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VGP2024受賞:XGIMI Steven Luo氏

【インタビュー】XGMIプロジェクターはユーザー視点でゼロからデザイン。没入型エンターテインメントをもっと身近に

公開日 2024/03/14 10:32 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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VGP2024
受賞インタビュー:XGIMI


XGIMI「HORIZON Ultra」がVGP2024で特別大賞を受賞した。搭載する新開発の光源技術「デュアルライトテクノロジー」も併せて技術大賞を受賞している。革新的な技術と洗練されたデザインのスマートプロジェクターで大画面の没入型エンターテインメントをより身近に引き寄せるXGIMI。このたび新たにXGIMI株式会社CEOに就任し、日本のビジネスを執り行うSteven Luo氏に市場創造への意気込みを聞く。


XGIMI株式会社
CEO
Steven Luo


プロフィール/家電業界での20年以上の経験を経て、2018年にXGIMI Technologyに入社。CMOとしてマーケティングや販売戦略に腕を振るい、その後、グローバル市場での製品戦略と企画の責任者として、XGIMIブランドの製品の成長を牽引してきた。2024年1月よりXGIMI株式会社CEOに就任。日本におけるビジネスの円滑な運営と長期的な成長へリーダーシップを発揮する。

■レーザーとLEDの長所が活かせる「デュアルライトテクノロジー」



―― XGIMI「HORIZON Ultra」がVGP2024で特別大賞を受賞されました。おめでとうございます。採用されている新開発の光源技術「デュアルライトテクノロジー」も同時に技術大賞を受賞されました。昨年9月の発売から市場でも大変好評ですが、本機に込めた想いや導入に至った市場背景についてお聞かせください。

Luo XGIMIはスマートプロジェクター業界のリーダーとして、革新的な技術の開発をリードし、ユーザーにより魅力的な製品の開発を行っています。ユーザーのことを何より第一に考えたユーザー視点の製品開発を大切にしています。

今回、特別大賞をいただいた「HORIZON Ultra」には、もともと有するLEDの光源技術にレーザーを組み合わせた「デュアルライトテクノロジー」を新たに開発して搭載しました。レーザーとLEDのそれぞれの長所を活かすことができ、広色域・高輝度・正確なカラーメトリにより連続した自然なスペクトルを作り出すことを可能にしました。色にじみやムラの少ないクリアな映像で快適な視聴体験を提供します。

XGIMI「HORIZON Ultra」がVGP2024で特別大賞を受賞

さらに、世界初となるドルビービジョンに対応した4Kロングスローホームプロジェクターになります。臨場感あふれサウンドが楽しめるハーマンカードンのスピーカーを装備。環境適応技術には「インテリジェントスクリーンアダプテーション 3.0(ISA 3.0)」を搭載しました。中断されることのない自動台形補正とオートフォーカス、目を保護するアイプロテクション機能、スクリーンへの自動アジャスト機能、障害物を自動で回避する機能、ご家庭により異なる投写される様々な壁色にも自動適応する機能を備えています。従来よりもさらにスムーズに、ご自宅の環境に合わせて手軽にお楽しみいただくことができます。

インテリアに馴染むデザインとカラーリングも特長のひとつです。エッジを落とした柔らかな印象を与えるデザインで、環境にもやさしいPUレザー、フローカバー部にはファブリックを採用しています。ご購入いただいた皆様からも大変いい反響をいただくことができ、手応えを感じています。

―― VGPのプロジェクター部門には数多くのメーカーがエントリーされていますが、XGIMIはお話しいただいたインテリジェントな使い勝手から、ブランドとして高い評価を集めています。さらに今回の審査会では、「デュアルライトテクノロジー」で大変明るく、色域も広くなった画質が高い評価を獲得しました。明るさの表記により厳格なISOルーメンを用いられている姿勢なども、商品に対する信頼や安全性につながっています。

レーザーとLEDのそれぞれの長所を活かすことができる新開発「デュアルライトテクノロジー」を搭載

Luo XGIMIは性能、スペックに加えて、ユーザーにより良い体験を提供することを重視しています。そのためにユーザーの使いやすさを第一に考えています。XGIMIプロジェクターによる大画面の没入型エンターテインメントを、ひとりでも多くの方に楽しんでいただけることを願い、開発に力を入れています。

