデルで採用されているバス/ミッドレンジ・ドライバーは、600 S2シリーズに準じて、新たにエネルギー吸収型防振プラグを採用したウォーブン・ケブラー・コーン・ドライバーを採用。プラグがユニットのネック部分をマスクすることなく、かつユニットと一緒に可動するため、スムーズな高域レスポンスと色づきの少なさを実現できる。

3ウェイモデルで搭載されているミッドレンジドライバーは、ほぼ従来モデルを踏襲したウォーブン・ケブラー・コーンとアルミニウム・フェイジングプラグを採用している。

■CM10 S2には800 Diamondの技術要素を投入

なお、CM10 S2は同じ3ウェイモデルながら、このミッドレンジユニットをはじめとして、CM9 S2、CM8 S2と差別化が図られている。具体的にはCM9 S2、CM8 S2のミッドレンジは磁気回路にフェライトマグネットを採用しているが、CM10 S2はネオジウムマグネットを採用している。この仕様は、ほぼ800 Diamondのミッドレンジと同じだという。

加えて、CM9 S2、CM8 S2のミッドレンジはエンクロージャーにネジ止めされているのに対して、CM10 S2のミッドレンジは背面からシャフトで牽引してフローティングマウントする方式がとられている。また、ミッドレンジは能率が高いためレベルを下げる必要があり、そのためにCM9 S2、CM8 S2ではセメント抵抗を用いているが、CM10 S2では超低歪みのメタルフィルム抵抗を使っている。この2点についても、800 Diamondシリーズの仕様を踏襲している。

この点について澤田氏は「CM10 S2のみ、CMシリーズというよりは800 Diamondに近いような仕様となっています。音質的にも、CMと800 Diamondのクロスオーバーという仕上がりになっています」とコメントしていた。

3ウェイモデルのウーファーについては、こちらはほぼ従来モデルを踏襲。ケブラー繊維をパルプに混ぜ込むことで高い強度を備えるペーパーケブラー・コーンを採用している。なお、本体カラーによってウーファーの色が異なっていた600 S2とは異なり、CM S2ではグロスブラック、ローズナットのいずれも同じ色のウーファーを用いている。

また、ブックシェルフ型モデル用にスピーカースタンドも刷新して「FS-SM S2」をラインナップ。台座は木製ブロック、脚柱はアルミの押し出し材で構成されている。脚柱には硅砂など充填材を詰め込める。カラーはブラックとシルバーを用意し、価格はともに75,000円/ペア（税抜）。

■“澤田ルーム”にて新旧CM5、そしてCM 6Sを比較試聴

発表会後、マランツとB&Wのサウンドマネージャーを務める澤田氏が、マランツ製品の音決めやB&Wスピーカーのサウンドチェックを行う専用試聴室、通称“澤田ルーム”にて、新旧CMシリーズを比較試聴する機会を得た。短時間ではあったが、ファーストインプレッションをお届けしよう。

今回比較したのは、旧CMシリーズの「CM5」と新CMシリーズの「CM5 S2」だ。さらには、ユニット口径やスペックは同一だが、トゥイーター・オン・トップである点が「CM5 S2」と異なる「CM 6S2」も聴き比べることができた。

まずはCM5。試聴室の音の良さ、さらにはマランツ最新のUSB-DAC「HD-DAC1」（関連ニュース）を再生機器として使ったこともあるのだろうが、率直に言って、これでも十分に素晴らしいサウンドで、解像感や音場の広がりも十分と感じた。しかし、スピーカーをCM5 S2に代えたとたん、印象が変わった。まずCM5 S2は解像感が段違いで、ピアノの音色のディテールがくっきりと描き出され、鮮鋭感が高まったことが最初の一音でわかる。旧CM5と異なる音源を聴いているかのように聴こえるほどで、明確な差が感じられる。また、音場も明らかにCM5 S2のほうが広い。CM5とCM5 S2は、周波数特性などスペック上は変わりないこともあり、ここまで実際の音質に差があるとは想像できなかった。

そして今度はCM5 S2とCM6 S2の比較である。実はこの2モデルの比較試聴は、ある意味で聴き手の耳を確かめるものだと、B&W開発陣は語っているというのだ。