ユーザーにもっといい映像体験を提供したい。そうした想いから新たに開発されたのがデュアルライトテクノロジーです。HORIZON Ultraには世界中から高い評価をいただいており、今回、VGP2024で特別大賞を受賞することができ大変光栄です。

■ユーザー視点を徹底して重視する



―― 米ラスベガスで年初に開催された「CES2024」では、家庭での映像体験をさらに進化させる新技術として「ISA 5.0(Intelligent Screen Adaptation)」や「Dual Light 2.0テクノロジー」が紹介されました。

Luo 創業以来、製品開発においてはユーザー視点を重視することを徹底しています。社内には強力なチームを持ち、日本はもちろんグローバルでユーザー調査を毎年行い、ユーザーに寄り添った新技術が次々に開発されています。

指針としているのは、1点目にはよりよい臨場感がある快適な視聴体験をユーザーに提供することです。さらなる高画質・高解像度、より優れた色の再現性など、ハードウエアをさらに進化させています。

2点目はインテリジェントです。ISAもそうしたインテリジェントの技術のひとつとなりますが、十人十色のユーザーの環境に適応させていくための課題はまだまだまだ数多くあります。今、プロジェクターを使用している人、使用しようとしている人だけにとどまらず、私たちが想定していなかったような方がこれから使用される機会も増えていくはずです。もっともっと使いやすくするための研究を重ね、ご年配の方からお子様まで楽しめるように、XGIMIのプロジェクターを誰でも使える製品へとさらに進化させていきます。

―― 御社ホームページにも、XGIMIプロジェクターの開発者とその母親のストーリーが紹介されていますね。母親にプロジェクターをプレゼントしたものの、操作がむずかしくて使えなかったことに端を発し、お年寄りにも子供にも使いやすい製品を作ろうと絶え間ない技術革新を繰り返す、XGIMIがユーザーの使いやすさを何より第一に考える姿勢を訴えられています。

Luo 新製品を出すときにはいつも、娘(現在9歳)に実際に使ってもらい、説明書を見なくても使えるものであれば、「これはいい商品だ」と自信を深めることができます。過去には製品が9割がた完成し、製品としてとても優れたものを完成させていたのですが、より完璧な体験を追求するために、ゼロからやり直すことを選択したことがあります。

プロダクトを担当していた時は自ら世界中に足を運んで現地の声に耳を傾けたというSteven Luo氏

XGIMIでは新製品を出すサイクルがおよそ1年から2年と長くなっている理由はそうした点にあるのです。妥協することなく、今考え得る、実現し得る一番いい製品をユーザーにお届けしていきます。

そして、3点目として挙げるのがデザインです。これまでのデジタルガジェットの製品というとごつい外観がイメージされますが、それが決して当たり前なのではなく、お客様の住まいに置いたときにインテリアに溶け込むデザインをイメージしています。

―― HORIZON Ultraもベージュのカラーを基調にして、レザーが採用され、角も丸みを帯びていてとてもやさしい印象を受けます。

住まいのインテリアに溶け込むデザインを追求。HORIZON Ultraもベージュのカラーにレザーを採用、コーナーは丸みを帯びている

Luo 「これがプロジェクターなの?」と思われる人もいるくらいに、製品の外観の色や材質にはこだわっています。これからどのような色や材質が望まれているかについて、世界中のいろいろな地域で調査を行っています。

■XGIMIの有する優秀な技術を日本市場へローカライズ



―― この度、XGIMI株式会社のCEOに就任されました。ここで改めてプロフィールや事業方針についてお聞かせください。

Luo 家電業界を20年以上経験して、XGIMI Technologyには2018年に入社し、8年が経ちました。これまではマーケティングや販売戦略、グローバル市場におけるXGIMI製品の製品戦略および企画、そして、人事の責任者を務めてきました。プロダクトを担当していた時は自ら世界中に足を運び、製品に対する評価やアドバイスについて現地のユーザーの声に耳を傾けました。人事開発戦略では中国にとどまらず、世界中の人材に関わってきました。

この度、XGIMI株式会社のCEOとして着任し、日本におけるマーケティング、製品戦略、販売、財務などすべての意志決定と執行を担当します。日本の皆様にXGIMIの製品をもっとお使いいただけるよう頑張って参ります。

―― 日本のプロジェクター市場をどのように見られていますか。

Luo これからユーザーやメディア、パートナーの皆さんの声をお聞きして、パートナーシップを組む企業とも力を合わせ、日本のユーザーが望まれる製品を提供していきます。その上で、皆さんの声・アドバイスは欠かせないものとなります。とりわけ日本のユーザーは製品に対して求めるハードルが高いですからね。

―― どのあたりに感じていらっしゃいますか。

Luo 特に品質とデザインの2点を大変重視されています。しかしながらXGIMIでは、そこは得意とするところでもあり、ユーザーやメディア、パートナーの皆さんの声をお聞きしながら、XGIMIが有する技術を日本という市場にローカライズし、より満足度の高い商品をお届けしていく自信があります。

スマートプロジェクターによる没入型エンターテインメントを身近に引き寄せるXGIMI

―― 日本では肌色の再現に対してこだわりが強いとの話をよく聞きます。画質モードの進化にも期待したいですね。

Luo グローバルで販売を行っていますが、色に対する好みや傾向はやはり各地域で異なってきます。今後、日本のユーザーに向き合い、より日本のユーザーに合う製品を作っていきたいですね。

■日本のユーザーが目を丸くする製品をお届けする



―― 前記のCES2024の最新技術発表のプレスリリースでは、創設者兼CEOのApollo Zhong氏の「我々はホームエンターテイメントを再構築し、これまでハイエンドプロジェクターにしか提供できなかった体験を提供します」「素晴らしい映像体験をすべての家庭へもたらす」とのコメントが大変心に残りました。さらなるプロジェクター市場の創造へ、意気込みをお聞かせください。

Luo 2023年1月 — 9月の調査で、ホームプロジェクターの出荷台数でXGIMIは世界1位となりました。Harman Kardon、Google、Texas Instrumentsといった世界的な企業と協力して、さらにユーザーの皆様に愛される製品を開発していくとともに、共同開発等も考えていきます。日本のユーザーが喜んでいただける製品をお届けしていきますので、どうぞご期待ください。

「日本のユーザーに喜んでいただける製品をお届けして参ります」と力を込める

XGIMIではユーザーが製品に対してどのようなニーズや要望があるのかを綿密に調査・分析をして、その結果から導かれる理想の製品を、ゼロからデザインして開発、製造しています。そこで必要とされる部品が無いのであれば、自社で部品から開発を行っています。

何故そこまでやるのか。それは、単に製品を開発・販売しているのではなく、ユーザーのために製品を開発しているからに他ありません。

これまで、今回特別大賞をいただいた「VGP」や日本の「GOOD DESIGN AWARD」をはじめ、「reddot design award」「iFdesign award」「CES INNOVATION AWRDS」「EISA AWARD Best Product」「IDEA AWARD」など、これまで80以上の国際的アワードを受賞しています。今に決して満足することなく、今後もよりクリエイティブで面白い商品を開発、提供していきます。

弊社の開発チームのメンバーが一番好きなことは、ユーザーのコメントを見ることで、皆さんからの声に鼓舞され、もっといい商品を出さなくてはと、さらに意欲が湧いてくると言います。マネジメント層のメンバーも、ユーザーから高く評価いただく声を目にすると、夜も眠れないくらいうれしいと言います。いい製品をつくってユーザーの元に届けることが一番の楽しみなんです。

―― 情報の入手手段も多様化していますが、実際に手に取り体験することができる販売店は依然として重要な役割を担いますが、そこでのプロジェクターの展示状況を見ると、決して満足のいく状況とは言えません。流通も巻き込んだ活躍を期待しています。

Luo 皆様との連携を強化しながら、スマートプロジェクターがあるライフスタイルの豊かさを日本のユーザーにお伝えして参ります。プロジェクターという製品を手に入れることで得られる感動を、どうしたらよりお伝えすることができるのか。製品はもちろんのこと、販売する環境、体験する環境をさらに充実させて、XGIMIのスマートプロジェクターをひとりでも多くの人に手にしていただくことが、私に課せられたミッションとなります。

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